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♪「Pon pon pon…」
♪「愛の言葉をリル」
♪「シャイなハートがドキドキ」
♪「あの日観てた“サウンド・オブ・ミュージック”」
♪「瞼閉じれば蘇る」
♪「幼い頃の大事な 宝物だけは」
♪「ずっと この胸に抱きしめて来たのさ… Ah ah」
♪「夜の酒場で Lonely」
♪「あの娘 今頃どうしてる?」
♪「さなぎは今、蝶になって」
♪「きっと誰かの腕の中」
♪「肩寄せ合い 声合わせて」
♪「希望に燃える 恋の歌」
♪~
(みね子)<お父さん…。みね子は 今 赤坂に来ています>
♪~
あ… あった~。
<この道を お父さんも お母さんも歩いたんですよね。そう思うと 何だか不思議な気
持ちになります。ちょっと うれしいです。そして お父さん このブラウスはねお母ちゃん
がつくってくれたものなんですよ。すごいですよね。どんな高級品より すてきだって愛子
さんは言ってくれたし私は 鼻高々でありました。 はい>
♪~
(ドアが開く音)
お疲れぇ!(秀俊)お疲れさまです。
(元治)ういっす。ういっす。
♪~
あ…。(元治)どうした?
いえ 別に。「いえ 別に」って。
かたいんだよ お前は いちいち。
あのな そういうつまんないやつが作る料理は うまくならないよ。
遊び心っていうかさぁこの心の大きさっていうの?
そういうのがないと料理人はダメ。
手を抜くやつは 一流にはなれないって シェフが言ってました。
だろ? 俺の言ったとおりだろ?
は?ハハハハハ!
はぁ~ 疲れた 疲れた。
おう お疲れ!お疲れさまです!
疲れた 疲れた。疲れるよね。
炒飯ばっかり立て続けに来やがってさ。
いっぺんに来りゃもっと楽なのにさ。
あるよね そういうの。今あげたと思ったら同じの入んだよね。そうなんだよ。
あっ ゲンちゃん 三丁目にな新しいキャバレーが出来るらしいぞ。今夜辺り 行ってみっ
か?行く行く行く!
な? オープンの時は女の子に力入れてそろえてっから絶対 行くべきだよ!(元治)な
るほどね~!
おい ヒデ!行きません。
(五郎)かたいねえ ヒデちゃんは。
いいねえ 男の人はさ そういう場所があって 羨ましいよ。
いや それがさ ちょうど女の子の面接だったんだろうな。いい女が入ってくの見えたん
だよ。あれ 絶対 売れっ子になるね間違いないよ。あっ そう。
(五郎)何てやつだろうなあれは いい女…。
炒飯!
またかよ。違うもん 注文取ってこいよ。
お前の愛想が足んないんじゃねえのか?
は? 料理人の腕が大したことないからじゃないの!
何だと? せめてな五目炒飯ぐらい 取ってこいよ。
あっ! 厳密には うちのは五目じゃなくて 三目だけどな。
だと思った!(笑い声)
ほら さっさと 炒飯!あっ それから…。
キャバレーに行く金 どうしたのよ?
な… 何の話だよ…。
あっ ちょっと!
あっ 痛っ! ちょっと…。いたたた!
炒飯!分かった!
どうすんの?どうすんの? 今日!ないよ。
どうすんの!?残念でしたぁ。
何 その顔…。(高子)アハハハハ! 残念だったね。
♪~
あ…。
あの…。
すずふり亭って お店は えっと…。
ん? うちだけど。
本当ですかぁ?うん。
いがったぁ! あっ あの…。
あの私 谷田部みね子っていいます。
谷田部って…。あの 茨城の?
あっ はい そうです!
あぁ 茨城のね。はいはい はいはい。
あの ご挨拶に伺ったんですがえっと…。
あっ こっから?いやいや!
ヒデ 表に ご案内。はい。
ヒデ。すみません お仕事中。
(秀俊)どうぞ。はい。
お父さん 見つかった?
いえ まだ…。
見つかるといいね。ありがとうございます。
あっ ここ。
すてきですねえ!
うん 味も最高だよ。
いつか カツサンド 頂いたんですけどもう びっくりするくらいおいしかったです!
あっ どうぞ。はい。
(ドアベル)
(秀俊)鈴子さん お客さんです。谷田部さん 茨城の。
(鈴子)あっ! まぁまぁ!
省ちゃん ほら 早く!
初めまして谷田部みね子と申します。
ようこそ! お母さんからお手紙 頂いてたのよ。
どう?東京慣れた? 仕事は どう?
東京は まだ分がんないんですけど仕事は楽しいです。
そう。
(省吾)いつ来てくれるのかなって楽しみにしてたんだよね。
本当ですか?うん そうだよ。
伺うの 遅ぐなってしまって申し訳ありません。
あっ あの母が送ってくれたんですけどこれ 茨城の かんぴょうおいしいので どうぞ。
そんな気ぃ遣わなくても…。いえ そんな。
いいのに もう。はい!
(省吾)いや これ うれしいな。
ヒデ のり巻き 作るか? 賄い。はい!
(省吾)ありがとう。はい。
さっ 座って。 ね?はい。
どうぞ。ありがとうございます。
失礼します。
♪~
あの… え~っと…。
父は まだ見っかんないです。
そう…。
父と母が お世話になりました。
本当に ありがとうございました。
トランジスタラジオの工場だって?仕事 きつい?
まぁ 私 不器用なんで最初は ちょっと苦労したけどみんな いい人たちだし寮の仲間
も みんな いい子たちでとっても仲がいいんですよ。
毎日 楽しいです。毎日 修学旅行みてえで。
エヘヘ!そう そりゃ よかった。
はい。さっきも 電気屋さんがあって…。
タニシ電気。あっ そうだね。
そごの店先に うぢの工場でつくってるトランジスタラジオが売ってて。
回想 いらっしゃい。
え~!
「わっ すげえな!」って思ってしまって何か 誇らしいっていうかうれしくなってしまいま
した。
まぁ 私なんか こう部品差してるだげなんですけどね。
でも その差すやつがちゃんと やれてなかったら鳴らないんだろ? ラジオ。はい そう
なんです。
責任重大だよな。はい!
楽しい? 仕事は?楽しいです。
じいちゃんに言われたんです東京 行ぐ前に。
「みね子は 働ぐの好きか?」って。
で 私が「好きだよ」つったら「だったら 大丈夫だ。働ぐのが好きなら生きていげる」って
。
へぇ。すてきなじいちゃんだね。
はい。
あ…。えっ?
あの今 お店って 休み時間ですよね。
うん。
そっか レストランはそういう仕組みになってんのがぁ。
そうかぁ…。
ん? あっ 何がいい?何でも作ってやるよ。うん 何でも言ってごらん。
いえ あの 違うんです。あの 初めてもらったお給料でこちらに来て 自分のお給料で
食べんだって決めてで…。
楽しみにしてたんです。
そっか。特別に みね子ちゃんのために店 開けよう。えっ!
みね子の毎月の生活費は1,000円です。
ちなみにすずふり亭一番のオススメは特製ドビソースを たっぷり使った500円のビーフ
シチュー。
実が食べたのは220円のハヤシライスです。
♪~
あの ライスって…。
ごはんだけですよね? ヘヘヘヘ!
そうだよ。そうですよね。
値段 気にしないでもさ。
いいから。
そうだね。
水は ただ。あ…。
(2人)アハハハハ!
(小声で)予算 いくら?
(小声で)50円くらいしか使えなくて…。
分かった。 じゃ…。いいと思う。
あっ じゃ これにします!
3番さん ビーコロワンです!はいよ! ビーコロワン!
(元治)ビーコロワン!(秀俊)ビーコロワン!
♪~
庶民のお総菜として 広く人気を博していたコロッケですがすずふり亭のコロッケはジャ
ガイモを使わず煮込んだ牛肉を ホワイトソースで包みカラッと揚げたぜいたくなコロッケ
でした。
♪~
(元治)ヒデ ガロニ!はい!お願いします。
(元治)お願いします。(省吾)はい。
そして 自慢のドビソースをかけて完成です。
はい ビーコロ あがった。(秀俊)はい。
はい ビーコロ あがりました!(高子)は~い。
♪~
はい どうぞ。
いただきます。
わ~!
何だ これ! うんめえな!
(笑い声)そっか。
おいしいよね。
自分で働いて稼いだお金で食べるもんはさ。はい!
私 決めました!
お給料のたんびに一つずつ 注文しに来ます!
そして 最後は この店で一番高いビーフシチュー いつか頼みます!
おう!
お待ちしております。(笑い声)
頑張れ みね子!
はい!(笑い声)
<お父さん…。私も 一人前の労働者になれた気がしました。その晩は ビーフシチュー
の夢を見ました>
このソース おいしいですね!おいしいでしょ?
<どんなもんかは知りません>
澄子!
来週の「ひよっこ」は乙女寮に暮らす みね子たちに大騒動が巻き起こる。
(一同)向島電機のスター!
(時子)「武具馬具 武具馬具 三武具馬具」。
(三男)女優 諦めろ。で 俺の嫁さんになれ!
(豊子)人間ってそったに簡単なものでね。
♪「椰子の実ひとつ」
一体 どうなる? みね子!