【ワシントン=永沢毅】複数の米メディアは16日、トランプ米大統領がロシアに漏らしたとされる機密情報について、イスラエルが米国に提供したものだと伝えた。複数の米政府高官が明らかにした。米はイスラエルの了解を事前に得ておらず、両国関係に打撃を与える可能性がある。
トランプ氏は10日のロシアのラブロフ外相、キスリャク駐米大使との会談で、過激派組織「イスラム国」(IS)に関する機密情報を漏らしたとされる。この会談についてトランプ氏は16日、ホワイトハウスで記者団に「大成功だった」と語った。マクマスター大統領補佐官も「大統領の会話は完全に適切だった」と強調し、問題はないとの認識を示した。
機密情報には、航空機内でのパソコンを使ったISのテロ計画の詳細や、脅威を探知したIS支配地域の都市名などが含まれるという。機密情報を第三国に提供する場合、米は情報提供国の了承を事前に得る必要がある。だが、米メディアによると今回、イスラエルから事前の了解は得ていなかったもようだ。
トランプ氏は今月下旬、中東・欧州歴訪の一環でイスラエル訪問を予定している。同国のネタニヤフ首相との会談で情報漏洩問題が話題に上る可能性もある。