『捨てる 残す 譲る 好きなものだけに囲まれて生きる』という本を読み進めています。「ミニマリストになるための指南書」という雰囲気です。読み始めた当初は「あー、どこかで聞いたことがあるぞこれは」という既視感でいっぱいだったのですが、読み進めるうちに少しとらえ方が変わってきました。優しく、しかし、ぐいぐい迫ってくるのです。
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本書が提唱しているのは、おしゃれな収納用品や大きな収納庫にたくさんのモノを入れることではなく、ふだんの生活で扱うモノの量を減らすことです。
チャートに記入する必要はありません。あなたにはそんな悠長なことをしている余裕はないはずです。また、他人の片づけの体験談も書かれていません。本書の主役はあなた自身だからです。(p.5)
この「チャートに記入する必要はありません」という一文に少し心を動かされるところがありました。
これに先だって、以下のような一節もありました。
ミニマリズムを実践すると、所有物を上手に管理することができます。失われたスペースを取り戻し、家が持つ本来の機能を回復させ、快適な生活を送ることができます。そして、モノが散らかった部屋での息苦しい暮らしから解放されます。(p.4)
この部分を読んで、僕自身「ミニマリスト」や「ミニマリズム」という言葉に、やや誤解を持っていたことに気づきました。
もっと偏執的で徹底的なものだと感じていたので、距離を置こうと決めていたのですが、むしろ「本来あるべき状態を目指す」という方向性が感じられます。「がんばらなくても良さそうじゃないか」、と。
方法論ではなく方向性
本書から得られるのは「片づけるためには、こうすればいい」という方法論ではありません。
そうではなく「こういう風に考えると、片づいた状態を実現したくてたまらなくなる」という方向性です。
たとえば、以下のような問いかけとともに「さぁ、どうですか?」とやさしく迫ってくるのです。
- もっとも幸せだったのは人生でいちばんモノを持っていなかった時期ではないですか?
- 海外に引っ越すことになりました。国内にモノを一切残せませんし、引っ越し先に配送することもできません。何も持っていきますか?
- 真夜中に火災報知機の警報で目を覚まし、数秒以内に重要な所有物を持って避難しなければなりません。何を持ち出しますか?
- 家の中に溜め込んだ膨大な数の不要品を遺族に整理させるのですか?
こうした質問を浴びせられるうちに、「うぐぅ…」と唸らせられながら、モノを整理する方向にシフトしていくのです。
また、以下のような「真理」を提示することで、さらに背中をぐいぐい押してきます。
- 何らかのイメージを前面に押し出すために多くのモノを所有したがる。
- 英会話のテキストを捨てることは自分が英語が話せるようになるチャンスを失うような気分になる(だから捨てられない)。
- 収納は解決にはならない。見えなくするだけ。
シェアオフィスではミニマリズムを実践していた
以下は通っているシェアオフィスの写真です。
この写真を改めて見てふと思いました。ここに来て仕事を始めるときはその日に必要なモノしか机の上に出しません。そもそも荷物が重くなるのがイヤなので不要なモノは自宅に置いてきています。そして、帰るときは机の上に出したものは残らずすべて持ち帰っています(シェアオフィスなので)。
あぁ、そういうことか、と合点がいきました。
自宅もこういう「仕組み」になっていればいいわけです。もちろん、完全に同じようにはいきませんが、少なくとも「自宅だから」ということで油断しているところは多分にあります。出しっ放しにしているのです、もはや使っていないモノや不要なモノも含めて。
いずれも決してシェアオフィスには持ち込まないモノばかりです。もちろん、自宅でしか使わないという理由で持ち込まないモノもありますが、自宅でも使わないモノも大量にあります。
本書にも以下のような一文がありました。
私たちは生活の80%を所有物の20%で満たしています。つまり、現在の所有物のわずか5分の1で生活できますから、所有物の5分の4がなくなってもほとんど支障がないのです。(p.106)
買うときに「処分するのに手間取るのではないか?」と考えてみる
今あるモノを捨てる以上に、新たに不要なモノを増やさないことも重要。
ということで、以下の「モノを買うときに自分に投げかけるべき質問(チェックリスト)」に共感したので、載せておきます。
- 我が家に持ち帰るだけの価値があるか?
- 我が家で重要な役割を担ってくれそうか?
- 生活を快適にしてくれそうか?
- あとで悩みの種になるのではないか?
- 置き場所はあるか?
- 似たようなモノをすでに持っていないか?
- ずっと手元に置いておきたいか?
- そうでないなら、処分するのに手間取るのではないか?
特に最後の「処分するのに手間取るのではないか?」は、過去の自分に投げかけたい問いです。この問いに向き合っていれば、処分するのにお金と手間と時間がかかるアレやコレがそもそも自宅に存在していなかったはずだからです。
とはいえ、タラレバを言っていても仕方がないので、今後は上記のチェックリストとともに生きようと思います。
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タスクシュート® とは?
» TaskChute2(Windows・Excel)» TaskChute Cloud(クラウド)
» たすくま(iPhone)
» たすくま「超」入門
06月10日(土) 新しいプロジェクトをサッと始めて着実に進める方法
今回のテーマは、
-新しいプロジェクトをサッと始めて着実に進める方法
です。
前回に引き続き、プロジェクト管理について掘り下げます。
前回の続きですが、今回初めて参加する方にも優しく解説します。
タスクカフェ講師の1人、佐々木正悟はこれまでに50冊以上の書籍を執筆していますが、一度たりとも原稿を落としたことがないと言います。つまり、締切に遅れることなく、1冊分の原稿を仕上げているのです。
これは、たとえて言うなら卒業論文を50回連続で期限までに提出しているようなものです。
書籍の執筆という仕事は、一冊ごとにそれぞれにテーマも背景も事情も異なる、言わば定型化しにくいプロジェクトです。もちろん、50回も繰り返していれば、その勘所は押さえられるがゆえに、初めて本を書くという人に比べて圧倒的に効率よくスピーディーに進められるということはあるでしょう。
それでも、佐々木にも1冊目の本の執筆という機会があったはずです。そこからいかにして「今」に至ったのか? これまでの経緯をひもときながら、新しいプロジェクトをサッと始めたうえで、これを着実に進めていく方法をお伝えします。
特に、見通しの立ちにくい仕事になかなか着手できずにお困りの方はぜひご参加ください。
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
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