「想定以上」の結果を得る交渉術 スタンフォード流 スタンフォード大学経営大学院 ニール教授に聞く(1)
世界でもトップクラスの教授陣を誇るビジネススクールの米スタンフォード大学経営大学院。この連載では、その教授たちが今何を考え、どんな教育を実践しているのか、インタビューシリーズでお届けする。今回から交渉術を教えるマーガレット・ニール教授が登場する。
私たち日本人は、とかく交渉を避けたがる。相手を怒らせると面倒だし、欲張りな人だという目でも見られたくない。ところが、それはあまりにももったいないことだとニール教授は言う。デパートでも会社でも家庭でも交渉を使えば、「もっと」いろいろなことが手に入るのだと。スタンフォード流最強の交渉術をニール教授に伝授してもらう。(聞き手は作家・コンサルタントの佐藤智恵氏)
■想定以上の結果を手に入れる
佐藤:「Getting (More of) What You Want」(想定以上の結果を手に入れる)がまもなく日本で出版されます。交渉術の本といえば、「ハーバード流交渉術」が有名ですが、交渉によって「想定以上の結果を手に入れる」というのはどういう意味でしょうか。
ニール:一般的に交渉術は、商取引の場で使われるものと考えられていますが、実際にはもっと多くの場で活用できるものです。
想定以上の結果を手に入れるとは、より多くのお金を手に入れるということだけにとどまりません。文字通り、よりよい結果を得られるという意味です。「この人ともっとよい人間関係を築きたい」「上司からもっとよい評価を得たい」「社内でもっと大きな権力を得たい」。こんなときに交渉術をうまく使えば、「もっと」を実現することができるのです。
佐藤:「ハーバード流交渉術」では、相手と自分が「イエス(はい)」と合意に至るための交渉術が書かれていますが、ニール教授の本では、合意するだけではなくて、想定以上の結果を手にいれる方法が書かれています。そこが大きな違いですね。
ニール:ロジャー・フィッシャーとウィリアム・ユーリーは、1980年代に「ハーバード流交渉術」を出版しました。当時、交渉=戦闘という考え方が一般的でしたが、彼らは「交渉は必ずしも戦いではない」という新たな見方を提示し、多くの読者に支持されました。
ところが、この本には1つ問題がありました。彼らが「交渉の最終目標は合意に至ることだ」と強調してしまったことです。私から見ればこれは間違った考え方です。交渉の目標は、合意に至ることではなく、お互いにとって良いディールを結ぶことなのです。合意することを最優先にして、相手の要求にすべてイエスと言っていたら、最悪の結果になることもあります。あるいは、合意しない=契約しない、というのが結果的には最善策という場合もあるのです。
この記事が気に入ったらいいね!しよう
NIKKEI STYLEの最新記事をお届けします
- スタンフォードの強さ コミュニケーション科目にあり
- 伝える技術に溺れるよりも、真摯な話しベタであれ
- 気づいてる? 職場で「なぜか嫌われる人」の5つの話し方
- 飲食店の接客で全国グランプリ 客が驚き感動する25歳女性「魔法の言葉」とは
- 40歳を過ぎても「企業が欲しがる人材」3つの共通点
出世ナビ新着記事
Daily Ranking- By 出世ナビ -
-
1
学校のリーダー
塾に行く暇はない 浦高生徒は「14時間制」
-
2
学校のリーダー
「開成より日比谷」東大合格公立校1位に復活したわけ
-
3
リーダーの母校
「学級崩壊」でも東大に6割 スノッブな筑駒生
-
4
学校のリーダー
「東大に一番近い女子校」 桜蔭が理系に強いわけ
-
5
学校のリーダー
男子御三家の麻布 茶パツもスカートも個性
-
6
学校のリーダー
東大理三も京大医も制覇 灘高、強さの秘密
-
7
人事に聞く
思わず笑顔になる面接、グーグルの新卒採用
-
8
梶原しげるの「しゃべりテク」
コンビニの支払いでバレる「人としての器量」とは
-
9
スタンフォード 最強の授業
「想定以上」の結果を得る交渉術 スタンフォード流
-
10
学校のリーダー
日本最強の進学校 灘校の広すぎる廊下に秘密あり
出世ナビの最新情報をお届け
keyword
- アート&レビュー
- 家計
- くらし&ハウス
- 株式・投信
- フード・レストラン
- 外貨投資
- 旅行・レジャー
- 不動産・住宅ローン
- 健康・医療
- 保険
- 女性
- 年金・老後
- 趣味・ガジェット
- 相続・税金
- 働き方・学び方
- マネーコラム
- ライフコラム