あそこの光はなに?
八丈島などに自生する「ヤコウタケ」を始め、世界には暗闇で光るキノコが80種類以上も存在します。しかし、すべてのキノコの発光の仕組みが解明されているわけではありません。でも、先日発表された研究によって、その謎がまたひとつ明らかになったのです。
キノコ以外にも、虫やバクテリア、海洋生物などにおいて発光する生物は存在します。その多くは「ルシフェラーゼ」という酵素と、発光の基となる分子「ルシフェリン」が化学反応を起こすことで発光します。ルシフェラーゼとルシフェリンがエネルギーと大気中の酸素と混ざると、励起状態のオキシルシフェリンが生成されます。そして、基底状態のオキシルシフェリンに戻るために、エネルギーを光として放出するという仕組みなのです。
ネタ元EurekAlert!によると、Zinaida Kaskova教授とその研究チームがNeonothopanus gardneri (ブラジル原産の発光するキノコ)とNeonothopanus nambi (南ベトナムの雨林で見つかる毒キノコ)の抽出物を分析したところ、オキシルシフェリンに相応するものを発見しました。彼らいわく、菌類のルシフェラーゼは菌類のルシフェリンの複数の誘導体と無作為に作用できます。それがキノコの発光の強弱や色合いに変化をもたらすのです。
まだまだ光るキノコの謎は残っていますが、この研究結果だけでも色んな技術へ応用できそうですね。
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image: wada / Shutterstock.com
source: EurekAlert!
(たもり)