米・トルコ大統領が会談、クルド問題で対立も友好強調
2017年05月17日 08:52 発信地:ワシントンD.C./米国
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【5月17日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領とトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が16日、ホワイトハウス(White House)で会談した。エルドアン氏は米政府がシリアでのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」掃討作戦の一環でクルド人民兵組織に対する武器供与を承認したことに強く反発しているが、両氏は会談に当たって開いた共同記者会見で両国間の緊張緩和に取り組む意向を示した。
エルドアン氏は先月の国民投票で大統領権限を強化する憲法改正を実現し、権力を掌握した。今回の訪米では、民兵組織クルド人民防衛部隊(YPG)に対する支援のほか、トルコ側が昨年のクーデター未遂の首謀者と断定したフェトフッラー・ギュレン(Fethullah Gulen)師の身柄引き渡し拒否などについて、直接米側に不満を伝える狙いがあった。
トランプ氏は国民投票でのエルドアン氏の勝利に対して、真っ先に祝意を表した首脳の一人。記者会見ではエルドアン氏もトランプ氏は米大統領選で「伝説的な勝利」を収めたと持ち上げ、「当然、トランプ氏の勝利によってトルコと周辺地域には新たな期待が生まれた。われわれは米国の新政権はこうした期待を無駄にしないと承知している」と述べた。
一方のトランプ氏は、トルコは冷戦中、北大西洋条約機構(NATO)に歴史的な貢献を果たしたと称賛。その上で「今日、われわれはテロとの戦いで新たな敵に直面しており、この脅威に対して再び共に立ち向かおうとしている」と語った。
エルドアン氏は席上、トランプ氏と温かい言葉を交わしながらも、シリアにYPG主導のクルド人自治区を設置することは絶対に受け入れないと改めて明言。また、ギュレン師の引き渡しを米政府に期待していることを「率直に伝えた」とも述べている。
両大統領は会見後、レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官を交えて一連の問題について突っ込んだ協議を行うため、会談や昼食会合に向かった。(c)AFP/Dave Clark