5月15日、沖縄が本土に復帰してから45年が経った。
いまだ多くの米軍基地が集中し、さまざまな問題を抱える沖縄について、BuzzFeed Newsは9つの数字をまとめた。
県が2017年4月に発行した「沖縄から伝えたい。米軍基地の話。Q&A Book」や各種報道を参考にしている。
1. 沖縄にある米軍基地:全国の70.6%
面積比。県内人口の9割が集中している沖縄本島は、約15%が米軍基地で占められている。
全島で見れば、その広さは東京23区のうち13区分に当たるという。
2. 米軍関係の航空機事故:709件
45年間の累計。うち墜落が47件、不時着は518件だった。
1959年には、沖縄本島中部(今のうるま市)にある小学校に戦闘機が墜落。11人の児童を含む17人が死亡、210人の重軽傷者を出した。
3. 米軍人・軍属等による刑法犯罪:5919件
45年間の累計。このうち殺人、強盗、強姦などの凶悪犯が576件にのぼる。2016年には、うるま市の女性(当時20歳)が米軍属の男に殺害された。
「日米地位協定」があるため、米軍人・軍属らが犯罪を起こした場合はアメリカ側の裁判権が優先される。この見直しを求める声は大きい。
4. 基地関連収入:5.7%(2426億円)
基地関連収入が県民総所得に占める割合は、復帰前の1965年度には30.4%だったが、1972年度には15.5%と低下。いまでは5.7%まで大幅に低下している。
それゆえ、沖縄県は「米軍基地の存在は、沖縄経済発展の最大の阻害要因になっている」という立場だ。返還された跡地のほうが経済効果が大きいこともわかっている。
小説家の百田尚樹氏が2015年、自民党の勉強会で「普天間基地がある場所はもともと田んぼだった」などと発言していたが、実際は大勢の人たちが暮らす町だった。沖縄県はそのような言説を、こう否定している。
当時の宜野湾村の中心は字宜野湾という場所で、現在の普天間飛行場の中にありました。そこは、もともと役場や国民学校、郵便局、病院、旅館、雑貨店がならび、いくつもの集落が点在する地域でした。
7. 米軍基地の軍用地料:200万円未満の地主が75%
同じく、百田氏は「基地の地主たちは年収何千万円だ」と発言していたが、沖縄県はこれも否定している。
2015年度の軍用地料の支払いは、100万円未満が57.4%、200万円未満が19.9%だったという。
人口の8割以上が暮らす本島中南部の軍用地のうち、民有地が占める割合は88.4%と大きい。これも、沖縄にある米軍基地の特徴だ。
8. 普天間基地の名護市辺野古移設:反対が63%、賛成が27%
NHKによる世論調査の結果。国と沖縄県の間で軋轢が広がっている米軍基地の移設工事には、反対する住民が多い。
一方、沖縄に米軍基地があることについては、容認が44%、否定が48%だった。
これには世代差もある。本土復帰前に生まれた世代は容認が42%、否定が53%だが、復帰後の世代では容認が65%と、否定が30%だ。
9. 沖縄戦で犠牲になった人たち:18万8136人
日本国内で唯一、米軍が上陸して地上戦となった沖縄。犠牲者の半数は民間人で、当時の沖縄県民の4人に1人だ。
いまから72年前。1945年5月15日には、激しい戦闘が行われていた。