少年野球の新ルール マッチプレーなら弱小チームでも勝機アリ!?

2017/05/04

小ネタ


弱くても勝てます。。。


少年野球ってピッチャー次第ですよね。ピッチャーのいいチームはだいたい強いし、逆にいいピッチャーが卒業した後、チームが一気に弱くなるなんてこともよくあります。

さらに、同じ地域のチーム間での実力差も大きいですね。アウトが取れずに1回で1時間くらいかかったりしているのを見るのは本当にかわいそうです。
一応「5点ルール」ってのがあって、「1イニングで5点取ったらチェンジ」という救済ルールなんですが、これは当然リードされているほうにも適用されます。結局5点差以上を1イニングで取り返せないという事態になります。


とにかく実力の差が歴然な試合は見ているのが辛くなります。さらに少年野球って、大量リードしていても平気で盗塁やスクイズかましてくるんですよね。これにはビックリしました。 実にえげつない。指導者の人間性が疑われます。

さて、このように「弱いチーム」に優しくない現在の少年野球の現場に一石を投じる画期的な新ルールを考案しました。それは、

マッチプレールール

記事タイトルにもすでに書いてました。ゴルフのマッチプレー方式を野球に適用させてしまおうというものです。(ゴルフのマッチプレーが如何なるものかはゴルフのルールを調べていただきたい)

基本ルール

  1. 1イニングごとに得点で勝敗を決める
  2. 全9イニングでの勝敗の差で試合の勝敗を決める
というのが基本ルール。イニング数は少年野球なら高学年は7回制、低学年は5回制になるかと思います。
それではスコアを例にして説明してみましょう。

123456789
Aチーム11
Bチーム00

1回終了時点です。1回は 1-0 でAチームが「勝ち」となります。ゴルフのマッチプレーっぽく「Aの1UP」とでもいっておきます。

123456789
Aチーム112
Bチーム022

2回が終了しました。2回は 1-2 でBチームの勝ちです。1勝1敗となりました。ゴルフなら「EVEN」の状態です。

123456789
Aチーム110428
Bチーム0205310

5回まで終わりました。3回は引き分け、4回と5回はBチームの勝ちですので、3勝1敗(1分)でBチームが2勝リードしています。ゴルフなら「Bの2UP」です。

123456789
Aチーム11042041013
Bチーム02053010112

試合終了です。さあ勝敗はどうなったでしょうか?
Aが勝ったのは 1回・7回・8回、Bが勝ったのは 2回・4回・5回・9回なので、4勝3敗(2分)でBチームの勝ち(Bの1UP)となります。
ここで「合計得点」に注目してください。13-12 で普通なら「Aチームの勝利」ですよね。しかしマッチプレールールなら「Bチームの勝利」になってしまいます。このように、総得点数と勝敗の逆転現象が起こるのがマッチプレールールの醍醐味です。マッチプレーでの勝敗に総得点は意味をなさないのです。

延長戦

規定の回数で勝敗が決しないときは延長戦を行います。延長戦は先に「1UP」したほうが勝ちとなるサドンデス方式です。ここは通常のルールと同じですね。

コールド

残りイニングで逆転が不可能となった時点でコールド成立です。得点差は関係ありません。
例えば、


123456789
Aチーム012013


4UP
Bチーム001000


4DOWN

6回終了時点でAチームの4UPです。残り3イニングを全てBチームが勝ったとしても逆転不可能なので、この時点でコールド成立となりAチームの勝利が確定します。


123456789
Aチーム012010


3UP
Bチーム001000


3DOWN

さらに上のスコアの場合、7回が引き分けでもコールドが成立します。このように引き分けでも勝敗が決まるイニングをゴルフのっぽく「ドーミーイニング」ということにします。


123456789
Aチーム

3DOWN
BチームX

3UP

上のスコアのように後攻のチームがリードしている展開で、ドーミーイニングでの先攻チームが無得点だった場合、その時点で後攻チームの勝利が確定します。

試合時間短縮にも効果あり

このルールなら、相手より1点多く取ればそのイニングが「勝ち」となるので、弱いチームでも試合に勝つチャンスがあります。勝てないまでもいい試合にはなりそうです。1イニングに対する集中力が違います。グダグダのズブズブでない、真剣勝負を見せてくれるに違いありません。

試合時間の短縮にも効果が期待できます。
後攻チームが先攻チームより1点多く取った時点でイニングが終了になるので、表の攻撃が0点なら裏の攻撃は1点取っただけでチェンジです。
ここに前述の5点ルールを加えれば、さらに試合時間短縮につながるでしょう。

これから夏に向けて、試合の数も多くなってきます。子どもたちはもちろん、審判のおっさんたちの熱中症対策のため、マッチプレールールを検討してみませんか?

もしも、あの試合がマッチプレーだったら…

1985年4月17日 阪神vs巨人(甲子園球場)

巨人先発の槇原が、バース・掛布・岡田の阪神最強クリーンナップに3者連続ホームランを被弾して逆転された、いわゆる「バックスクリーン3連発」。阪神がリーグ優勝を果たしたこの年の象徴として語られる伝説の試合である。

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巨人
阪神X

阪神リードで9回表が終了したため裏の攻撃はありませんでしたが、マッチプレーなら8回終了時点でイーブン。9回表に巨人が2点取ったため、阪神は9回裏に2点以上取らないと負けるという試合になってしまいます。
それ以前に7回裏の阪神の攻撃では、バースの3ランでチェンジとなってしまいます。もしこの試合がマッチプレーだったら、伝説の「バックスクリーン3連発」は生まれなかったかもしれません。

2003年5月31日 巨人vs阪神(東京ドーム)

「バックスクリーン3連発」が85年の阪神優勝を象徴する試合なら、03年の阪神優勝を象徴する(と個人的に思っている)試合がコレ。
2点ビハインドの9回に阪神が一挙11得点して逆転勝ちした。この回、ノーアウト1・2塁のチャンスに阪神・赤星が試みたバントは最悪の小フライ。しかしこの後まさかの事態が!詳しくは「フルジャンプエラー」で検索してみよう。


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阪神1113
巨人

1イニングに何点取ろうが「1勝は1勝」になる典型的な例。大量点差でもマッチプレーならまだイーブンで、このあと延長戦に突入します。仮に巨人が延長戦を制した場合、阪神は総得点で7点上回りながら敗戦するという逆転現象に。レフトスタンドの阪神ファンにとってもまさに天国から地獄となります。

1992年8月16日 明徳義塾高校vs星稜高校(甲子園球場)

第74回全国高等学校野球選手権大会2回戦。北陸の怪童・ゴジラこと松井秀喜(当時3年生)を擁する優勝候補の星稜に対し、明徳義塾の馬淵監督がとった作戦はなんと「松井秀喜・全打席敬遠」。
松井との勝負を避け続ける明徳ナインに対し、野次や罵声はたまた「帰れコール」までが浴びせられ、スタンドからメガホンやゴミが投げ込まれるという高校野球史上前代未聞の事態となった。これが有名な「松井秀喜5打席連続敬遠事件」である。


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星稜
明徳義塾X

松井の敬遠騒ぎを除けば非常に締まった好試合です。マッチプレーなら、星稜は9回裏の明徳の攻撃を0点に抑えれば延長戦に持ち込めます。
もし松井に6打席目が回った場合、はたして明徳バッテリーは勝負をしたのか。それとも、あの空気の中でもまだ「敬遠策」を貫けたのか。いずれにしても明徳にとって苦しい戦いになったでしょう。