単葉と複葉

 ふつう私たちが考える葉は、左の単葉です。複葉というのは、本来1枚の葉であるものが進化(変化)して数枚の葉に分かれたものをいいます。

 左の図を見てください。一番左の葉が右へ右へと進化していくようすがおわかりかと思います。

 それでは、単葉が枝に何枚もついているのと、複葉と、どのように見分ければよいのでしょうか。
 それは、意外と簡単なことなのです。

 葉のつき方

 ふつう葉は、茎や枝にぐるぐるまわるようにつくのです。
 左の図は、3種類のまわり方を表しています。
 対生(たいせい)は、1カ所から2枚の葉が向き合ってつきます。

 互生(ごせい)は、1カ所に1枚しかつきません。そして、互いちがいにつくので互生といいます。
 輪生(りんせい)は、1カ所に3枚以上の葉がつきます。輪(わ)のようにとりつくので輪生といいます。

 葉がたくさんついていても、単葉の場合は茎をとりまくように立体的についていることが
わかりましたね。
 これに対して複葉の場合は、もともと1枚の葉ですから、すべての葉が平面的についてい
ます。紙に描いたのを切りぬいたようなつき方です。

複葉の種類

 みなさんのよくご存じのクローバー(シロツメクサ)の葉は、3出複葉です。たまに四つ葉のクロ−バーがありますが、輪生とはちがいます。
3出複葉 2回3出複葉 2回羽状複葉  


 マメ科は複葉ですから、枝豆もそら豆もエンドウ豆も右の図のような複葉をしています。
 公園の棚にぶら下がるように咲く紫の花、フジも複葉です。

奇数羽状複葉 偶数羽状複葉
      
  単葉から複葉へ
 右の3種類の葉は、単葉から複葉へ移り変わっていったようすを示しています。
 タネツケバナは、ちょっと見ると複葉に見えますが、単葉なのです。
 小葉のつけ根が節になっていれば複葉です。
 葉の中で葉脈が分かれるように、節になっていなければ単葉と見なされます。
タンポポ タネツケバナ カラスノエンドウ
羽状深裂葉 羽状複生葉 羽状複葉
  
 掌状複葉と鳥足状複葉

 左の2つの葉はよく似ているでしょう。ところが、よくみると、下の2枚の小さい葉のつき方がちがうのです。
 左の葉は掌状(しょうじょう)複葉とよばれ、1カ所から5枚の小葉が出ています。
 これに対して、右の葉は、鳥足状複葉とよばれています。アマチャヅルやヤブガラシなど、ごく限られた種類にしか見られません。

  掌状複葉
 手のひら状複葉
 鳥足状複葉
  
 掌状分裂葉

 右のテングのうちわのような葉はヤツデです。上の2つと似ていますが、ちがいはおわかりでしょうか。
 これは複葉ではありませんね。タンポポの葉と同じように、複葉にはなりきれず、深くさけた状態になっています。このような葉を分裂葉といい、ヤツデのような形のものは、手のひら状だから、掌状(手のひら状)分裂葉といいます。