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トランプ大統領を作り上げた“卑劣な詐欺師”のドキュメンタリー「困ったときのロジャー・ストーン」

世界に衝撃を与えた、トランプ米大統領誕生のニュース。この瞬間を迎えるまでのシナリオを数年前から描いていた男がいた。その名はロジャー・ストーン。ニクソン、レーガン元大統領の選挙活動に従事したことでも知られる「政界の魔術師」の半生を通してアメリカの政治史を検証する。Netflixオリジナルドキュメンタリー『困った時のロジャー・ストーン』5月12日独占配信スタート!

これは面白い。
一気に観た。



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卑劣な詐欺師

1972年ウォーターゲート事件の際、起訴された中で最年少だったロジャー・ストーン。
その後も政界で生き続ける。
通称「卑劣な詐欺師」「暗黒のプリンス」
かつてニクソンの元で働き、背中にニクソンのタトゥーを入れている。

ニクソンが政界を離れたあとも資金団体を立ち上げ、影響力を発揮。
1980年には、三区の選挙本部部長として活躍。
レーガンの当選に大きく寄与。
レーガンが大統領に当選後は政権に深く関わりロビイストとして活躍する。

そんなある日、ダーティーな噂のある赤狩り主任顧問ロイ・コーンと出会ったロジャー・ストーン。
ロイ・コーンを通じ若手実業家ドナルド・トランプを紹介される。

改革党潰し

面白いのが1992年。
その年の大統領選は民主党クリントンが優勢、共和党ブッシュ陣営は配色が濃かったが、それは改革党のロス・ペローの票が共和党から流れていたからだった。

その後、2000年。
ロジャー・ストーンは、ブキャナンを共和党から引き抜き改革党から出馬させる。
同じ年、ドナルド・トランプも同じ共和党から改革等へと移り大統領選への出馬を表明する。
もちろんその補佐役はロジャーストーン。

トランプは、同じ党のブキャナンを攻撃。
ブキャナンのことを聞かれると

彼はヒトラーの信奉者で反ユダヤ主義
黒人と同性愛者も嫌ってる

と吹聴。
ブキャナンには隠し子がいると噂を流したり、今とやってることが変わらない。
そしてさんざマスコミを煽り、改革党の支持者を切り崩してからトランプは、突然立候補を取りやめる。
突然、改革党を離れたロジャーストーンとトランプ。

残されたのはぐちゃぐちゃになった改革党とブキャナン。
結果、改革党は0.5%以下の票しか集められず。
共和党は改革党から流れた票を獲得。
民主党アル・ゴアを下し共和党ブッシュが大統領に当選。

元々、改革党を潰したかったロジャー・ストーンの計画は大成功に終わった。

フェイクニュース

最近、フェイクニュースというのが話題だがロジャー・ストーンからすればフェイクニュースは常套手段。
信念や思想がなくてもいい。
根拠がなくても裏付けがなくても憎まれてもいい。

煽り、イメージを植え付け、選挙を有利にすすめるのがロジャー・ストーン流。
憎まれても気にしない。
炎上商法をひたすらやり続け、悪名を幾ら重ねても無名よりはマシと開き直るどっかの誰かもやり方は同じ。
誰かに好かれるより、墓に「暗黒のプリンス」と書かれるほうが満足らしい。


そもそも数十年前、トランプに政界進出を勧めたのもロジャー・ストーン。
今回もトランプの影で選挙戦を操ったと言われている。
ロジャー・ストーンはトランプのことを聞かれて

見た目は完璧で決断力と実行力がある。
これぞまさに大統領の器だ。

教養のない有権者にエンターテインメントと政治の違いがわかると?
政治はショービジネスだ

と答える。
そして今回の大統領選をエンターテインメントとヘイトが溢れるショーとして仕掛けた。
エンタメに信念なんて必要ない。
ヘイトでもフェイクニュースでも操ってともかく勝てばいい。

ロジャー・ストーンとトランプの蜜月は深い。
以前、改革党を潰しにかかった時のように共和党は途中からトランプに乗っかるしかない状態に追い込まれていた。

選挙中、ロジャー・ストーンはトランプ陣営をクビになる。
ところが、その後ロジャーのパートナーが選挙をコントロール。
ロジャー・ストーンは、一般人の、遊軍としてヒラリーの悪評をマスメディアでひたすらばらまきトランプの支持は崩さない。
クリントンの暴露本を売り歩き、痛烈に批判を繰り返す。
トランプの選挙戦が、ロジャー・ストーンのやり方を元にしてるのは明らか。

その後、ロジャーはトランプの元に戻り、何食わぬ顔で再び側近の座に。
クビになったのもパフォーマンス、プロレスかもしれない。


日本ではほとんど紹介されない「闇の政界の顔役」ロジャー・ストーンのドキュメンタリーはかなり面白かった。
Netflixが観れるなら間違いなく今観るべき一本。

www.netflix.com