安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)が国家戦略特区に獣医学部を新設する計画をめぐり、民進党は17日、文部科学省が国家戦略特区を担当する内閣府から「総理のご意向だと聞いている」と言われていたとする文書を残していたと明らかにした。
17日の衆院文部科学委員会で民進党の玉木雄一郎幹事長代理が指摘した。玉木氏によると、文書には2018年4月とする獣医学部の設置時期について「最短距離で規制改革を前提としたプロセスを踏んでおり、総理のご意向だと聞いている」との内容が記されていた。松野博一文科相は答弁で、記録文書の存在について「現状は確認していない」と述べた。
菅義偉官房長官は17日午前の記者会見で、事実関係を否定し「首相は一切指示をしていない」と強調した。そのうえで「作成日時や作成部局が明確になっていない。通常、役所の文書でそういう文書はない」と指摘。「誰が書いたか分からない。こんな意味不明のものについて、いちいち政府が答えることはない」と語った。
民進党の蓮舫代表は17日午前、党参院議員総会で「(首相の)周りが忖度(そんたく)をしている事実が、次々に明らかになってきた。衆参一体で緊急に会合を開き、さらなる調査を深めていく。改めて首相のお友達だけに特別の配慮がなされていたという疑惑は深まった」と批判した。