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武家の棟梁、源義家には、六人の息子がいた。義宗・義親・義国・義忠・義時・義隆である。
長男の義宗は、早世したと伝わっているが、その母及び、生没年、死因についてなど、一切が不明である。義宗は、兵庫介・左衛門少尉に任官した記録が残っているため、少なくとも、成年に達するまでは、存命していたと考えられる。
一説では、義宗は、後三年の役の金沢柵の戦いで戦死したと言われる。義宗は、息子を残さなかったため、四弟の義忠の三男、忠宗が、義宗の養子として、家督を継いだ。
長男の義宗の死によって、義家の嫡子となったのは、次男の義親である。義家の時代に頂点を極めた河内源氏が、凋落する直接的な原因を作ったのは、義家の次男の義親と、義家の三弟の義光である。義光については、次節で詳述する。
義親の母は、醍醐源氏の源隆長の娘である。源隆長の父、兼長は、和歌六人党の一人として名を残している。
義家の六人の息子の内、藤原有綱の娘を母とする、義国・義忠以外の四人の生年は不明で、長男の義宗に至っては、その母すら不明である。
「天下第一の武勇の士」として、当時、勇名を鳴り響かせていた義家の血族の記録が余りに少ないことは、意図的に隠されている可能性を否定できない。
そして、その意図は、鎌倉幕府を草創した源頼朝が、義親の五男、為義の孫であることに起因していると考えられる。
義親は、武家の棟梁、源義家の血を色濃く引き、幼少の頃より、武勇に優れていたと言われる。義家は、武芸に秀でた義親を溺愛していたようで、義親は、若年にして、従五位上の左衛門尉に任じられ、義家の後継者として衆目の期待を担って成長した。
1099年（康和元年）頃、義親は、初の受領として、対馬守に任官し、対馬国に下向する。対馬国は、九州と朝鮮半島の間に位置する、日本国にとって最重要と呼べる、戦略的な要衝であった。
清和源氏は、源経基の時代より、東国の受領を歴任して、数多の武士団を郎党化したが、摂津国・河内国以西の西国には、基盤を持たなかった。実際、源満政・源頼義が伊予守に任官した以外は、西国の受領の経験は、皆無であったと言える。
生来、自由奔放な性格であった義親は、清和源氏の縁の薄い西国において、孤立無援であったのだろう。1101年（康和三年）、対馬守義親は、対馬国より筑前国に渡ると、大宰府管内において濫行に及んだ。国衙と筥崎宮領荘園との武力紛争に介入したのである。
筥崎宮は、921年（延暦二十一年）創建の八幡宮で、宇佐八幡宮・石清水八幡宮を並んで、日本三大八幡宮の一つとされる。鎌倉時代の元寇の乱に際して、蒙古軍を撃退した神風は、筥崎宮の神徳によるものと讃えられた。
義親は、国衙と筥崎宮領荘園との武力紛争に介入することで、曾祖父の源頼信が、坂東武士団を傘下に治めたように、西国の武士団を自身の郎党化しようとしたのであろう。
義親は、現地の武家を傘下に治めると、官物を抑留。京への送付を押し留めてしまったのである。剛腕で鳴らし、九州を横行した義親は、悪対馬守義親と呼ばれた。
なお、この場合の「悪」は「強い」という意味で、後に、義親の曾孫、源義平（源義朝の長男で、頼朝の兄）も、悪源太と呼ばれている。
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おはよう御座います。
夕べは、眠かったので申し訳ないコメントになってしまいました。
小説読まして頂きました。非常に興味深い内容ですね、
特に源義親を事前に持って来たのは、愉快でした。ほとんど
語られる事のない、義親を題材にしたのは、物凄くよかった。
今は、頼義も楽しいですね。
僕の知識レベルは、３０歳代で終わっているので、Harryさんの
今後が楽しみです。
2011/5/2(月) 午前 10:28 [ 藤丸 ] 返信する