基地に対する意識 沖縄と全国で大きな差 NHK世論調査
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沖縄が本土に復帰してから45年になるのにあわせて、NHKは世論調査を行いました。それによりますと、沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設について、沖縄では『反対』と答えた人が多数になる一方、全国では『賛成』が『反対』を上回るなど、沖縄と全国で基地に対する意識に大きな差が見られたほか、沖縄の経済が基地に依存しているかについて認識の違いが浮き彫りになりました。
NHKは沖縄が本土に復帰してから45年になるのにあわせ、先月21日から3日間、全国の18歳以上の男女に対し、コンピューターで無作為に発生させた番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査対象は沖縄の2729人と全国の1624人で、このうち沖縄では55.5%にあたる1514人、全国では61.8%にあたる1003人から回答を得ました。
日米安全保障条約が日本の平和と安全にどの程度重要だと思うか聞いたところ、「とても重要だ」と「ある程度重要だ」を合わせた『重要だ』が、沖縄では65%、全国では83%といずれも多数になりました。
日本の安全にとって、沖縄にアメリカ軍基地があることについてどう思うか聞いたところ、沖縄では「必要だ」と「やむをえない」を合わせた『容認』が44%、「必要でない」と「かえって危険だ」を合わせた『否定』が48%と、意見が分かれました。
一方、全国では『容認』が71%と、『否定』の20%を大幅に上回り、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。
また、沖縄で世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、『否定』が53%と、『容認』の42%を上回った一方、本土復帰後に生まれた世代では『容認』が65%と、『否定』の30%を上回り、世代によっても意識に大きな差がありました。
また、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設についてどう思うか聞いたところ、沖縄では「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた『反対』が63%、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた『賛成』が27%で、世代別、男女別でも反対が多数になりました。
一方、全国では『賛成』が47%と『反対』の37%を上回り、普天間基地の移設についても、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。
調査対象は沖縄の2729人と全国の1624人で、このうち沖縄では55.5%にあたる1514人、全国では61.8%にあたる1003人から回答を得ました。
日米安全保障条約が日本の平和と安全にどの程度重要だと思うか聞いたところ、「とても重要だ」と「ある程度重要だ」を合わせた『重要だ』が、沖縄では65%、全国では83%といずれも多数になりました。
日本の安全にとって、沖縄にアメリカ軍基地があることについてどう思うか聞いたところ、沖縄では「必要だ」と「やむをえない」を合わせた『容認』が44%、「必要でない」と「かえって危険だ」を合わせた『否定』が48%と、意見が分かれました。
一方、全国では『容認』が71%と、『否定』の20%を大幅に上回り、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。
また、沖縄で世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、『否定』が53%と、『容認』の42%を上回った一方、本土復帰後に生まれた世代では『容認』が65%と、『否定』の30%を上回り、世代によっても意識に大きな差がありました。
また、アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設についてどう思うか聞いたところ、沖縄では「反対」と「どちらかといえば反対」を合わせた『反対』が63%、「賛成」と「どちらかといえば賛成」を合わせた『賛成』が27%で、世代別、男女別でも反対が多数になりました。
一方、全国では『賛成』が47%と『反対』の37%を上回り、普天間基地の移設についても、沖縄と全国で意識に大きな差がありました。
米軍基地と経済の関係は
世論調査では、アメリカ軍基地と沖縄の経済との関係についても聞きました。
沖縄の経済はアメリカ軍基地がないと成り立たないと思うか聞いたところ、沖縄では「そうは思わない」と「どちらかといえばそうは思わない」を合わせた『そうは思わない』が60%、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせた『そう思う』が31%でした。
一方、全国では『そう思う』が58%と、『そうは思わない』の32%を上回り、沖縄と全国で認識の違いが浮き彫りになりました。
また、沖縄を対象にアメリカ軍基地の存在が今後の沖縄経済の発展にとってプラスかマイナスかを聞いたところ、「マイナスだと思う」と「どちらかといえばマイナスだと思う」を合わせた『マイナス』が54%で、「プラスだと思う」と「どちらかといえばプラスだと思う」を合わせた『プラス』の32%を上回りました。
また、沖縄を対象に、基地と沖縄の振興予算について次の2つの意見のどちらに近いか聞いたところ、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が54%、「振興予算は必要なので、基地があってもよい」が28%でした。世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が61%だったのに対し、本土復帰後に生まれた世代では、2つの意見がきっ抗していて、世代による意識の差が見られます。
沖縄の経済はアメリカ軍基地がないと成り立たないと思うか聞いたところ、沖縄では「そうは思わない」と「どちらかといえばそうは思わない」を合わせた『そうは思わない』が60%、「そう思う」と「どちらかといえばそう思う」を合わせた『そう思う』が31%でした。
一方、全国では『そう思う』が58%と、『そうは思わない』の32%を上回り、沖縄と全国で認識の違いが浮き彫りになりました。
また、沖縄を対象にアメリカ軍基地の存在が今後の沖縄経済の発展にとってプラスかマイナスかを聞いたところ、「マイナスだと思う」と「どちらかといえばマイナスだと思う」を合わせた『マイナス』が54%で、「プラスだと思う」と「どちらかといえばプラスだと思う」を合わせた『プラス』の32%を上回りました。
また、沖縄を対象に、基地と沖縄の振興予算について次の2つの意見のどちらに近いか聞いたところ、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が54%、「振興予算は必要なので、基地があってもよい」が28%でした。世代別に見ると、本土復帰前に生まれた世代では、「振興予算が無くなっても、基地がないほうがよい」が61%だったのに対し、本土復帰後に生まれた世代では、2つの意見がきっ抗していて、世代による意識の差が見られます。
沖縄の人への理解は
世論調査では沖縄の人への理解などについても聞きました。
現在、本土の人は沖縄の人の気持ちを理解していると思うか聞いたところ、「あまり理解していない」と「まったく理解していない」を合わせた『理解していない』が沖縄で70%、全国で59%で、いずれも多数になりました。
また、沖縄に在日アメリカ軍の専用施設のおよそ70%があることを踏まえ、沖縄がほかの県と比べてどう扱われていると思うか聞いたところ、「差別的だと思う」と「どちらかといえば差別的だと思う」を合わせた『差別的だ』が沖縄で70%、全国で53%といずれも多数になりました。
また、沖縄を対象に、ここ5年ほどの間に、沖縄をひぼう中傷する言動や行動が増えたと感じるか聞いたところ、「感じる」と「どちらかといえば感じる」を合わせた『感じる』が57%と、「感じない」と「どちらかといえば感じない」を合わせた『感じない』の27%を上回りました。
現在、本土の人は沖縄の人の気持ちを理解していると思うか聞いたところ、「あまり理解していない」と「まったく理解していない」を合わせた『理解していない』が沖縄で70%、全国で59%で、いずれも多数になりました。
また、沖縄に在日アメリカ軍の専用施設のおよそ70%があることを踏まえ、沖縄がほかの県と比べてどう扱われていると思うか聞いたところ、「差別的だと思う」と「どちらかといえば差別的だと思う」を合わせた『差別的だ』が沖縄で70%、全国で53%といずれも多数になりました。
また、沖縄を対象に、ここ5年ほどの間に、沖縄をひぼう中傷する言動や行動が増えたと感じるか聞いたところ、「感じる」と「どちらかといえば感じる」を合わせた『感じる』が57%と、「感じない」と「どちらかといえば感じない」を合わせた『感じない』の27%を上回りました。
「本土の人たちは沖縄に甘えている」
NHKの世論調査について、日米関係や沖縄の基地問題に詳しい琉球大学の我部政明教授に話を聞きました。
アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄で『反対』が63%に上ったことについて、「沖縄の多くの人は辺野古に新しく基地ができたら、さらに負担が長期化するだろうと思っていて、強い反対のエネルギーになっていると思う」と述べました。
一方、同じ質問で、全国では『賛成』が『反対』を上回ったことについて「沖縄に基地が集中していて、差別的であることもわかっているが、多くの人の中に安全保障の問題は自分たちでは解決できないという考えが根強いのだと思う」と述べました。そのうえで、「ある意味で、本土の人たちは沖縄に甘えていて、沖縄がちょっと我慢して頑張ってくれればいいのではないかとして、問題から逃げようとしている感じがする。積極的に自分たちはどうすればいいかと、問いかけることが必要だ」と述べました。
アメリカ軍普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、沖縄で『反対』が63%に上ったことについて、「沖縄の多くの人は辺野古に新しく基地ができたら、さらに負担が長期化するだろうと思っていて、強い反対のエネルギーになっていると思う」と述べました。
一方、同じ質問で、全国では『賛成』が『反対』を上回ったことについて「沖縄に基地が集中していて、差別的であることもわかっているが、多くの人の中に安全保障の問題は自分たちでは解決できないという考えが根強いのだと思う」と述べました。そのうえで、「ある意味で、本土の人たちは沖縄に甘えていて、沖縄がちょっと我慢して頑張ってくれればいいのではないかとして、問題から逃げようとしている感じがする。積極的に自分たちはどうすればいいかと、問いかけることが必要だ」と述べました。
「基地問題に正面から取り組むべき」
NHKの世論調査について、沖縄振興策などに詳しい琉球大学の江上能義名誉教授に話を聞きました。
沖縄の経済はアメリカ軍基地がないと成り立たないと思うかについて、沖縄では『そうは思わない』が60%に上ったことについて、「沖縄の経済は基地に依存し、基地があるから国の経済振興策があると言われてきたが、だんだんと自立経済の基盤ができて、沖縄の人たちの意識の中に自信ができてきている部分があると思う。そして、経済、観光という経済活動にとって、基地が障害だという意識があると思う」と述べました。
そのうえで、「これまで、政府は基地問題を沖縄に負担してもらう代わりに、経済振興策を続けてきたが、アメとムチという従来から取られてきた手法が沖縄には通用しなくなってきている。日米両政府は沖縄の基地問題を経済振興策とは別に、正面から取り組むべきだと思う」と述べました。
沖縄の経済はアメリカ軍基地がないと成り立たないと思うかについて、沖縄では『そうは思わない』が60%に上ったことについて、「沖縄の経済は基地に依存し、基地があるから国の経済振興策があると言われてきたが、だんだんと自立経済の基盤ができて、沖縄の人たちの意識の中に自信ができてきている部分があると思う。そして、経済、観光という経済活動にとって、基地が障害だという意識があると思う」と述べました。
そのうえで、「これまで、政府は基地問題を沖縄に負担してもらう代わりに、経済振興策を続けてきたが、アメとムチという従来から取られてきた手法が沖縄には通用しなくなってきている。日米両政府は沖縄の基地問題を経済振興策とは別に、正面から取り組むべきだと思う」と述べました。