『迷惑メールを送ってくる悪徳業者を告げ口で仕返ししたらどうなるのか?|【検証】』
先日弊サイトではマレーシアの金融機関を騙って利益誘引詐欺を行う迷惑メールに関する詳細なレポートを行いました。
このレポート後に筆者は今回の調査で判明したIPアドレス管理者(プロバイダ)に対してメール差し止め願いを出しつつお話を聞いていたのですが、本日はその顛末についてレポートしたいと思います。
少しばかり専門的でとっつきにくい内容になるかもしれませんが、簡単に言うと、迷惑メールを撃退するために送信者に対してではなく、その送信者が利用しているプロバイダに通報する方法は有効かどうかを調べる実験、です。
もっとわかりやすく言うなら、近所迷惑な賃貸アパートの住民(迷惑メール送信者)に直接文句を言ってもダメなので、大家(プロバイダ)に告げ口してみようと言うアプローチです。
【1】プロバイダへの告げ口方法
まず今回の実験では迷惑メール送信者のIPアドレスから利用しているプロバイダを探すことが必須になります。
先ほどプロバイダは「大家」という比喩を使いましたが、プロバイダは実際に契約者に対して自分たちがもっているIPアドレスを割り振るのが仕事です。
8部屋ある賃貸アパートを持っている大家さんがその内の1部屋を契約者に貸すのと一緒ですね。
現在日本にはテレビCMで流れるような大手プロバイダだけでなく、大小合わせて数千社が存在するようですが、その中からまずは今回の迷惑メール送信者の大家を探します。
と言っても探し方はいたって簡単で、まずメールのヘッダー情報を見ます。
ヘッダー情報は主要なフリーメール(yahooメール、gmail,hotmail)なら簡単にPCから見ることができます。
(※携帯キャリアメールの場合は各社で仕様が異なりますので、お使いの携帯会社にご確認ください)
上の画像はyahooメールで受信していた前回のマレーシアの金融機関を装う迷惑メール送信者のメールヘッダー情報です。
このズラズラと書かれているヘッダー情報ですが、ここで大事なのは「X-Originating-IP」の箇所のみです。
ここに書かれている数字が発信者のIPアドレスということになります。
これをアジア中のIPアドレスを網羅している【APNIC】でwhois検索すると、プロバイダとその連絡先であるメールアドレスが表示されます。
ここでは名前を伏せますがS社という会社が管轄していることが簡単に判明しました。
あとはこのS社に対して「御社管轄のIPアドレスから迷惑メールが送られてきていて大変困っているのですが、なんとかしていただけませんでしょうか?」と告げ口&泣きつきます!
この時メールヘッダー情報を全てコピーして通報メールにペーストしておくと話がスムーズに進みます。
すると翌日プロバイダからこんなメールが返信されていました。
告げ口、完了です!
実際この日を境に例の迷惑メールはプッツリ来なくなったのですが、それはこのプロバイダから送信者へ連絡が行ったためなのか、たまたま止まるタイミングと一致しただけなのか、は今後検証を重ねていく必要があります。
ですが、メール配信の停止願いを出しても聞き入れない悪徳サイトならプロバイダに直に言う方が効果があるのは間違いなさそうです。
ちなみにプロバイダ側でこういう迷惑メールやスパムメールを大量に配信している悪質な契約者がいることを察知できないのか?について尋ねてみたところ、
「大家」さんだけに、住民に貸し出している部屋の内情まではなかなか察知することの難しさがあるようです。
弊サイトでは迷惑メールへの正しい仕返し方法として、関係機関への通報を推奨しておりました。
もちろんそちらの方法も有効ではあるのですが、「即効性」という点においてやはり期待できない部分があります。
一方プロバイダへの通報は、今回は前向きな対処を講じる回答を得られましたが、各社によって対応が変わってくるものと思われます(契約者サイドに立つ大家さんもいるでしょう)。
しかし即効性という点においては、関係機関の通報よりもはるかに期待できそうです。
もしどうしても迷惑メールにむかっ腹が立って仕方がないという方は、悪徳業者に安易に直接コンタクトをとってしまうのはリスクもありますので、こちらの方法をお試しになってみてはいかがでしょうか?
なお今後プロバイダ数社で同様の実験を行い、その効果検証のほうを改めてレポートさせていただこうと思います。
著者:悪徳業者に騙されない出会い系選びスタッフ(Kentaro Oonishi)
記事日付:2014/08/20
参考元:
■悪徳業者逮捕!?出会い系ニュース