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30分間飛行 新型の可能性

ミサイル落下地点

 北朝鮮は日本時間の14日午前5時28分ごろ、北朝鮮北西部・亀城(クソン)付近から弾道ミサイル1発を発射した。日本政府が発表した。菅義偉官房長官によると、東北東の方向に約30分間、約800キロを飛行し、日本の排他的経済水域(EEZ)外の朝鮮半島東約400キロの地点に落下したと推定される。高度は初めて2000キロ以上に達したとみられ、稲田朋美防衛相は「新型の弾道ミサイルであった可能性がある」と述べた。

 政府は北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に抗議した。安倍晋三首相は14日、首相官邸で記者団に「度重なる北朝鮮のミサイル発射は我が国に対する重大な脅威であり、国連の安保理決議に明確に違反する。北朝鮮に強く抗議する」と語った。首相は首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を断続的に開催した。

 北朝鮮の弾道ミサイル発射は先月29日以来。通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」をとったとみられ、実際の射程は4000キロを超える可能性がある。政府高官は「北朝鮮のミサイル開発の技術レベルが上がっているのは間違いない」と述べた。米太平洋軍は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)と飛行の特徴が一致しないとする分析を発表した。

 14日は中国が重視する経済圏構想「一帯一路」の国際首脳会議の開幕日。また、北朝鮮に融和的な姿勢を取る韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任直後のタイミングで発射に踏み切ったことから、中韓両国をけん制する狙いもあるとみられる。

 文氏は14日、ミサイル発射を批判し「対話は可能であっても、北朝鮮の態度に変化がある時に初めて可能になるということを示さなければならない」と述べた。同日朝のNSCで語った。

 また、岸田文雄外相は14日、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と電話で協議。岸田氏は協議後、記者団に「北朝鮮に圧力をかけていくことが必要だと確認した。重要なことは韓国新政権との間で緊密な連携を図ることだ」と語った。谷内正太郎・国家安全保障局長も米国のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と電話で協議した。日米韓3カ国の連携を確認し、北朝鮮に対する制裁の履行を各国に求める方針で一致した。【田中裕之、松倉佑輔】

 【ことば】ロフテッド軌道

 弾道ミサイルを意図的に通常よりも高い高度に打ち上げる場合の軌道。飛距離は短くなるが、弾頭が落下する際の速度がより高速になるため、ミサイル防衛による迎撃が難しくなると考えられている。

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