日本にいると英語は忘れていくばかりだし、そろそろNZに戻ることも計画しているので、英語の感覚を取り戻したくて英会話のスマホアプリを探していたところ、一つ良さそうなのを見つけたのでレビューしておく。
英会話アプリといっても外国人講師と話すタイプのではなくて、一人で会話の練習ができる。
スタディサプリEnglish
ここ最近、英会話アプリ「スタディサプリENGLISH」を使って英語のスピーキングをやっている。自分的には勉強というよりは、仕事の合間のスキマ時間にアプリ相手に細かいことを気にせず喋っていると良い気分転換になる。この手軽さがいい。
(画像引用元:スタディサプリENGLISH)
この「スタディサプリENGLISH」、結構優秀だ。
「話す力」「聴く力」を最短距離で…という大げさなキャッチコピーは、まぁお約束として、一通り試してみた結果、英語初心者の英会話入門にちょうどいいなという感触。
もっと言えば、「英会話レッスンをはじめてみたいけど、自分の英語に自信がなくて恥ずかしい思いをするから躊躇している」という状態の人が、英会話レッスンの導入として使うには最適だ。
一応自分は初心者ではないと思っているが、コンテンツも好きな感じで、淡々と短いレッスンを日々続けるのが好きなので相性は良さそうだ。ひとまず半年くらい継続してみたい。
スタディサプリENGLISHがマッチする人
あくまで個人の感想だけれど、スタディサプリENGLISHは以下のような英語学習者にマッチする。
- リスニング・スピーキングを優先して鍛えたい人
- 英語を話すことに慣れたい人
- 一人で英語を話す練習をしたい人
- 外国人との対話が苦手な人
これらの人は、このアプリをしっかり継続して使えば、英語力を着実に伸ばしていけるはず。要するに、会話重視の人。
レベルは初心者からでも大丈夫。日常会話からビジネス英語まで対応しているし、中学生から社会人まで対象である。
スタディサプリENGLISHがマッチしない人
逆に、このアプリと合わない人は以下の通り。
- 読み・書きを鍛えたい人
- TOEICや英検、受験英語に特化した勉強をやりたい人
- 文法を体系的に学びたい人
- 「ドラマ仕立て」のコンテンツが嫌いな人
スタディサプリENGLISHは英会話アプリなので、読み書き、文法、単語力を優先的に強化したい人にはコンテンツがマッチしない。文法的な解説や単語チェックもあるにはあるが弱い。
いちおう、セールスコピーとして「TOEIC、英検、受験対策にも!」と謳われているが、正直これはムリがある。各試験の各セクション対策に特化したテキストで勉強したほうが効率がいい。
スタディサプリENGLISHの概要
スタディサプリEnglishは「話す」「聴く」の強化に特化したアプリで、最大のメリットは「外国人の先生と対話できなくてもスピーキングとヒアリングの練習ができる」ことにある。
緊張したり、恥ずかしい思いをせずに英会話力を鍛えるられるので、羞恥心の塊である日本人がこっそり英会話を独学するのに最適のツールだ。
料金
月額980円(税別)。1年契約にすれば20%割引きの年額9,800円(税別)。
ちなみに無料でも利用できるが、無料版だとこのアプリのエッセンスを全く享受できないので、無料アプリを期待している人は初めから試さない方がよい。
有料版でも無料お試し期間が1週間あるので、しっかり試したい人は一時的に有料会員になって全機能を使用した上で判断することをオススメする。(合わなければ簡単に解約できる)
スタディサプリENGLISHの学習メリット
このアプリのメリットをまとめると以下のようになる。
- いつでもどこでも英会話の練習環境を作れる
- 「話す力」と「聴く力」を効率良く鍛えられる
- 日常会話が豊富なストーリ仕立ての内容で楽しくかつ実践的に勉強できる
- レベル別に学習できるので、英語初心者でもOK
- 外国人の先生と話せなくても一人で徹底的にスピーキングが練習できる
- 音声認識で発音を矯正してくれる
- 自動的に弱点を解析してリスニングを徹底強化
さすがに英会話アプリだけあって、ディクテーション、発音矯正、リスニングの弱点補正機能など、スピーキング・リスニング強化に関する機能が豊富で質が高い。
個人的には、これに勝手にシャドーイングも加えて使っている。(←コレ結構大事、後述)
スタディサプリENGLISHのコンテンツ
スタディサプリENGLISHのコンテンツを紹介しながら、このアプリの使い方を書いていく。
コンテンツ
(画像引用元:スタディサプリENGLISH)
キャラクターが登場するドラマ仕立てのストーリーが用意されていて、家庭や友達との日常会話から面接や職場でのビジネス英語まで、あらゆるシチュエーションの英会話を練習できる。
さすがに有料アプリだけあって物足りなさは一切感じないが、こういうストーリー形式がダメな人はこのアプリはやめた方がいい。
レベルは1から7まで。各レベル240レッスン(約60時間分)と膨大な量だが、1つのレッスンは5~10分あれば終わるので毎日コツコツやるにはちょうどいい。
レベル1は"Hello, I am..."から始まるので、本当の初心者からでも大丈夫。逆にレベル6,7になると、ビジネスの堅い内容になったり抽象的な物事を説明したりするような内容になってくるので相当に難しい。
レベル6や7の英語をスラスラ話せるようになれば相当英語力がアップしている思っていいだろう。
レベルチェック
(画像引用元:スタディサプリENGLISH)
まず一番最初は、自分のレベルチェックから始める。リスニングテストでアプリがあなたの英語力を判定してくれるのだが、このレベルチェックはあくまで目安。質問は4択だし、完全に聞き取れなくても正解することができる。
それにリスニングは多少できても、スピーキング力が皆無の人も多いだろうから、実際は判定結果よりレベルを落として始めることになる。自分はレベルチェックでレベル7と判定されたが、やはりレベル7はスピーキングの練習をするには結構難しかった。
大抵の人は、はじめはレベル1か2からスタートするのがいい。本当に初心者の人はまずはレベル1と2を徹底的にやろう。
ちなみに各レベルの目標基準は以下の通り。
レベル | 英検目標 | TOEIC目標 |
---|---|---|
7 | 準1級 | 780点以上 |
6 | 2級 | 700点 |
4~5 | 2級 | 600点 |
1~3 | 3~5級 | 500点 |
これはあくまで公式ページ掲載されている基準の目安。レベル7は英検1級や、TOEIC900点レベルなんじゃないかな。
スタディサプリENGLISHのレビュー
スタディサプリENGLISHの各レッスンは、以下の4つのトレーニング項目で構成されている。
- 内容理解クイズ(リスニング)
- ディクテーション
- 会話文チェック
- なりきりスピーキング
以下に各項目のレビューと併せて、英会話の勉強のコツを説明していく。
内容理解クイズ(リスニング)
まずはどのレッスンも「内容理解クイズ(リスニング)」から始める。シチュエーション英会話を一通り聴く。会話の速度は調整できるので、自分のレベルにあわせてリスニングができる。はじめはとにかく何度も何度も聞こう。
聞き終わったら内容に関するクイズと単語チェックがあるが、正直これはどうでも良くて、むしろ是非実践してほしいのがシャドーイング。
シャドーイングとは聞こえてくる音声のあとを追って自分もスピーキングする手法。ここでは、アプリから流れる英会話音声を聞きながら真似して口を動かすことになる。
シャドーイングは英会話力を効果的に鍛える手法として有名で、とにかくマネてマネて英語の発音や音と音のつながりを体で覚えていく。慣れないと難しいが、僕も昔シャドーイングをさんざんやったお陰で、日本人英語ながらも最低限「英語らしく」聞こえるように話すことができるようになった。
ディクテーション
次にディクテーションに進む。ディクテーションとは、聞いた英語を紙に書き取る作業のことだが、スタディサプリENGLISHではこれをアプリ内で行う。
ディクテーションは一文字残さず聞き取らなくてはいけないので、かなり集中してリスニングを行うことになる。これは間違いなく聴く力を鍛えるのに効果がある。
始める前は、タイピングが面倒すぎて絶対ディクテーション出来ないだろうと思っていたが、意外にも書くのと同じくらいのスピードで打ち込める。スムーズに入力できるよう入力方式が工夫されているので、イライラせずに普通に使える。
ディクテーションをスマホアプリ内でできるのはメリットが大きい。声を出せない場所などではディクテーションに励むのがいい。
会話文チェック
各レッスンの会話内容(スクリプト)をチェックしたい場合は、「会話文チェック」を使う。ここで会話文の英語と日本語訳が確認できる。
また、各レッスンで使われた文法事項や単語もここでチェックでき、講師による解説動画(発音のコツや文法など)も用意されている。
上で説明したシャドーイングが難しい場合は、まずはここでスクリプトを見ながら話す練習をするのがいい。ある程度何を言ってるか理解できたら、スクリプトは見ずに音声だけを聞き、純粋にシャドーイングしよう。
「なりきりスピーキング」
これがこのアプリのエッセンスである。アプリ相手に英会話の練習ができる。
アプリによって音声が記録され、高機能な音声認識で発音をチェックしてくれる。例えば以下の会話文を発音してみる。
アプリは発音がイマイチだった箇所を音声検知し赤字で添削してくる。この場合はどうやら、「actually」と「little nervous」がダメらしい。"l"と"r","v"がきちんと発音できていないことに反応しているのだろう。
もう一度トライしてみる。"l"には気を付けたので改善したが、"v"の発音がまだできていない言われている。この音声認識機能はなかなかに厳しい。(文中でとっさに"v"を発音するのは難しいんだよ。)
このとおり発音チェックもかなり高機能でいい訓練になる。これを有効活用して、ひたすら英語を話しまくるのが、このアプリの一番有効な使い方だろう。
よく使う文を何度も反復して口にしていれば、体が英文を覚えて脳内データベースにストックされる。一度ストックされ英文は無意識で使えるので、対人でも自然に英語が出てくるようになる。
英会話レッスンの前準備に最適
冒頭でも書いたけれど、スタディサプリENGLISHは英会話スクールやオンライン英会話などで対人の実践をはじめる前の準備としていい教材になる。
英会話の実践をしなきゃとわかっていながらも、「緊張する」「恥ずかしい」という気持ちが障壁になって、なかなかはじめられない人はかなり多いだろうから、そこをうまく橋渡ししてくれる存在がこのアプリだろう。
3~6ヶ月間これで勉強してから英会話レッスンを始めれば、心理的なハードルもだいぶ下がっているはずだ。
● ● ●
ただ最後には必ず、対人で英語を話すトレーニングをしなければいけない。それがオンライン英会話かカフェレッスンかはわかないが、やはり、アプリと話しているのとでは全然別物だということは理解しておこう。
そして、いくら「英語を話す」が優先だとしても文法の勉強は英語力のベースをあげるには不可欠なので、そこも怠らず勉強しよう。インプット、アウトプットをバランスよく訓練して総合力をアップさせていく勉強法はこちらで紹介している。
【英会話の独学】日本で英語ペラペラになる最強の勉強法と優良なおすすめ本
最後に
ここまで紹介したように、スタディサプリENGLISHは自分とっては相性のいいアプリだと思っているのでオススメするが、万人に合うとは言わない。
英会話アプリを探している人は、他にも良質なアプリはたくさんあると思うので、色々と試して比較して自分に最適な1つを探していくのがいいだろう。
スタディサプリENGLISHは有料会員でも無料期間が1週間あるので、興味が湧いたらぜひお試ししてもらいたい。