アップルのスマホ営業益はサムスンの5倍超、なぜ差が出たのか

 市場戦略も違いが鮮明だ。サムスン電子が多彩な中低価格機種でインド、中南米、東南アジア、アフリカなど新興市場を積極的に攻略しているのに対し、アップルは先進国市場を中心に強力なブランド力を構築する高価格戦略にこだわっている。これまでアップルが中低価格機種を発売したのは、昨年のiPhoneSEが唯一だ。

■互いにベンチマーキング

 サムスンは相対的に弱いソフトウエア分野でもアップルを急速に追い上げている。アップルが2014年にモバイル決済サービス「アップルペイ」を導入すると、翌年にはサムスン電子も「サムスンペイ」を導入。サムスンは最近、アップルの人工知能(AI)「シリ」に対抗する「ビックスビー(Bixby)」を投入した。しかし、コンテンツ分野ではアップルが絶対的優位を保っている。アップルは1-3月にアップストア(App Store)とアップルミュージックを含むサービス事業で前年同期比18%増の70億4000万ドルを売り上げた。

 ハードウエア部門は事情が異なる。代表例が曲面OLEDディスプレーだ。サムスン電子は2015年、ギャラクシーS6エッジに世界で初めて曲面OLEDディスプレーを採用した。その後、曲面OLEDはサムスンのギャラクシーSの象徴となった。ワシントン・ポストは最近、「曲面ディスプレーはスマートフォンの新たな手本になる」と称賛した。アップルも下半期に発売するiPhone8からは曲面OLEDを採用すると伝えられる。アップルが14年から大型ディスプレー製品の「iPhoneプラス」を発売したのもサムスンの大型ディスプレー戦略に追随したものだ。西江大のチョン・オクヒョン教授(電子工学)は「中国企業が追い上げているが、サムスン電子とアップルはときには差別化、ときには相手をベンチマーキングしながら2強の構図を保っている」と指摘した。

金康漢(キム・ガンハン)記者
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