昔のアイドルムービーは大概、ファンには面白くてもそれ以外にはヌルくて観ていられないものが多かったように思うが、旧BiSが出演したこの「アイドル・イズ・デッド」の場合、アイドルを美化して描こうと言う気がサラサラなく、それどころかB級・カルト映画として非常によくできてる。
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高崎、場末のキャバクラで働くルイ(プー・ルイ)は同僚のキャバ嬢と帰宅途中、旧知の知人に出会う。
三人は現役のアイドル(どう見ても新人プロレスラーだが)。
因縁をつけられ揉めたルイは、三人相手に大立ち回り。
いきなりのアクションシーンはいかにもB級映画。
顎を撃ち抜くフック、腕をとり脇固めに持っていきそのまま関節を壊す。
しかし不意をつかれ倒れたところをサッカーボール・キックされる。
が、足を絡めて動きを止め、手近にあった木の棒を突き刺す。
これが乃木坂やモー娘。主演ならこういう生々しい格闘シーンをつけないと思うんですが、なにせBiSなので。
血しぶきもありです。
ルイは、いきおいで三人を殺害。
死体を埋めた二人はアリバイ工作のため、殺した三人に成り代わってステージに上ることに。
昔、いじめられていたところをルイが救った同窓ののんちゃん(ヒラノノゾミ)を加えアイドルグループを結成。
警察の介入を防ぐためにアイドルになるわりに、死んだ三人の背景とか捜索願を出す誰かが一切描かれない感じもB級。
そんなことはどうでもよく、要は「主人公らがアイドルグループを結成する理由」としての殺人。
まばらな観客、音の悪いオケ、まだ未熟な踊りと、グダグダで寒いライブシーンは「サイタマノラッパー」の公民館でのライブを思わせる痛いクオリティ。
しかし、アイドルに目覚めた三人は、アイドルグループ「新生アイドル研究会 Brand-new idol Society」BiSに改名しまたステージに上る。
ここからがトンデモ展開。
三人が上がるのは謎の作詞家が闇で開くステージ。
そこでパフォーマンスして評価されれば栄光が手に入り、もししくじれば頭に袋を被せられどこかに売られていく。
ウケないアイドルの果ては人身売買……おそろしいおそろ(ry
一方、殺されたはずの死体は改造されBiSへの復讐を果たそうと狙っていた……ってBiSの名前も知ってるし、ゾンビなんだかフランケンシュタインなんだか。
ただ、この映画の場合、そういう細かいディテールはどうでもいい。
ここでBiSは、アイドルとして覚醒。
というか既にこれはアイドルなのだろうか。なんかアンダーグラウンドな巫女としか……あぁ、アイドル→偶像だから本来的でいいのかもしれない。
ということでBiSを知ってても知らなくてもカルトムービーとして面白い一作。
見終わると「アイドル」という概念に対する見方が変わるパラダイムシフトな作品になってる。
ちなみに続編では、ロボトミー的な要素とか、もっと残酷性が増したりしてるのでそちらもなかなか。
おかげですっかりやられ、最近、BiSばっかり聞くようになってしまった。
またライブも行くかなー。