「仮眠時間も労働時間」と認定 千葉地裁が賠償命じる

流通大手イオンの商業施設などで警備にあたるグループ会社の社員が、夜間の仮眠時間にも実際には業務が続いているのに、残業代が支払われていないなどと訴えた裁判で、千葉地方裁判所は仮眠時間を労働時間と認め、残業代などおよそ180万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。
この裁判は流通大手イオンの商業施設などで警備にあたるグループ会社「イオンディライトセキュリティ」の社員、中村孝さん(52)が、夜間の仮眠時間にも実際には業務が続いているのに残業代が支払われていないなどと訴え、残業代およそ100万円に慰謝料を合わせた総額600万円余りの賠償を求めたものです。

17日の判決で、千葉地方裁判所の小濱浩庸裁判長は「仮眠時間も労働からの解放が保障されているとは言えず労働時間にあたる」と指摘し、残業代のほぼ全額と慰謝料の一部、合わせておよそ180万円の賠償を命じました。

判決のあと原告の中村さんは記者会見し「警備業界では同じ境遇で働く仲間が大勢いる。会社は判決に真摯(しんし)に向き合ってほしい」と話しました。一方、会社側は「判決内容を確認し適切な対応を取っていきたい」とコメントしています。