ネット証券とは
ネット証券とは、接客用の店舗を構えずに、インターネットのホームページに株式取引用の画面を設けることによって、顧客から売買注文を受け付ける証券会社をいいます。一方、接客用店舗を構えて、窓口や電話で株式の売買注文を受け付ける証券会社を対面証券といいます。
ネット証券のメリット
ネット証券のメリットとしては、まず売買手数料の安さを挙げることができます。対面証券で売買注文を出すと、売買金額に対して1%の手数料を支払うケースが少なくありませんが、
ネット証券の場合は売買金額に対する手数料率が0.1%以下であるケースが少なくありません。
ネット証券によっては、日計り取引に限定して、手数料無料のサービスをしている会社も存在します。また、大手のネット証券では、ホームページ上で国債や社債、投資信託も購入することができますから、自宅にいながらにして、さまざまな投資を楽しむことができます。
ネット証券のデメリット
システムがダウンする可能性がある
ネット証券のデメリットとしては、取引システムに障害が発生してしまい、売買注文を出せなくなってしまうことが挙げられます。
大手のネット証券は5社とも6社とも言われていますが、ほとんどのネット証券で何度かシステム障害を起こしたことがあります。個人投資家にとっては、とくに株価の下落局面においてシステムへのアクセスが集中することによって、ネット証券のシステムがダウンしてしまい、保有している株式を売ることができなかったという事態は深刻です。
このため、ネット証券各社は、システムの不備を取り除く努力を続けている模様です。
対応してくれる担当営業マンがいない
自分を担当する営業マンが存在しないことも、デメリットとして挙げられます。対面証券で取引をしていると、自分を担当してくれる営業マンがついてくれます。そして、最新の金融市場の動向や、個人投資家の追証の状況などを教えてくれるのです。
例えば担当の営業マンが、昨日は年に一度あるかないかのレベルで個人投資家が損切りの売り注文を出していたと話してくれれば、まさに株式市場は底値圏であると判断できます。
しかし、ネット証券の場合は、自分を担当してくれる営業マンがいないため、そのような最新情報を得る手段がないのです。
ネット証券はなぜ手数料が安いのか
ネット証券の手数料が安い理由としては、店舗を構えていないことが大きな要因として挙げられます。対面の証券会社の場合は、オフィスビルのフロアを賃貸借契約で借りて、家賃を支払うことによって支店を構え、接客業務を行います。
ネット証券には家賃という固定費がないため、その分、手数料を安く設定することができるのです。
また、ネット証券には支店がないため、その分、営業マンを雇用する必要がありません。そのため人件費が、対面証券と比べて安く済んでいます。人件費負担が少ないということも、手数料を安く設定できている要因として挙げることができます。
株式投資をするならネット証券がおすすめ
20年前と比べれば、ネット証券の登場によって個人投資家の株式投資における立場は大きく変わりました。売買手数料は格段に安くなりましたし、自宅のパソコンやスマートフォンから、板を見ながら売買注文を出せるようになりました。
おまけにネット証券のサービスとして、証券会社が発行するアナリストレポートを読めるようになりましたから、20年前と比べて機関投資家と個人投資家との間の情報分析能力は、かなり縮まってきています。日頃から金融や経済の勉強をしていて、自分自身で売買判断を下せる個人投資家ならば、手数料が安く、スピード感をもって売買注文を出すことのできるネット証券を利用することは大きなメリットがあります。