秋田県青少年交流センター(秋田市)が、この夏の韓国への高校生派遣を中止したことが16日わかった。北朝鮮による相次ぐミサイル発射や、慰安婦を象徴する少女像が派遣先の京畿道平沢(ピョンテク)市に設置されたことを考慮した。平沢市側の交流プログラムで、同様に中学生を派遣していた青森市と松山市も中止する。

 秋田県では2011年から、10人前後がソウル近郊の平沢市で文化や歴史を学んだりホームステイをしたりしている。中止は韓国で中東呼吸器症候群(MERS)が流行した15年以来。

 センターによると、ミサイル発射で半島情勢が緊迫化したのに加え、3月に平沢市青少年文化センター前に少女像が設置されたため、「施設を拠点として高校生の交流を行うことは教育上適切ではない」と判断したという。

 プログラムでは平沢市からも高校生が秋田を訪れていたが、今後の派遣や受け入れは未定という。

 文部科学省国際教育課によると、4月以降、このほかに少なくとも奈良県と和歌山県の私立高校各1校が韓国への修学旅行を延期したという。(石川春菜)