ソフトバンク 中国企業に約5500億円出資

ソフトバンク 中国企業に約5500億円出資
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通信大手のソフトバンクグループは、今後、高い成長が見込まれるとして、タクシーなどの配車アプリで中国最大手のディーディーに対し、50億ドル(日本円でおよそ5500億円)に上る巨額の出資を行ったことが明らかになりました。
ディーディーは、スマートフォンを使ってタクシーなどを呼び出す配車アプリのサービスを手がけている中国のベンチャー企業で、中国市場で圧倒的なシェアを持っています。

関係者によりますと、ソフトバンクグループは子会社を通じて50億ドル(日本円でおよそ5500億円)に上る巨額の出資を行うことで両社が合意し、すでに資金を拠出したということです。

ソフトバンクは、中国の巨大市場で配車アプリの事業の成長性が高く、投資の効果が高いと判断したものと見られます。一方、ディーディーは、この資金を使って自動運転などの技術開発を強化する狙いです。

ディーディーをめぐっては、去年、アメリカのアップルが10億ドルを出資しましたが、ソフトバンクによる今回の出資はこれを大きく上回る規模となります。

ソフトバンクは、これまでにも中国のネット通販最大手、アリババグループに対し、設立間もない2000年に出資し、現在は筆頭株主として株式の配当や一部の株式の売却などを通じて、巨額の利益を上げています。

配車アプリで中国最大手

ディーディーは、スマートフォンを使った配車アプリのサービスを手がける中国最大手の企業で、2012年に北京で設立されました。

タクシーやハイヤーの配車のほか、相乗りサービスや新車の試乗サービス、代行運転、それにバスの配車も手がけるなど、年々業務を拡大しています。

会社によりますと、現在、中国国内の400余りの都市でサービスを展開していて、アプリに登録している運転手は1800万人以上、アプリの利用者は4億人近くに上り、1日の利用件数は2000万件を超えるということです。

去年8月には、アメリカの業界最大手「ウーバー」の中国事業を買収し、中国では圧倒的なシェアを持っています。

ディーディーは、配車サービスに加えて、最近では利用者の膨大なデータを活用して渋滞予測をはじめとする交通情報の提供や、自動運転に必要な技術の開発など、新たな事業への参入も目指しています。