宗教や文化をめぐって、さまざまな価値観が交錯しています。
教会内でポケモンGOをプレイし、ビデオカメラ搭載型のペンを不法に持ち込むなどして宗教心を乱したことから有罪判決を言い渡されたのは、ロシア人ブロガーのRuslan Sokolovskyさん。
同氏は昨年、ロシア正教の教会でポケモンGOをプレイする様子を動画投稿。これについてロシア当局は「社会への侮辱」だという見解を示しました。そしてこのケースを担当したYekaterina Shoponyak裁判官は検察側の訴えを認め、執行猶予付きの3年半の懲役の判決を下したのです。
ロシアの報道機関TASSによると、裁判官は次のように述べています。
憎悪をあおって宗教心を乱したうえに、ビデオカメラつきのペンという特殊な技術手段を不法に所持していたことから、裁判所は専門家の評価に従ってSokolovsky氏を有罪と判断した。
Sokolvskyさんが投稿した動画は現在も彼のYouTubeアカウント、Sokolovsky!で公開されていて、教会内でのスマホ使用に対する馬鹿げた法律だと考える同氏の一種の抗議活動のように残されています。
Sokolovskyさんは、2016年9月に自宅で逮捕されました。翌月、正式に勾留される前に新しい動画をネットに投稿して勾留条件に違反したのです。
同氏は「ぼくは馬鹿かもしれない。でも、過激派ではない」と、ロシアのニュースサイトMeduzaに先月コメントを残しています。
昔の人たちは、3年半とかではなく数十年とかもっと長い間投獄されていた。たとえば共産主義やスターリンに対するたちの悪い冗談とかでね。いま、彼らはぼくが正教会やキリル1世について不愉快なジョークを言っていたからといって3年半牢屋に入れたいようだ。ぼくにとってこれは残忍で野蛮だよ。どうすればこんなことが可能なのか理解できないよ。でもやっぱり、ぼくらが見てきた通り、たしかに可能だったんだ。
今回の有罪判決についてAP通信は、教会でゲリラライブを行ない、約2年間を刑務所で過ごすことになったたロシアのパンクバンド「Pussy Riot」のメンバーとほぼ同じケースだと指摘。彼らの行為もまたロシアの宗教心を乱すものだと判断されたのです。
奇妙なことに、今回Sokolovskyさんが所持していたというペンに扮した違法カメラについてはいささか混乱が起きているようです。審問中には、このペンが自分のものではなく、カメラでもなくてライトになっていると発言したことが報じられています。すでに突飛な話題であるためか、この部分に関する詳しい情報は明らかになっていないようです。
Sokolovskyさんは審問中、エカテリンブルクの教会「Yekaterinburg’s Church of All Saints」で撮影された彼の動画によって気分を害した人々に対して謝罪しました。ただ本人にとっては残念なことに、この謝罪が刑罰の軽減に繋がるということはなかったようです。現在、拘置所に収容されている同氏がいつ刑務所に送還されるかは、執行猶予付きであることから明らかになっていません。
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image: YouTube
source: Associated Press, TASS, YouTube, Meduza
reference: the guardian
Matt Novak - Gizmodo US [原文]
(Rina Fukazu)