イタリアンロックなんて言われると、何それ美味しいの?とベタな質問をしてしまいそうになりません?これがね、癖がスゴイ!らしいです。記事を書きながら聴いたんですけど、ロックって火を噴く系の音楽じゃないんですかね?
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相方スケさんは無類の音楽好き。特に70年代、80年代の音楽。もうね、持前のアスペルガー気質で掘り下げます、凝ります、聴き倒します。今回はイタリアンロックを選曲です。
それでは、スケさん!どうぞ~
僕にとってプログレは、実験的、探究的、ストイックな音楽で、そういったバンドは英国やドイツに多く、それに比べるとイタリアのプログレは、良くも悪くも純粋に音楽として表現しているバンドが多い。
楽曲の甘く切ない感じはとても魅力的で、今も時々無性に聴きたくことがあり、そうなると数日間はイタロ(イタリアンロック)漬けになる。
イタリアンロックの入門として、まず有名バンド4組を紹介する。
1) BANCO DEL MUTUO SOCCORSO バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ
イタリア・プログレバンドを代表するバンド。P.F.M. と同様にEmerson Lake & Palmerが設立したレコード会社「マンティコア」から英語詞版のアルバムもリリースされた。 Banco 「Darwin」 (1972)
2) LE ORME レ・オルメ
キーボード、ベース、ドラムとEmerson Lake & Palmerと同じ3人編成だが、サウンドは素朴でおおらか。イタリアらしさを感じる。
Le Orme「Felona e Sorona 」(1973)
Le Orme - Felona e Sorona (1973)
3) OSANNA オザンナ
イタリアの最重要バンドで、このバンドを聴かずしてイタリアン・ロックは語れない。癖の強いヘヴィーサウンド。
Osanna 「Palepoli」 (1973)
European Rock Collection Part2 / Osanna-Palepoli(Full Album)
4) GOBLIN ゴブリン
英国のジャズロックバンドに近いサウンドで、イタリアンロック初心者でも聴きやすい。 リリースされているアルバムの大半がホラー映画(ダリオ・アルジェント監督)のサントラで怖い系サウンド。このローラは万人受けするサウンドで聴きやすい。
Goblin 「 Roller」(1976)
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ここからは、僕のお気に入りの10枚を紹介。
5)AREA アレア「Arbeit Macht Frei」邦題「自由への叫び」1973年
冒頭の女性による詩の朗読がとても印象に残る。 後から知ったが反戦のメッセージのような内容だった。演奏は、当時は珍しかったモンゴルのホーミーの発声を取り入れた個性的なヴォーカルを中心に アヴァンギャルドなジャズロックだ。
Luglio, Agosto, Settembre (Nero) 邦題「7月、」8月、(黒い)9月」
Area Arbeit Macht Frei full album
6)P.F.M. (Premiata Forneria Marconi) プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ
The World Became The World 邦題「甦る世界」1974年
Four Holes in the Ground
英国のバンドと明らかに違う、躍動感のある明るいノリ。
7) Alberto Radius 「Che Cosa Sei 」邦題「ケ・コザ・セイ」1976年
Che Cosa Sei
フォルムラ・トレやイル・ヴォーロといったイタリアンプログレを代表するバンドのフロントマンによる ソロアルバム。甘く切ないヴォーカルがとても美しい。
8) Cico 「Notte」邦題「夜の闇の中で」 1974年
フォルムラ・トレやイル・ヴォーロのドラマーのソロアルバム
La Notte
9) New Trolls ニュー・トロルス「Concerto Grosso」邦題「コンチェルト・グロッソ」1971年
PFMと同等の知名度を誇るニュー・トロルズ。日本でも Andante Con MotoがTVのコマーシャルに採用された。 バロック調の楽曲に哀愁が漂う。
Adagio
New Trolls - (concerto grosso) Adagio
Tempo: Cadenza - Andante con moto
New Trolls: Tempo: Cadenza - Andante con moto
10) New Trolls ニュー・トロルス「Concerto gGosso No.2」邦題「コンチェルト・グロッソ」1976年
5)の続編として1976年に発表された。続編Concerto Grosso No.2は20分程度の大作で、前作ほどではないが完成度は高く明るい曲調が特徴だ。このアルバムで僕が好きなのは、それ以外の5分程度の歌もの小曲群だ。 どれもイタリアらしい甘美さに溢れている。
Quiet Seas
Vent'anni
Bella Come Mai
NEW TROLLS - BELLA COME MAI (1976)
Let It Be Me
11) Locanda delle Fate ロカンダ・デッレ・ファーテ 『Forse Le Lucciole Non Si」邦題「妖精」1977年
Forse le lucciole non
誰もが認めるイタリアン・プログレの名曲中の名曲だ。美しいピアノによるテーマから、スリリングで緻密なアンサンブル 楽曲の構成、どれをとっても非の打ち所がない。 これ以外のヴォーカル曲も魅力的だ。
Locanda delle Fate- Forse le lucciole non ..(1977 )
12) Cervello チェルベロ「Melos」邦題「メロス」1973年
Melos
日本でも大阪と東京のバンドでは、微妙にテイストが違うように、 イタリアも北部と南部のバンドのサウンドはかなり異なる。 チェルヴェロは、ナポリのバンドで、ナポリ出身のバンドは総じて音が濃く重たい。 メロトロンバリバリの変拍子ヘヴィーサウンドは一度ハマると抜けられない。
European Rock Collection Part10 / Cervello-Melos(Full Album)
チェルベロは2017年7月に来日し、メロスを完全再現するらしい。 対バンは「新月」だ。
MARQUEE presents SYMPHONIC NIGHT VOL.2 - MARQUEE LIVE
13) LATTE E MIELE ラッテ・エ・ミエーレ 「Papillon」邦題「パピヨン」1973年
エマーソン・レイク&パーマーと同様のキーボードトリオ。 冒頭のオルガンのリフが最高。ゲーム音楽好きにファンが多い。
14) Arti e Mestieri アルティ・エ・メスティエリ 「Tilt」邦題「ティルト」1974年
スーパードラマー フリオ・キリコ 率いるジャズロックバンド。 手数が多くパワフルなキリコのドラムを軸としたスリリングなジャズロック。 後期のソフト・マシーンが好きな方に是非聴いてほしい。
Gravità 9,81
Arti E Mestieri - Gravità 9,81 (1974)
お付き合いくださり、ありがとうございました。