抗がん剤治療は高いのか?気になる費用は
更新日:2016/12/09
抗がん剤の基礎知識
全体的に高額であるというイメージのあるがん治療。そのうち抗がん剤を使用した治療では、実際にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。気になる抗がん剤治療における費用としくみ、知っておくと便利な医療費制度について解説します。
この記事の監修ドクター
具体的に抗がん剤ではどのくらいの費用がかかるのかを確認しましょう。ここで紹介する費用は、あくまで一例になります。実際には治療を受ける医療機関や病態、患者の体格によって投与する量が変わるなど、個人差があります。
抗がん剤治療でかかる費用は
初年度におけるがん治療の平均は年間50万円程度です。こちらは自己負担3割の保険が適用された場合の金額となります。15日前後の入院を含めた1回の治療費を部位別に見ていくと、胃がんや乳がんが10万円、肺がんや大腸が10~50万円、肝臓がんが50万円程度です。これに加え定期的な治療が必要になる場合もあるので、年間50万円程度の治療費がかかるといわれています。また、抗がん剤だけの治療費を見ても1か月に5万円程度はかかります。
抗がん剤の種類によっても変動する費用
治療費は、使われる抗がん剤によっても多少の変動があります。抗がん剤によって成分が異なるからです。加えて、基本的に抗がん剤治療は健康保険適用ですが、日本国内未承認の治療薬の場合は保険適用外となってしまいます。たとえば、未承認薬の抗がん剤のうち、アメリカでの承認が行われているイピリムマブについては10mlあたり約85万円です。治療の内容によっては平均をオーバーすることもあります。
抗がん剤における費用のしくみとは
抗がん剤の治療費は、同じ薬剤を使用している患者間でも異なることがあります。理由は、からだの大きさや進行状況に比例して抗がん剤を投与する量が多くなるためです。そのため、患者の体重や身長、そして進行状況によって治療費も変動します。
抗がん剤治療の前に知っておきたいと制度と保険
高額な治療費が懸念される抗がん剤治療ですが、制度や保険をうまく活用することで自己負担を減らすことができます。
抗がん剤治療と医療費制度
高額療養費制度を利用すれば、月100万円以上などいくら治療費がかかっても、一般の場合80,100円、低所得者なら35,400円以上を超えた治療費を国が負担してくれます。高齢者世帯ならさらに、月の支払いをおさえることが可能です。ただし、健康保険に加入していることが条件になります。
抗がん剤治療と保険
抗がん剤治療では、基本的な費用は健康保険適用なものの、入院にともなうベッド代や食事代、未承認の抗がん剤、免疫療法などは健康保険適用の対象外です。民間では、こういった保険で賄えない費用を補うためにがん保険といった保険商品を提供しているところもあります。
抗がん剤の治療は高額になってしまうこともありますが、制度を利用することで支払額を抑えることもできます。
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