はいふりSS もしも男の子が晴風に乗ることになったら!
作者:あるみす
4月15日 21時00分 艦内で異変発生
「艦長!!機関室との連絡が途切れました!」
「砲雷組とも連絡がつきません!」
「艦長!」
「艦長…」
運用試験として1隻だけ男子校導入された軍艦『陸奥』には突如として発生した謎のトラブルに手が付けられない状況だった。
「おい!三奈坂はいるか!」
「はい!なんでしょうか!」
艦長補佐兼雑用として乗船していた僕、三奈坂悠一は背筋を伸ばし次の言葉を待つ。
「近海に船がある。そこにいって現在の状況を伝え、助けを呼んできてくれ!」
一つ先輩の艦長から告げられた命令に僕は驚きを隠せなかった。
「僕1人でですか!?」
「ああ、我々がここを離れれば完全にこの船は機能しなくなってしまう。そうなってはダメなのだ!だから、お前が行ってきてくれ」
「で、でも…」
「お前なら出来るさ!無駄に運はいいだろ!」
砲雷長もそう励ましてくる。
正直怖いし嫌だけど…
ここで行かなかったらこの船は何をしでかすか分からない。
……
「分かりました。助けを呼んできます」
「よしっ。砲雷長!水雷長!スキッパーまでの道のりは確保してるな?三奈坂を案内してこい!」
「「了解!」」
「お前は砲撃を全力で抑えろ!」
「はい!」
ドタバタとそれぞれが今出来る仕事に取り掛かっていく。
「三奈坂!こっちだ!」
水雷長に手を引かれスキッパーまでの道のりを急ぐ。
艦内の電球は殆ど付いておらず薄暗闇の中を音を立てないように進んでいく。
数分でスキッパーに辿り着くことに成功する。
先輩2人は急いでスキッパーの準備を進める。
その時カツンと後ろで物音が聞こえる。
「くそっ気づかれたか!?」
「急げっ!よし三奈坂!準備出来たぞ!」
「はい!!」
僕は急いでスキッパーに飛び乗る。
そして海面に着水した瞬間上の2人から悲鳴が上がる。
「うわあぁぁぁぁぁぁ!」
「くそぉぉぉぉぉぉ!三奈坂ァァァ頼んだぞーー!!」
4月15日 21時23分 水雷長、砲雷長感染
くそっ!何でこんな事になったんだよ!
2人の犠牲を無駄にしないようにしないと…
早く助けを呼びに行かないとっ!
僕は視認出来ていた光目掛けてスキッパーを発信させた。
砲撃は止んだと思っていたが出版した直後僕の乗っているスキッパー目掛けて大量の砲弾が飛んできた。
僕は泣きたいのを我慢して耳と目に全神経を集中させて砲撃をすんでのところで回避していく。
しかし、目的の船まであと1歩の所で砲撃を喰らってしまう。
スキッパーは大破し、僕は夜の海へと投げ出される。
身体へのダメージも小さいはずが無く身体が動かない。
(艦長、先輩達…すみませんダメでした。)
目から涙が溢れてくる。
滲む視界の中僕の意識は暗闇に沈んでいった。
4月15日 22時00分 三奈坂悠一 轟沈
場所は変わって横須賀女子海洋学校、航洋艦晴風。
艦長の岬明乃と副長の宗谷真白は男子校の戦艦陸奥からの攻撃に頭を悩ませていた。
「何とかして陸奥は巻けないのか!」
真白は苛立ちをかくし切れていない。
それもそのはず、今攻撃を受けているのは戦艦『陸奥』なのだ。
火力で圧倒的に劣っている晴風には太刀打ち出来ないのである。
「出来るかわからないけどライトを全て消して暗闇の中に紛れるのがいいかも」
艦長の明乃は考えをまとめ始めている。
そして、支持を出そうとした瞬間。
「艦長!!晴風に向かってきていたスキッパーが陸奥の攻撃を受けて大破しました!」
野間さんの声が艦橋に響き渡る。
「え!?」
流石の明乃も驚きを隠せない。
いつものように助けに出ようとするが砲撃の雨でありなおかつ真白に止められているためすぐに行動出来ないでいる。
艦橋に一瞬の沈黙が流れる。
明乃が頭を抱えいると、ドイツのシュペー艦のミーナが声を挙げた。
「わしが行こう。多分彼もわしと同じ状況だと推測するのが妥当じゃろうしな」
「え!?危ないですよ…」
幸子も心配そうな顔を浮かべている。
「大丈夫じゃ。幸い事故現場は晴風に近いからな、そんなことよりいち早く行ってやらなきゃならんだろ!」
ミーナは声を少し荒らげて明乃の判断を急かす。
「分かったよ。ミーちゃんお願いします!」
「おうっ、任しとけ!」
そう言うとミーナは走って艦橋を出ていった。
それからミーナの帰還と陸奥から逃れられたのは数時間が必要とした。
「ん……あれ?確か海に落ちて死んだはずじゃ…」
目を開けるとそこには白い天井があった。
「お前はまだ死んでないぞ。」
ふと、横から声が掛けられる。
そちらを向くと白衣をきたまだ小さい女の子が立っていた。
「えっと、ここはどこなんでしょうか」
とりあえずその子に聞いてみる。
「ここは航洋艦晴風だ。今艦長に報告してやるから待っとけ」
と言うとその子は伝声管に口を近づけ僕が目を覚ました事を伝える。
どうやら僕が陸奥に撃たれ溺れていた所をこの船の人が助けてくれたらしい。
ほんと良かったけど…
陸奥の艦長達は大丈夫なのだろうか。
すると、艦長と思われる人と他数人が部屋に入ってきた。
「私は岬明乃。もう、体は大丈夫?」
明るい色のツインテールをした子が質問してくる。恐らくこの娘が艦長なんだろうな。
「はい、大丈夫です。ほんと助けて頂いてありがとうございました。」
「そんなに改まらなくていいよ!?」
岬さんが手をアワアワさせている。
そんな岬さんを遮る様に横にいる少し背の高い性格きつそうな女の子が
「艦長!こいつ男何ですよ!?どうするんですか」
「どうもこうもそこら辺に捨てるわけにもいかないでしよ?」
「それはそうですが…」
なかなかに苦い顔をしている。
「それはそうとあなたは何故スキッパーに乗っていたんだ?」
急に僕に矛先を変えてくる。
どこから説明したものか…
「あの、僕は陸奥の艦長補佐兼雑用を担当していたんです。そして、出航してからしばらくしてから突然異変が起こったんです」
「異変?」
「はい。艦橋にいた人は大丈夫だったんですが、それ以外の人が急に自我を失って攻撃的になったんです。1度捕まると捕まった人も感染してしまうみたいで…本当にご迷惑をお掛けしましてすみませんでした」
「そんな、あなたのせいじゃないんだから顔を上げて」
ここの艦長は優し過ぎるのか?
「副長、艦長この男のいってる事は我がアドミラルシュペーで起こった事と殆ど同じじゃ」
今まで話さかったけど金髪の女の子がそう告げる。
アドミラルシュペーということはドイツ艦か、この子も同じ目にあったのか。
というかこの性格キツめな女の子は副長だったのか!?
とりあえず僕はどうしたら良いのだろうか…
今の状態からして陸奥に戻る事は不可能だし。
とりあえず報告だけしてもらうか
「岬さん上に報告だけしてもらえますか?その時僕は情報は全て提供すると伝えて貰えませんか?」
「うん。わかった。そう伝えておくね」
岬さんは快く了解してくれた。
話がわかる良い艦長じゃないか。
さっきから副長さんが岬さんにも警戒している訳が分からないね。
「あなたは何ていう名前なの?」
岬さんが少し申し訳無さそうに聞いてくる
「あ、すみません。僕は三奈坂悠一って言います。雑用なんて役職だったので大体何でも出来ます」
「悠一君だね、わかったよ!女の子しかいない船に男の子1人だけど暫くは宜しくね!」
そう言って岬さんは左手をこちらに差し出してくるので、僕はそれを握って
「はい。皆さんの力になれるよう全力で頑張ります」
「大丈夫何だろうか…」
副長さんは何とも不安げな表情を浮かべている。
まあ、それが普通の反応ですからね。
女の子の中に男が1人とかその類の物が好きな人なら歓喜するんだろうけど、僕はハッキリいって苦手何だよな…
医務室を出た僕は岬さんと副長に連れられて教室の様な所に連れてこられた。
「あの、今から何が始まるんでしょうか…」
「一旦皆に紹介しとかないといけないからね!少しだけ我慢してね」
「あ、はい。大丈夫です。」
岬さんがやけに笑顔で答えてくれるのに少し不安を覚えたが覚悟を決めるしかないようだ。
教室に入ると合計20名くらいの人の視線が僕に集まる。
女子高の船に男子が乗ることなんてまず有り得ないから無理もないんだけど、とにかく視線が痛い。
(か、解放して欲しい…)
岬さんは僕を真ん中に立たせると僕の紹介を始める。
「この人は陸奥の三奈坂悠一くんです。上からの指令でこの人と一緒に今回の問題を解決する事になりました!」
そんな艦長の説明に晴風の乗組員達はザワザワとなる。
まあ、予想はしてた。
すると、かなり長身で長い黒髪を持った見るからに性格きつそうな子が立ち上がった。
「女の子しかいない船に男が1人とか大丈夫なんですか?変なこととか起こらないんですか?」
だよねー、そんなにすんなり受け入れられるはずが無いもんね。
「変なこと?」
「あ、いやその淫らな事というか…とにかく私は反対です!」
岬さんは素で聞き返してるし…
だけど、長身の子の意見に対して首をウンウンと頷いてるひともちらほら見える。どうしたものか…
暫く沈黙が続いていると長身の子の隣にいる栗色の髪の毛をした小さい子が
「とりあえず、その男の口から自己紹介してくれねぇか?」
と、沈黙を破るように声を上げる。
そう言えば何も話して無かった…
嫌な印象を持たせないようにするにはどうしようかな。
「三奈坂悠一と申します。陸奥では艦長補佐兼雑用をやってました。雑用なんて役職なので基本的に何でもできますので人でが足りない時などこき使ってください」
僕はかなり下手にでてさらに雑用を全て引き受けるという条件を出した。
これなら流石に悪い印象は与えないだろうとふんでの考えだ。
案の定悪くは思われなかった様で
「あれ、かなり謙遜して物を言うね」
とか
「ねぇ聞いた?雑用全部引き受けてくれるって!」
うん…僕の体壊れないよね……
僕の出した条件は結構魅力的だったらしく初めは反対していた人も僕が乗船する事に賛成してくれるみたいだ。
集会が終わり皆が個々の持ち場に戻る中タブレットを片手に抱えた茶髪の女の子が話しかけてきた。
「あの、私納沙幸子と言いますけど、晴風を案内しますね」
聞くところによると納沙さんは主計科で普段は艦橋にて情報の管理をしているらしい。
せっかくだからこの機会に色々聞いておかないと。
「よろしくお願いします納沙さん。」
「はい!」
納沙さんは笑顔で返事をすると順に晴風の部屋などを色々教えてくれた。
ほぼ全て説明してくれると
「これでほぼ全てですね。お風呂は女子が全員入った後なので…入ってもいい時にまた知らせますね」
「うん、ありがとう納沙さん」
「あと、寝床何ですけど…流石に空いてる部屋はありませんし…」
あ、寝床か…ベッドで寝れないのは辛いけどこの際贅沢言ってられないし
「どこか物置とかあります?」
「はい、物置なら…一部屋だけ空いてますが……ベッドも何も無いですよ?」
納沙さんはとても心配そうな表情をして僕の顔を覗き込んでくる。
その顔に少しドキッとしながらも平静を装って
「だ、大丈夫ですよ。この船に置いて貰ってる身ですしそんな贅沢も言えませんから」
と、答えた。
他に解決策も思いつきそうになく納沙さんも項垂れて了承してくれた。
「もっと他に良い案がないか話し合って見ますね」
と言うと納沙さんは艦橋の方へ戻って行った。
まずは、医務室にいって装備を整えるか。
僕は医務室に行き鏑木さんに包帯などの簡易処置が施せるものを頂けないか頼む。
「別に良いが、いつも常備してるのか?」
「はい、何が起こるのか分からないので常に持ち歩いてるんです。流石に簡易的なものですが」
と言うと鏑木さんはとても驚いたらしく言葉に詰まっていたが感心もしたらしく包帯や消毒液などをいくらか譲ってくれた。
貰ったものをさっき購買で買った腰に巻き付けるタイプのポーチに入れて医務室をでると、早速雑用を要求する声が掛けられた。
「三奈坂くん。今雑用はやってない?」
そう言ってきたのは恐らく機関科の若狭さん!(さっき納沙さんに顔写真付きの名簿を見せて貰いました)
「大丈夫ですけど…」
「えっとねうちの機関長が人手が欲しいから連れてこいって言っててね。来てもらえる?」
若狭さんは片目をつぶってお願いしてくる。金髪なだけにそれがとても可愛く見える。
うっ、眩しい人だな…
「分かりました。じゃ今から行きますね」
「OKー!じゃ付いてきて」
若狭さんに付いていくと機関室には怒号が響き渡っていた。
「何か故障でもしたの?」
「何かよく分からないんだけど今艦橋から全速を出すように頼まれてね。だからそのお世話」
「あぁ、なるほど…」
「さ!ほらほら手伝って雑用くん!」
僕は機関室に入るなり故障を起こしまくってる機械の修理に向かう。
陸奥にいた時もよく機関室に呼び出されてはこき使われてたから勝手はわかるつもりだ。
「おい!三奈坂!そっちあと五分でやってくれるかい!?」
機関長の柳原さんが僕にもすべき仕事を与えてくる。
遅れそうになりながらも僕は一つ一つと修理していく。
機関室での手伝いを初めて1時間が経とうとした時
「痛っ!!」
駿河さんが悲鳴を上げる。
どうやら足をくじいたらしく立ち上がれずにいる。
「大丈夫?医務室行く?」
と伊勢さん達も心配している。
「でも、今1番大変な時だし抜けられないや。大丈夫だよ」
そう言って立ち上がろうとするもやはり立ち上がれずにいる駿河さんに僕は近づき
「ごめん、ちょっと足見せて貰える?」
「え?」
全員が困惑の声を上げる。
いや、流石にふしだらな理由じゃないんだからさ…
そんなに敵意をむき出しにしなくても
「いや、簡易だけど怪我の応急処置をさせてくれない?」
そう頼むとしぶしぶ納得したようで皆避けてくれる。
駿河さんの足は捻挫したらしく少し腫れていた。
捻挫だとわかった僕はポーチから包帯を取り出し捻挫をした時用の巻き方で足を固定していく。
「大丈夫?痛くないですか?」
「うん、痛くない」
「よしっ!これで少しは楽になると思う。でも後でしっかり医務室に行って下さいね」
立ち上がった駿河さんは少しよろけて僕の方に倒れてくる。
咄嗟に腕を出して駿河さんを抱きとめる。
顔を真っ赤にして僕から離れると駿河さんは
「大丈夫そう!今は動ける!ありがとうね!」
と言って自分の持ち場に戻って行く。
「凄いじゃねぇか!見直したんでぃ」
柳原さんも機嫌が良くなった様で背中をバシバシと叩いてくる。
痛いんだけど頼りにされた感があって少し嬉しくなった僕は僕の仕事に取り掛かった。
それから三十分くらい経って艦橋から連絡があったので忙しい山は超えたらしい。
自分の役目を終えた僕が挨拶をして出ていこうとするとクイッと服の裾を引っ張られた。
振り返ると駿河さんが顔を俯けながら
「医務室まで送ってくれない?」
と言ってきた。
正直なところめんどくさかったけど評判を落とすのも嫌なので駿河さんに付き添って医務室までの道を歩き始めた。
少し歩いた時に駿河さんは急に見上げてきて口を開いた。
「あのっ!さっきはありがとね応急処置してくれて…」
「そんなの全然大丈夫ですよ。雑用である僕の仕事でもありますから」
そう笑って返すとまた沈黙が流れる。
何か返答間違えたかな…
「三奈坂くん!」
「ど、どうしたの駿河さん」
「あの、悠一くんって呼んでもいい?」
「え?あ、あぁ大丈夫だよ」
「良かったぁ〜。断られたらどうしようかと…私の事はルナって呼んで!」
「わかったよ。ルナさん」
名前で呼ばれたのがよっぽど嬉しかったのかルナさんはとってもニコニコしてる。
「悠一くんは年齢っていくつなの?もしかしてかなり上だったりするの?」
「いや、僕は皆と同い年だよ。一年生だし」
「え?同い年なの!?」
「そんなに驚かれる事!?」
「いや、だって対応も大人っぽいから。話し方とか…」
「話し方は昔色々あってね…
あ、医務室に着いたよ」
ルナさんはニコニコしながら「ありがとう」ってお礼を言ってくれた。
こういう時に雑用やってて良かったと思うよ。
ルナさんを医務室にまで届けたらそれを待っていたかのように船の修理の手伝いやら食事の支度の準備やらとにかく色々手伝わされた。
ちょっと信頼されてる証かも知れないけど仕事の量が多くてめちゃくちゃ疲れた。
美味しい夜ご飯も頂いて風呂に入って服を洗濯し、脱水。までこなすと、寝床である倉庫へと向かった。
寝巻きなんて物は当然無いので男子校の制服を着ている。
今度和住さんに布貰って寝巻き作るかなーとか考えながらさっき納沙さんから貰った枕を片手に物置のドアを開ける。
他に何もすることが無いので僕はすぐに横になった。
下は金属なので痛いかったが非常に疲れていた僕の意識は一瞬で暗闇に落ちていった。
それからの数日間というもの怒涛のような忙しさが続いた。
皆ひっきり無しに手伝いを頼んで来るので本当に休む暇がない。
昨日なんて、夜中艦橋で勤務した後比叡との戦闘があった為もう、立っているのが精一杯だった。
もうとっくに限界を迎えていた僕の元に船全体での休憩の時間を取るという連絡が入った。
ここで寝て置かないとどこで寝るんだという意気込みでまず洗面所にいって歯を磨くと一旦甲板に出た。
少し風に当たろうと思ったけど久しぶりの休憩ということあって皆楽しそうに遊び回っていた。
やっぱ物置で寝ようと思ったところに岬さんから声がかかる。
「悠一くん!大丈夫?最近働きっぱなしだよね」
「は、はい。まぁ何とか…でも今は寝かせて下さいお願いします。」
「あ、ごめんね。ゆっくり休んでね」
それほど僕の顔がやつれていたのかすぐに引いてくれる。
物置に着くと僕は素早く横になり、寝始めた。
「ルナー最近悠一の事気になってるでしょ」
唐突に横にいるレオからとんでもないことを聞かれる?
「うぇ!?そ、そんなことないよ!」
「だってさー最近は悠一が手伝いに来ると凄く喜んだ顔してるじゃん」
「そ、それはちょっと……」
私駿河留奈は初めて手伝いに来てくれた日から少し悠一事が気になっていた。
私ずっとお兄ちゃんに憧れ出たからお兄ちゃんっぽい振る舞いをする悠一が凄く輝いて見えたの。
私の気持ちなんてレオにはお見通しだったらしく痛いところをついてくる。
「最近じゃ悠一の事好いてる人多いって聞くよね〜」
「え!?そうなの?」
「そうだよーだってさ悠一ってめちゃくちゃ優しいじゃん?面倒見はいいし行動早いし」
「うむぅ…」
私としては憧れのお兄ちゃんである悠一を他の人に取られたくない。
何をしたらいいんだろうか。
すると艦長との会話を終え艦内に入っていく悠一の姿が見えた。
「レオ!ちょっと私行ってくるね」
「おおっ頑張って!」
レオに手を振ると私は走って悠一の後を追った。
ふらふらとした足取りの悠一はいつも寝泊まりしている倉庫に入っていった。
こんな時に部屋で何をするんだろうかと疑問になった私はチラッと中の様子を伺った。
すると悠一は静かな寝息を立ててぐっすりと眠っていた。
相当眠かったのか枕も使わないで寝ている。
「そうだよね。毎日あんなに一生懸命働いてたら体疲れちゃうよね」
私は悠一の頭辺りに腰を下ろすと膝枕して上げた。
悠一の顔を見ていると眠気がどっと襲ってきて我慢も虚しくルナも眠りに落ちていった。
数時間が経過し僕は目を覚ました。
床で寝た筈なのに頭の下がプニプニしてて柔らかい。
ん?んん!?
目を開くとそこにはルナの寝顔があったのだ。
(え?僕はいまルナに膝枕されてるのか?)
僕が目を覚ましたのと同時にルナも目を覚ましたらしく目が合うと顔が驚くべき速度で赤くなっていく。
「あ、ルナ?どうしたの?」
「い、いや。悠一が部屋に入っていくが見えてそしたら床で寝てたから…」
僕は起き上がると素直に感謝の気持ちを述べる。
正直、ルナが心配してくれた事がものすごく嬉しい。
「ありがとうルナ。お陰で大分楽になったよ。」
「ふふっ、良かったぁ〜」
ルナもにへらと笑う。
そして、ルナは何を思ったのか抱きついてきた。
「少しの間だけこうさせて。お願い。」
最初訳が分からなかったがルナが泣いてる妹の様に思えてきたので抱きしめてあげた。
暫くするとルナは顔を離し真っ赤に染めながらもまっすぐ見つめてきた。
「今までありがとう!そしてこれからもよろしくね!」
「うん。よろしくルナ」
ルナはそう告げると部屋を出ていった。
僕はもう一度眠りに落ちることにした。だって明日からはまた忙しくなるからね!
絶対この問題を解決してやる!
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