現時点で550万円超、ランサムウェア「WannaCry」首謀者へのビットコイン送金止まらず

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猛威を振るランサムウェア「WannaCry」。感染するとコンピュータが使えなくなる。ロックを解除するには300ドルから600ドル分のビットコインを送付しろという脅迫行為を行う極めて悪質なマルウェアです。報道によれば、日本国内でも日立製作所のメールシステムやJR東日本のパソコン1台が感染したとのことです。キオスク端末やゲーム機での感染があるというソーシャルメディアの投稿が話題になっています。

マルウェア感染を調査する「MALWAREINT(BETA)」を見る限り、日本にもかなりの感染が出ているように見えますし、事態が沈静化しているようにはみえません。


「WannaCry」はビットコインで身代金を送金することを要求するわけですが、現時点で筆者は4つの送金先を確認しており(共有されている映像などから収集)、それぞれに送金されている金額を調べると、なんと現時点(2017年5年15日17:00)で48354.01
ドル分。日本円換算(1ドル=114円)すると550万円を超えています。

以下の太字がビットコインの送金先のアドレスです。送金件数は感染規模からすると小さいですが、刻々と増加しています。

13AM4VW2dhxYgXeQepoHkHSQuy6NgaEb94 58件=1万4689.01ドル
12t9YDPgwueZ9NyMgw519p7AA8isjr6SMw 59件=1万7703.53ドル
115p7UMMngoj1pMvkpHijcRdfJNXj6LrLn 48件= 1万0330.18ドル
1QAc9S5EmycqjzzWDc1yiWzr9jJLC8sLiY 12件=5631.28ドル

ビットコインで送金したからといって制限が解除されるかどうかの確証はありません。しかしながら、それでもいちるの望みにかける人がいる可能性があります。

【関連URL】
・2分でわかるランサムウェア「WannaCry」の現在、古いバージョンのWindowsでは対策必須
http://techwave.jp/archives/post-27491.html

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 ビットコインは送金のプロセスが可視化されているため、今後も当該アドレス(識別子)を確認すれば送金状況は確認できる。ただし、ビットコインが誰の手に渡るのか、一体何に使われるのかは全く見えない状況。換金所で現金化される瞬間を押さえれば、という発想も出てくるが、資金洗浄がしやすいのがブロックチェーンの強みであり問題点でもある、重要なのは脅迫には屈せず対策を尽くすということになるのだろう。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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