こんにちは、DACです。
今回は、互助会に関するお話です。特にはてなブログは始めてみたものの「互助会乙」とコメントされて、ショックを受けてしまったような方が気付きにくい視点についてお話したいと思います。
尚、この話ははてなブックマークのサービス始まって以来何十周もぐるぐる回っている話で既にはてなに慣れている方からは「今更…」「なんかちょっと違う」的なところも多いかと思います。指摘が妥当と思えば適宜修正追記することはやぶさかでは無いため、あまり表現的に逸脱無い範囲でお教えください。*1
今回のネタ元エントリ
概要
はてなブックマークで互助会扱いをされている人のサイトをよく見てみると、毎日のようにきちんと記事をアップして、「人」を大切にしてい
て、Twitterやコメントなどで積極的にコミュニケーションを取っている場合が多い。それらは信頼を生み出す誠実で律儀な自然な行動の流れ
であり、仕事をした後のフォローが、人間関係を深め信頼関係を築き、次に繋がる
実社会で成功する人に共通する性質と言える。
過去に「はてな本部」に互助会について直接問い合わせたときに感じ取ったことからも、自然に流れている礼儀や律儀な関係を
不正な行為と認めてペナルティにする
可能性は無いと考える。互助会扱いを受けることを恐れ身動きが出来なくなったり、互助会扱いをして他人を傷つけるよりも前向きに考えてお互いに居心地が良い場所作りを進めた方が有意義なのではないか。
感想
ブロガーの立場での自分で考えるなら、これは非常に前向きで良いエントリだと思いました。特に当事者であるはてな「互助会」とされてしまっている人達の方々にとっては心強い応援となるでしょう。
自分なりのエントリを頑張って書き、普段つきあいを密にする人達から認めてもらう。その好循環の結果はてなブックマークが多く集まってバズる。普段より多い流入を得ることが出来て喜んだ矢先、ふいに「互助会乙」と身に覚えがないレッテルを張られ横面を殴りつけられる。初心者のはてなブロガーでブックマークも然程使いこなしていないならば、青天の霹靂でしょう。
しかし、このエントリには大きく欠落しているものがあります。それは、はてなブックマーカの視点です。
注意事項
以下の内容は、初心者はてなブロガーとしては、即座に否定したり目を背けたくなる内容が続きます。
しかし、これからはてなでブログを書き続ける上で非常に重要なことを書いています。立場の違いによる認識の齟齬です。まずは一旦は読み通し、状況としてそういうものがあるということを飲み込んでください。
共感する必要は決してありませんが、何故このような事態に巻き込まれているか、それが本当に単なる理不尽と捉えて良いのかをよく考えて下さい。単純にネットにおいて、唾を吐き人を傷つけるコメントをするのは、若い方よりも中間管理職でストレスが溜まっている方
と決めつけて断絶をする前に相手には相手の観点があると知って下さい。
はてなブックマークとは何か
ひいてはソーシャルブックマーク(以降、SBMと表記)とは何か…ということを考えたことがありますでしょうか?
SBMは名前の通り、Webブラウザにあるブックマーク*2をネット上に公開して、ソーシャル的に不特定多数の人間と共有し有益な情報源とすることを目的としたサービスです。
Googleのような検索エンジンがWebサイト情報をクローラで収集し特定のアルゴリズムで機械的にインデックスされるものに対し、SBMは共有公開されているURLに対し人間であるブックマーカが紐づいています。
SBMに何が期待されているか
ブックマーカはWebの閲覧者であるため、同じWebの閲覧者にとって有用な情報、興味に即した情報を提供してくれる可能性が高いことが想定されています。
つまり、次のようなことが期待されています。
- 検索エンジンのアルゴリズムは、不明で外部的にインデックス結果に必ずしも納得感が無い。一方、SBMは血の通った人間が直接手を入れた結果の集合情報であり結果に納得しやすい筈である
- 検索エンジンのアルゴリズムは、SEO対策で騙されるかもしれない。一方、SBMは人間が介するため自分にとって有用なコンテンツを共有するので機械のように騙されにくい筈である
- 個々のブックマーカは市井のネットワーカだから、コンテンツに対して直接的な利害関係が無く不要な情報を提供される可能性が低い
「互助会」批判の背景
上記してきたような仕組みが機能し、質の高い情報ほど評価が高まり、そうではない情報は評価が上がらないという結果が当初よりSBMには期待されています。
しかし、現実は必ずしもそうはなっていません。そうなっていない理由は複数の要因があります。SBMに期待される部分を原理的に捉えた場合、期待する機能を実現できないノイズと言うべき要因の一つが「互助会」疑惑なのです。
「互助会」と認定されがちな状況
「互助会」と判断されがちなのは、以下の条件のいずれかを満たす場合です。
- 初期に肯定的なコメントが連続している
- 同程度の品質のコンテンツに比較し3-10のブックマークが早期に付けられる
- ブックマークコメントやブックマークが挨拶や交流手段として使用されている
- ブックマークするメンバが固定ファン化し、評価が甘いように見える
同じブックマークなのに価値に格差が生まれている
平等にブックマーカに割り振られたはずのブックマーク一つの価値に格差が生まれているとみなされることが一番の問題です。
例を挙げましょう。
片や実力のみで万人に求められる質の高い情報があるコンテンツで50ブックマーク、片や限定的なコミュニティでの好感度や親近感に多く支えられたコンテンツで50ブックマークが付いたとします。
誰がブックマークをどういう考えでしたかは関係なく、はてなブックマーク上では同じ価値として評価されます。*3即ち、前者のブックマークは必要以上に安く、後者のブックマークは必要以上に高く見積もられ同じブックマークの価値に格差が生まれてしまっているのです。
それはそういう仕組みだから当然じゃないか…と主張したいのをぐっとこらえてください。好むと好まざるとこういう解釈が存在すると知ることが大事なのです。
それの何が問題なのか?
「互助会」批判をするブックマーカの視点
先の原理主義的な視点に立つならばこれは由々しき事態と言えます。
信頼したい情報ソース、評価機関としてのブックマークが機能しなくなるからです。宝の山を期待して手を突っ込んでみたらその人にとって何の役にも立たない目障りなスパムに何度となくぶつかることになる訳です。
一度や二度なら看過できても、何度もは辛い。それを選り分ける有効な手段もありません。運次第ではゴミの山にしか行き当たらないとなればストレスフルになります。
ブロガー側の視点とそれに対する「互助会」批判者からの捉え方
一方、コミュニティに持ち上げられたブロガーは普段にはない異常な規模の流入を体験することになります。外部リンクが急増し、結果検索エンジンからの評価が一気に高まる可能性も高いでしょう。特に普段は閲覧数がまだ少ない初期のブログであれば有頂天になるくらい嬉しいでしょう。
より多くに見てもらう機会を得て、もしかしたら収益増も期待できるかもしれない。一回でも体験すれば、あの素敵なバズを二度三度と期待するのも無理はありません。効を奏したこと周囲との付き合いに感謝し、より密な関係、広い付き合いを構築しようとします。
その行為は、原理主義的にSBMに期待する立場から見れば、ブックマークの価値に格差を生み仕組みを台無しにする邪悪な行為に映るのです。
はてな「互助会」とされてしまっている人達に抜けてるブックマーカ視点
立場が違えば考え方も違ってきます。
別にそれを甘受しないといけないなんてことは言うつもりはありません。ただ、相手が何を考え、そのような言動に至っているかは理解してください。
納得は出来ないと思います。それで良いのです。でも相手は悪までも鬼でもない、同じ人間です。「互助会」とレッテルを貼られたからと言って、相手に「理解不能」「理不尽」というレッテルを貼ってはいけません。理解したうえでどうするかは勿論あなたの自由です。ただ、知らないで怖がったり嫌ったりするよりは、背景を知った上での方が腑に落ちるところがあると思います。
はてなブックマークへの原理主義的な期待はもう捨てるべきではないでしょうか?
ここで自分の考え方を明確にします。
自分は原理主義的な考え方にも一定の理解をしているつもりです。原理主義の理想はある種素敵なことだと思います。誰がどう見ても等しく評価が高い有用なコンテンツに、それぞれ明確な価値付けされたインデックスが存在する。それは、とても便利で多くの人にとって有難い存在となるでしょう。
しかし、今のソーシャルブックマークの仕組み・運用では絶対に実現できないとも思うのです。もし万が一に「互助会」扱いされるような人が全て排除されたところでブックマーク一つあたりの価値は不均等なままですし、価値付けに万人にとっての満足できる結果など生むことは無いと思います。
- 評価者の力量差異
- 評価者の評価基準差異
- 時間経過による評価差異
- 評価対象の知名度信頼性による不均等
- 感情に依存した評価のぶれ
挙げていけば、まだまだあると思います。これらもまた結果を捻じ曲げる要因としては無視は出来ないものでしょう。下手をすれば互助会どころではないように思います。
現在の運用状況にある多くの問題点を仕組みや運用でどうにか出来るとも思えません。はてなブックマークへの原理主義的な期待はもう捨てるべきではないでしょうか?
はてなブックマークは数ある情報の導線の一つに過ぎない
確かにはてなブックマークのホットエントリーは膨大のWebコンテンツから、多くの人が興味を引いた情報を見つけるのに便利な仕組みです。
しかし、所詮は数ある情報の導線の一つに過ぎないとも言えます。自分にとって興味があるものを見つけるのに、多くの他人が見つけてきたものが適合するかどうかをよく考えてみましょう。
自分の場合は、ホットエントリは殆ど使用しません。自分にとって興味が湧かないもの、自分にとっては価値が無いと思うものが多く含まれ過ぎているからです。
よりこなれたブックマークの使い方として、他のブックマーカをお気に入りに登録したり、タグを辿ってみるなど様々な使い方もあります。しかし、それらを駆使しても自分の興味範囲とはなかなか一致しないことが多いのです。
結局はてなブックマークは導線の一つでしかない…と納得した結果、自分は自分なりの情報収集方法を作る方が適切と考えました。自分が興味を持ったものであれば、他の方がブックマークしているか否かに関わらずどんどんブックマークします。
その結果わざわざホットエントリーに頼る必要性が無くなりました。共有を期待する仕組みと考えるなら本末転倒かもしれませんが、機能していないものに頼り続ける方が無理があると考えたのです。
終わりに
自分の立場は、はてな「互助会」とされてしまっている人達にもはてな「互助会」と認定することに腐心する原理主義的な人達にも寄り添わないものです。
正直言って、両方を敵に回すかもしれないことを書いています。
しかし、どちらの立場にも寄り添わない代わりにいずれの言い分も理解出来るつもりです。両者の間には乗り越え難い認識の齟齬、視点の違いがあります。何度も繰り返しになりますが、決して共感する必要はありません。但し相手を怪物や悪人として理解できないものに仕立て上げるのはやめてください。それをしたところで何も良い結果は生み出しません。
自分とは違う立ち位置の人間が何を怒り、何を悲しんでいるか?何に喜び何に期待しているか?そういったことを知ることが先に進む上で大事と思うのです。