文在寅(ムン・ジェイン)大統領が12日に仁川国際空港を訪問、「任期内に公共部門『非正規雇用ゼロ』時代を切り開く」と宣言した。これを受けて、鄭日永(チョン・イルヨン)同空港公社社長は「私が先頭に立ち、今年末までに1万人の関連会社従業員全員を正規雇用に切り替えたい」と述べた。
仁川国際空港公社の関連会社従業員は、正社員(1284人)の約5.3倍に当たる6831人(昨年10月時点)で、かなり多い。このため、共に民主党や国民の党などはこれまで、「仁川国際空港は過度の外部委託により非正規雇用を量産している機関だ」と批判の的にしてきた。文在寅大統領が初の訪問先を仁川国際空港に決めたのも、こうしたことを考慮したためだ。今年末に第2ターミナルが開業すれば、関連会社従業員数は1万人近くに増える見通しだ。
鄭日永社長は昨年の国政監査などで「関連会社従業員が多いのは事実だが、テロ対策や消防などの『中核人材』は直接雇用に切り替え始めた。サービス関連従業員の平均給与も年間3600万ウォン(約360万円)と高い方だ」と述べていた。それが、12日の文在寅大統領訪問で、約1万人の非正規雇用人材を全員正規雇用に切り替えると言ったのだ。また、仁川国際空港は今年になって清掃・案内ロボットの試験導入を開始、2022年までに保安・警備業務などを担当するロボットも導入して人材を削減する方針だった。
仁川国際空港が開港から3年で黒字転換できたのは「外部委託」を中心とする運営も一役買っていた。ただし、保安・安全・技術関連分野まで外部委託したことから、技術と経験の蓄積不足や従業員の士気低下につながったとの指摘もあった。昨年初め、仁川国際空港では「手荷物混乱」問題や2件の密入国事件が発生、「少なくとも、保安や手荷物処理といった空港の主要業務は公社の正社員がすべきではないか」と指摘されていた。