喫煙者だとCOPD(慢性閉塞性肺疾患)も疑われる。長年の喫煙により肺胞が破壊される病気で、国内の推定患者数は530万人。自覚のない軽症者も含めると喫煙者の15~20%が発症する。気管支拡張薬などで治療するが、壊れた肺胞は二度と元には戻らない。厚生労働省の人口動態統計によれば、2015年には1万5756人が命を落とし、死因第10位。「禁煙は早いに越したことはないが、何歳でも遅すぎることはない」と大谷院長は話す。
ほかにもアレルギー性鼻炎、後鼻漏(鼻水がのどに流れ込む)、逆流性食道炎(胃酸の逆流による食道炎)などでせきが起こることもある。いずれにせよ、2週間以上せきが続いたら要注意。大谷院長は「一般の内科よりも専門の呼吸器内科に行ったほうがいい」と助言する。日本呼吸器学会の公式サイトに出ている「専門医一覧」などを参考に、最寄りの専門医を訪ねよう。
- 風呂場などで湯気を吸い込むとせきが出る
- 夜間(寝入りばな、深夜)にせきが出る
- 明け方にせきが出る(せきで目が覚める)
- 冷たい空気を吸い込むとせきが出る
- 会話をしたときにせきが出る
- 笑ったときにせきが出る
- 線香の煙を吸うとせきが出る
- 電車に乗ったときにせきが出る
- エアコンをつけた部屋でせきが出る
- 香水の匂いを吸うとせきが出る
- たばこの煙を吸うとせきが出る
- ラーメンを食べているときにせきが出る
- せきがいったん出始めると止まらない
- 息を吐いたときにせきが出る
- 過去に同じようなせきが続いたことがある
(作成:大谷院長)
(日経ビジネス2017年2月20日号より転載)