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拷問禁止委員会からの韓国に対する勧告への日本の反応が色々ひどいので、少し解説。
なお、素人です。公開情報を追ってわかる範囲で書いてます。


1.拷問等禁止条約とは何か
正式な名称は「拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する条約」で、情報収集を目的としたいわゆる「拷問」だけでなく、人権侵害となるような行為が公務員などによって行われる事を防ぐための条約です。

詳しい内容は外務省のページを見てください。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gomon/

この条約は結んだら終わりじゃなくて、定期的にちゃんと守られてるかチェックが入ります。その任に就いているのが拷問禁止委員会。条約の趣旨から当然ですが、条約締結国が結んだ他の国と結んだ国際条約などもチェックの対象となります。
今回は、韓国がチェックの対象国だったというわけ。

2.なぜ慰安婦問題に言及してくるのか?

戦時性暴力というのが、国連人権委にとって大きなイシューとなってるからです。これ自体は日本軍の慰安婦制度に限定した話ではありません。しかし、この問題が広く知られる事になった契機の一つに、元慰安婦の告発があるので、注目を集めるのはしかたありません。
どのような問題に取り組んでいるかは2013年に日弁連が作成したパンフレットがわかりやすいです。
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/UNC_against_torture_pam.pdf


3.なぜ今回の勧告が出たか?

委員会からすれば、戦時性暴力被害に対する被害者救済及び、真相究明、再発防止などに、今回の合意がどう作用するか、というのが評価のポイントになります。
で、その結果は不充分と。まあ、当たり前ですよ。そもそもそういう観点から評価するって事自体、日韓両政府共やってないでしょう。

その一方で、日本政府による戦時性暴力被害者に対する二次加害は合意後も続きます。
大きなものでだけでも、
・国連で「慰安婦は性奴隷では無い」と発言する。
・北米での少女像設置にまつわるSLAP裁判を公的に応援する。
といった事をやっています。事実上、この合意は日本からは少女像撤去/新規設置防止の為の根拠としての用途としてしか使われてません。ポーズとしての被害者救済すら出てこない。そりゃこういう勧告にもなりますよ。

4.日本への影響は?
対象国が韓国だったので、韓国宛になってますが、状況が変わらなければ(そして変わるとも思えないので)日本も同じ勧告を受けるでしょうね。法的拘束力が無いからと突っぱねる未来まで見えてしまいます。

日本はこれに限らず、人権に関する複数の条約に入ってますが、これって「私たちは文明のルールに則って国家を運営します」って意思表示なんですよ。で、それに対する勧告を法的拘束力が無いからといって無視し続ける事が何を意味するかわかりますかね?
守る気が無いなら条約抜けたら? とか言われますよ? いいんですか?

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