横山尚樹(なおき)さん(47)は、中学2年のころにシンナーを覚えた。袋に入れて吸い込むと、空が異常なほどきれいに見えた。中学を卒業後も定職に就かず、シンナーに溺れた。
母は一人息子に甘かった。幼いころ、「他の子が持っている」と言えば、同じおもちゃを買ってくれた。自室に置きっぱなしのシンナーの袋は、知らぬ間に、きちんと封がされていた。父から何かをとがめられた記憶もない。
その両親が16年前、連絡先を告げず、姿を消した。実は息子を立ち直らせるためのプログラムだった。しかし、心はささくれ、さらにトラブルを重ねた。「裏切りやがって」
そんなころ、ある人に出会った…
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朝日新聞社会部