トランプ氏のコマツ批判にも平然、麻布育ちの大橋社長 大橋徹二・コマツ社長が語る(下)
「男子御三家」麻布中学・高校(東京・港)出身の大橋徹二コマツ社長(63)が振り返る「リーダーの母校」。学園紛争で生徒が学校から締め出されるなど、波乱の高校時代を乗り切り、東京大学理科1類に進学。その後、コマツに入り、トップにまで上り詰める。そのコマツの社風を、大橋氏は「麻布のようだ」と表現する。
学園紛争で学校が大荒れになりながらも、東京大学に合格した。
幸いだったのは、ロックアウト(締め出し)されて学校に行けなくなったのが、高3の時だったことです。一貫校の特徴として、麻布も高3までに習うべき内容はすでに高2までに済ませ、高3では大学受験に向けて自分で勉強する部分が多くなります。
高3の秋までは、学園紛争で勉強もあまり手に付きませんでしたが、ようやく落ち着きを取り戻した12月ぐらいから私も周りも一気に勉強モード。例によってものすごい集中力を発揮し、私も、東大理1に合格することができました。
東大での専門は数理工学。今で言うところのビッグデータやオペレーションズリサーチ、統計などを研究する学問、つまり応用数学です。数理工学の同期の多くは、富士通やNECといった数理工学の専門知識をストレートに生かせる会社や部門に就職しましたが、私はもっとリアルなモノづくりを実感することのできる仕事をしたいと思い、コマツを選びました。
コマツを選んだもう一つの理由は、同じ数理工学を学んだ卒業生が大勢いるような会社に行ったら、周りとの違いを出せず、自分の価値や特長が埋もれてしまう恐れがあると思ったから。コマツにはおそらく機械工学の専門家は多いが、自分のような数理工学の専門家はいないから、自分の独自性を発揮できる。オンリーワンを目指した麻布時代の考え方と一緒です。そういう意味では、麻布で育んだ価値観、考え方が、会社選びにも影響を与えたといえます。
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