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野村不動産買収へ 不動産事業を収益の柱に

 日本郵政が、不動産大手の野村不動産ホールディングス(HD)を買収する検討に入った。日本郵政は2015年に買収したオーストラリアの物流会社の業績低迷により約4000億円の損失を計上し、17年3月期連結決算で民営化後初めて最終(当期)赤字に転落する見通し。郵便や金融など既存の主力事業では一段の成長を見込みにくい中、安定した利益を得るため不動産事業を強化し収益の柱に育てたい考えだ。【浜中慎哉】

 日本郵政はすでに野村不動産HDの大株主である証券最大手、野村ホールディングスと具体的な協議を進めている模様。野村不動産HD株の過半数を取得する場合、買収総額は数千億円規模に上る。ただ、海外子会社の買収で失敗したばかりのため慎重な対応を求める声があり、一部の株式取得にとどめる可能性もある。野村不動産HDの時価総額は約3900億円。

 日本郵政は、国営郵政時代からの名残で全国各地の主要ターミナル駅前などの一等地に巨大な郵便局の建物を保有している。不動産事業を展開するのに有利な立場にあり、実際、JR東京駅や大阪駅、名古屋駅などで新たな商業施設を展開する再開発事業の中心的プレーヤーとなっている。また、不動産各社と共同で分譲住宅事業も手掛けており、野村不動産HDとの共同事業もあるため、パートナーとして最適と判断したとみられる。

 日本郵政は12日夜、「新たな資本業務提携についてさまざまな可能性を検討しており、決定した場合は速やかに公表する」とのコメントを発表した。

日本郵政

 傘下に日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命を抱える持ち株会社。2015年11月に東証1部に上場した。政府が約80%の株を握る。保有比率が3分の1になるまで売却でき、売却益は東日本大震災の復興財源に充てられる。16年3月期の連結決算は売上高に当たる経常収益が14兆2575億円、最終利益が4259億円。17年3月期は、買収した豪州の物流会社の業績不振を受け、約4000億円の損失を計上し、最終損益が初の赤字になる見通し。従業員数は約25万人。

 野村不動産ホールディングス

 「プラウド」ブランドのマンションで知られる大手不動産会社。オフィスビルや商業施設の保有・賃貸、資産運用など住まいに関わる事業を幅広く手掛ける。1957年、野村証券から分離し、2004年に持ち株会社体制に移行。06年に東証1部に上場した。野村証券を傘下に持つ野村ホールディングスが3割超の株を保有する。17年3月期の連結売上高は5696億円。最終利益は470億円。従業員数は約6500人。

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