222/222
221.未来のひかり
5/14くじ引き五巻発売します。

朝日に起こされて、おれの上に誰か乗っている感触がした。
昨日はイオ、オリビア、タニアの三人を可愛がった。この感触は誰のだろうか。
目をあけるとイオの姿が見えた。
彼女はおれの上にうつ伏せになって、静かな寝息を立てている。
ちなみにオリビアとタニアはそれぞれ左右にいる。二人ともやはり寝息を立てているが。
「起きてるんだろ、オリビア」
「おろろ、なんで分かったの?」
「おれが目を開けた瞬間心拍数と体温が上がった」
「ありゃ、バレバレなのね。人の子が彼女を可愛がってから目を覚まそうとしたのに」
見抜かれたのをいいことに、オリビアは狸寝入りをやめて、更に体を寄せてきた。
形のいい胸を優しく揉んでやった。
イオは髪を手櫛ですいてやった。
手が塞がったから、タニアには薄く出したオーラで全員を包んでやる。
「うわあ、すっごい器用だね。それだと何人でも相手に出来るね。今までに最高で何人相手にしたの?」
「最高? 一回でか?」
頷くオリビア。彼女の胸を揉んだまま考える。
「20人だったと思う、奴隷兵の第一小隊の時だとおもう」
「奴隷兵? 何それ面白い」
オリビアが食いついてきたから、デルフィナに頼んで集めてもらった200人の奴隷のことを話した。
集めて、訓練して、様々な戦場に連れて行った。
今や200人ともに一騎当千の強者になった。
「はえー、さすが人の子、色々面白い事を考えるもんだ」
「そいつらがいたらメルクーリの初期兵力として使えたんだがな」
「そのかわりひかりがいるじゃない」
「そうだな。しかしどうしたもんかな」
「なにが?」
「ドレイク兵の目処がたったからスキロス・カランバと合流しようとおもったが、ロドトスが倒れてエレノアが人化した。状況はだいぶ前と変わっちゃってるからどうしたもんかとな」
「あのエレノア、殺意の固まりだった」
揉んでいる胸が、オリビアの体が微かに強ばった。
竜王である彼女ですら一撃で退けたあのエレノア、確かに殺意の固まりと言っていいだろう。
「あれは、ロドトス以上の混沌をもたらすに違いない」
「……どうなんだエレノア」
ベッドの横、壁に立てかけたエレノアに問いかける。
(ロドトスといた頃のわれが人化したと仮定して)
この時代に来てから、記憶があやふやなエレノアは記憶じゃなく自分の性格をシミュレートする。
(なすことは一つ。破壊)
「破壊?」
(われは何も産み出せない、少なくともこの時期のわれはそう思っている。魔剣たる自分の存在意義は世の全てを破壊し尽くすことだと断じている。しかしわれは魔剣、使い手がなければまともに動くこともままならん)
「だからロドトスの肉体を手に入れようとした」
(うむ、あるいは長く使おうとした。だからオリビアがいう「ロドトス以上の混沌は」無条件で同意だ)
「――だって」
エレノアのセリフをオリビアに伝えた。
彼女は予想が当たって嬉しそうな、しかし状況を知って困った様な、複雑な顔をした。
「その混沌はきっとドラゴンも巻き込むのよね」
(頑丈なオモチャは好きだ)
「そうか」
「人の子……なんでちょっと嬉しそうなの?」
「ん? そうか?」
(よからぬ事を考えているんじゃないだろうな)
「違う。ああいやそうか」
頭の中にあのエレノアの姿を思い出す。
あっちはまがまがしく、まさに魔王、って感じの風貌だった。
くじ引き所でよく見ている、愛娘に骨抜きにされたポンコツ感とは全然違う。
(なんか今すごく失礼なことを考えなかったか)
「いや、そんな事はない」
(嘘をつけ、その顔は――)
「おれは、結構お前の事好きだったんだなってきづいたんだ」
(んな――)
絶句するエレノア。
前に星空の下で彼女に聞いた事を思い出す。
彼女は魔剣の姿のままおれと一緒にいたい、おれに使われたい。
ならば、この時代に来たのは。
「お前を抱くためなのかも知れないな」
(まて貴様、われを犯す気か!)
「人聞きの悪い事をいうな」
(この時代のわれは貴様の敵だ。あれをみただろ、われの負の感情がピークになっている時代だ。そんなわれを抱くなんて犯すしかないだろうが)
「まあ、その辺は何とかするさ。あー、ようやくこの時代に来た理由がわかってすっきりした」
(われは手伝わんぞ! われを無理矢理犯す手伝いなど……今のわれならともかく)
ブツブツなにかいってるエレノア。
心の声だが、残念ながら丸聞こえだ。
「どうしてもか?」
(どうしてもだ)
「それは困った、ひかりを使う訳にもいかんし」
(同然だ! 母親のレイプに娘を巻き込むでない!)
「だからその表現はやめろというのに」
まさかエレノアがここまで反発するなんてな。
だが、やめる気はない。
これが、くじ引きでこの世界に来た理由だからだ。
素手でもエレノアと戦うか……9割方勝てるから5割くらいまで下がるが、まあ、やるしかない。
ふと、胸を揉んでるオリビアがさっきから黙り込んでる事に気づいた。
「どうしたオリビア」
「人の子、ひかりは人の子とエレノアの娘なんだよね」
「ああ。見た目は完全にエレノア、そして魔剣ひかりおれにしか使えない。間違いなくおれらの娘だ」
「それって……これだからなんじゃないの?」
「――!」
パッと体を起こした。
おれの上にねているイオが起こされて「なに、なに?」って困惑した。
エレノアが息を飲んだのが伝わる。
オリビアが気づいた事、おれたちが何故か気づかなかった事。
「手伝えエレノア」
(くっ、しかし……くっ……)
エレノアが思いっきり葛藤した。
自分が言い出した「自分を犯す手伝い」と、愛娘誕生の手伝い。
今は葛藤してるが、エレノアは必ず落ちる。
コンコン。
ドアがノックされて、ひかりがおそるおそる顔をだした。
「おはようおとーさん、おかーさん」
世界一かわいい娘の天使のような微笑みをみて。
これこそこの世界にやってきた本当の理由だと理解した。
黄金のくじ引き券――半券だったのが一枚になった!
70000ポイントまで800をきりました。
面白かったらブクマ、評価もらえると嬉しいです。
【同時連載作品】
こちらも読んでくれたら嬉しいです。
■レベル1だけどユニークスキルで最強ですリンク
ブラック企業で過労死した佐藤亮太は異世界に転移して、レベルが1に固定される不遇を背負わされてしまう。
レベルは上がらない一方で、モンスターからその世界に存在しないはずのチートアイテムをドロップするという、彼だけのユニークスキルをもっていた。
それを知った彼は手始めに能力アップアイテムでステータスMAXになって、更に自分にしか使えない武器やアイテムの数々を揃えていった結果、レベル1のまま能力も装備も最強になって、好きに生きられる第二の人生をはじめられることになった。
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