ブックオフの不振が続いています。その原因を探る
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ブックオフが2期連続の赤字で苦戦
最初に個人的な意見を述べておく。
私も処分のためにブックオフに本を持っていく事はあります。
ハッキリ言って安く買い過ぎ、高く売り過ぎである。
ネットなどで調べても分かるが「本をブックオフに捨てに行く」状態である。
それでも大して状態の良くない本でも売価は定価の7.8割である。
アマゾンを意識するあまり定価よりも高い値付けの本さえある。
それに査定する店員の質の低下である。
本来付属しているはずのCDやDVDが欠品しているのに通常の値付けとなっている。
これでは簡単に読み終えた本を処分して新しい本を買って帰るとはならない。
先日のゴールデンウィーク中もCMを流し、「年に2度だけのウルトラセール」で2割引きではあまり客も寄り付かないだろう。
2.3年前までは大型連休だけでなく、月に1度ほど「本半額セール」「単行本500円」等を連発していた。
さらにポイントも今と違って10ポイント集めれば何軒でも10%引きであった。
「単行本500円」は実質450円で手に入ったのである。
「せどり」を排除する事に力を注ぎ過ぎて「せどり」以外の大量に購入する上客をも遠ざけてしまった。
こういったお客様は買取においても上客であったのだが見放されてしまった。
ブックオフが2期連続の赤字で苦戦
中古本販売大手のブックオフがフリマアプリ「メルカリ」など、ネットを通じた個人間の直接売買が広がっているあおりを受け、主力の書籍やCDの売り上げが振るわなかった。
2017年3月期の純損益は11億円の赤字で、赤字は2期連続。
ブックオフは書籍を中心に中古品を買い取り、店頭で再販売するという中古品販売チェーンの大手です。
同社は従来の古書店のイメージを一新し、コンビニのような明るい店舗で比較的新しい中古本を大量に扱うという業態を開発。
立ち読みが自由にでき、気軽に書籍を持ち込めるという雰囲気が利用者に受け、急成長を遂げました。
同社の業績が悪化しているのは、主力商品である書籍・ソフト・アパレルの販売が低迷しているからです。
こうした状況になっているのは、ネットや電子書籍の普及で紙の書籍の市場そのものが縮小したことが大きく影響していると考えられます。
市場環境の変化については同社もよく理解しており、最近は書籍に代わる新しい商材として中古家電に力を入れていました。
同社は店舗で中古品を引き取り、それを再販売するという業態なので、販売動向に加えて仕入動向も同社の業績を左右する。
たくさんの商品が持ち込まれないと、売り場に魅力的な商品を陳列することができず、最終的には販売力の低下につながってしまう。
特に書籍は買取り、販売ともに伸び悩みが目立っている。書籍は売上高の4分の1を占める主力商品だけに厳しい展開を強いられている。
ブックオフのビジネス・モデルは極めて特殊だ。
同社は中古の書籍を販売しているので古書店ということになるが、創業者の坂本考氏が1号店をオープンした1990年当時は、古書店といえば神田神保町にあるような昔ながらの「古本屋さん」というイメージだった。
坂本氏は、従来の古書店のイメージを一新し、コンビニのような明るい店舗で中古本を大量販売するという新しい業態を開発した。
目新しかったのは店舗だけではない。
同社は出たばかりの新刊書も中古本として積極的に販売し、これによって「新古書」という新しいジャンルを開拓した。
これが同社を急成長させる原動力になったが、一方で、このやり方が出版業界との激しい摩擦を引き起こした。
日本の書籍流通は極めて特殊
日本では書店に並ぶ書籍の多くが「取次」と呼ばれる事業者を介して流通している。
取次は、本を作る出版社と読者に本を直接販売する書店の間に入る事業者のことで、他の業種における卸に相当する。
一般的な卸業者はメーカーから製品を買い切り、それを販売店に売るという形態がほとんどである。
もし見込みが違って売れ残った場合には、卸がその在庫を処分しなければならず、販売店に売った後であれば、在所の処分は販売店の責任となる。
しかし出版業界における流通は主に委託販売という形になっている。
売れ残った分について書店は取次に返品することが可能であり、取次は出版社に返品することができる(一部の老舗出版社の中には返品を受け付けないところもあるがこれは極めて例外である)。
このような特殊なルールになっているのは、書籍という商品が典型的な多品種少量生産であり、しかも、本を必要とする人が、全国津々浦々に点在しているからである。
こうした多品種の商品在庫を人口の少ない地域の書店が抱えてしまえば、とても経営が立ち行かない。
このため出版業界では在庫リスクをすべて出版社が負うという独特のシステムができあがった。
だが出版社がすべてのリスクを抱えていては、今度は出版社の経営が立ち行かなくなる。
このため、出版業界は定価販売が基本となっており、書店は安く書籍を販売することができない仕組みになっている。
本来、こうした定価販売の強制は独占禁止法に違反するが、日本には再販売価格維持制度と呼ばれる特殊なルールがあり、出版物は独占禁止法の適用除外となっている。
値崩れを防ぐことで文字・活字文化の保護を行うことが目的だが、こうした特殊な制度によって日本の書籍流通が成り立っていた。
一方で、従来から古書店という存在はあったものの、出たばかりの新刊本を積極的に扱うことは業界のタブーとされており、これも在庫リスクを負う出版社の利益を守るためであった。
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出版業界から嫌われたブックオフ
しかし、ブックオフの新古書と呼ばれる新しい業態は、この業界ルールと真正面から衝突してしまう。
ブックオフが当初、出版業界から目の敵にされたのはこうした理由からであった。
だがコミックなどを中心に、新しい本を安価に読みたい、あるいは新刊書を換金してできるだけ安いコストで済ませたいという読者は多数存在しており、こうしたニーズを捉えたブックオフは急成長を遂げた。
こうしてブックオフは新刊書店、古書店を駆逐してきた。
同社は約20年で1000店舗を越える規模まで拡大したが、2012年頃から売上げの伸びが鈍化するようになり、2015年にはとうとう赤字を計上する結果となってしまった。
業績の低迷は、消費者の活字離れが顕著になり、書籍の販売と買取りの両方が伸び悩んだことが最大の要因である。
書籍市場は1996年をピークに縮小が続いてきたことを考えれば、中古品を扱う同社の業績が低迷することは容易に想像できる。
同社の経営陣もこうした市場環境の変化はよく理解しており、新商材の開拓を積極的に進めてきた。
だが今後の成長の柱と位置付けた中古家電の買取りと販売は思ったように展開できていないのが実情だ。
ブックオフの業態は微妙
商品を気軽に持ち込み、その足でゆっくりと店舗をめぐり、再び商品を買っていくという業態は、書籍やCD、アパレルまではうまくいったが、家電で成立するという保証はない。
また同じ中古品でも、ヤフオクやメルカリなどで販売すれば思わぬ高値で売れることもあり、利用者の一部が流れている可能性もある。
中古品の売買は、商品の持ち込み量、買取価格、商品在庫の期間、販売価格など、多くの要素が複雑に絡み合っており、実は難易度が高い。
在庫の期間が長い場合には、利益率を上げなければキャッシュ・フロー的に厳しくなるが、買取価格を無理に下げると、今度は商品を持ち込む顧客からソッポを向かれてしまう。
書籍やCDの場合には、絶妙なバランスを維持することができたが、家電でこれが成立するのかはまだ何ともいえない。
新古書というかなり微妙な業態でありながら、ここまでの成長が実現できたのは、同社創業者である坂本氏の手腕によるところが大きい。
同氏のブックオフを退いた後の飲食業での成功でも明らかである。
株式会社ハードオフコーポレーションとの微妙な関係
同社はとりあえず業績の足を引っ張っていたプロモーション・コストなどを削減することで利益を捻出する構えだが、中古家電を今後の柱とする基本的な戦略は変えていない。
しかし中古家電の買い取りは思うように進まず、先行投資を回収できずこれが業績の足を引っ張りました。
株式会社ハードオフコーポレーションとの微妙な関係にもその一因はある。
株式会社ハードオフコーポレーションは新古書(古本)チェーン店ブックオフを展開するブックオフコーポレーション(神奈川県相模原市)とは、ブックオフ創業者の坂本孝が主催していた起業勉強会を通じて創業者同士が個人的に親しくしていた縁から、互いのフランチャイズに加盟するなど友好企業であった。
しかし、2015年3月31日にブックオフ独自で家電製品のリユース業を展開するため一部エリアフランチャイズ加盟契約が解約され、友好関係は保ちつつもライバル企業となった。
ハードオフの業態がブックオフのリユース販売に着想を得て生まれた関係から、ロゴマークや店内環境(照明やデザイン等)も共通しており、ブックオフ系列の店舗が同じ建物内や隣接地に出店している場合も多い。
現状のブックオフの店舗の多くが、徐々に改装を進めてはいるが、あくまで書籍、CDが主体の店構えで、家電製品はごく一部を間借りしているに過ぎない。
ブックオフが高級路線に力を入れている。
他にも打ち出しているのが、競合の少ない富裕層へのアプローチだ。
子会社のハグオールは、伊勢丹などの百貨店で買い取りサービスを展開し、売り上げは前年の2・3倍となった。
とは言え始めたばかりなので、そもそも前年の売り上げが少ないから2・3倍となったのであって、これを継続できるとは思えない。
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本、無線機の買い取り依頼は