ソウル=牧野愛博
2017年5月16日05時01分
北朝鮮は15日、金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の現地指導のもと、新型の地対地中長距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」の発射に成功したと発表した。朝鮮中央通信が伝えた。軍事専門家によれば、射程は4千~5千キロ。北朝鮮が目指す米本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実戦配備に一歩近づいたと言えそうだ。
軍事専門家によると、火星12は液体燃料の新エンジンを使った単段式で、移動発射台を使う。弾頭の重量によっては米アラスカ州、さらにはハワイに到達できる。エンジン能力だけみれば、2~3年以内に米本土に届くICBMの開発も可能という。実戦配備には、大気圏再突入の技術や機体を誘導する慣性航法装置などの装備を得られるかが焦点になる。北朝鮮は人工衛星と称した地上発射型の長距離弾道ミサイルも開発してきたが、実戦能力は必ずしも高くないと言われる。
日米韓は、火星12には3月18日に地上燃焼実験が行われた新型の大出力エンジンが使われたと分析。エンジンを複数束ねた形での発射に成功すれば、米東海岸に到達可能とみている。
また、専門家は火星12に搭載…
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朝日新聞国際報道部