竹箒日記 : 2016/10


2016/10/9 : 無題。(きのこ)


『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』

終了記念だからもう一回言うぞ。
騙されたと思ってこの人形たちの超アクションを見るんだ……
できるだけ大画面でね……
あと声優さんたちの熱演とキレッキレの台詞にも注目してね……

本当にシンプルに、ただ「面白かった……!」と満面の笑みを浮かべられる作品でした。
一話の無駄もない、まさにぎっしりアンの詰まった月餅の如き四ヶ月。


『魔神と蔑さま大災難!
 最悪のエンジョイ勢・キチョウさんと
 最強のエンジョイ勢・ショウフカンさん
 の次回作にご期待ください!』


というメチャクチャ気持ちの良い終わり方はもちろん、
10話からの怒涛の展開は毎週パラダイス状態でした。
『まさに、見たかったものを見せてもらっている!』感の気持ち良さはちょっと最近ではなかったレベル。
最後の締め(ネタバレなので自重。まあ、借りたものはちゃんとね)で流れる念白もよくてな……物語が終わったばかりなのに、このキャラクターたちの違う事件、違う物語がもっと見たいと即おかわりを要求&叶えられたぜヤッター!
フカンおじさんの次の活躍にご期待ください! スペース刃無縫は東離の刃無縫である……


また、布袋劇には念白という定番の演出があって、
その人物の一番の見せ場(あるいはテーマ)にのみ流れる詩があるのだそうです。
視聴開始時はこの文化が分かっていなくて、「なぜここで詩が?」とメヲパチクリさせていたのですが、その仕組みが分かるともう「念白きたーーー! これで勝った! あるいはもう用済みなので死んだ!」と盛り上がるようになります。

それも含めて最終話の念白の挿入タイミングはまさに白眉。
あんなのキチョウさんですら惚れるしかない。
(いえ、七殺天稜についてはそりゃもう爆笑したけど、冷静になって「あれローさん(系の人)から押収したの? それともこれからローさん系の人が生まれてしまうの?」となって血の気が引いた)


そして最後は踏んだり蹴ったりの蔑さまでしたけど、
あの人、得意の剣ではああいう結末になりましたが、
あのクソ野郎がもっとも大切にしていた煽り力では上回りましたからね。

剣(自分の信念)では負けたが煽り(相手の信念)では勝った。

そんなところも蔑さまの魅力だよね。最大の被害者だよ。
ワシも今から剣を習ってファンネルとかビームとか撃ってみるべきか……でも枯骨流だけは勘弁な! あれ自爆芸ばっかりだから!



 ■■■


さて。ではそろそろ釈明の時間ですかね。
最初に言っておくぞ。


300kbといったな。あれは嘘だ。


だが聞いてほしい。僕だって別に悪気はなかったんですよ。
もっと楽に、サラッと二週間ぐらいで済ませたかったんですよ。ずっと待っていて愉しみすぎたが故にソフト版もダウンロード版も買ってワクテカしていたP5だってまだ触れてもいないんですよ。
でもなぜかこうなってたんだ。分かってくれるね。グッドデライト!


よし、そんなコトよりピクト人の話をしよう。
ホントは六章でニトクリスが『キャメロットが相手なら、安価で召喚に応じてくれる絶対キャメロット殺すマン』として召喚する予定だったのです。
ですがちょっとキャラ作成が間に合わなさそうだったので、そのあたりのくだりはバッサリカット。ピクト人は歴史の闇に封印されたのですが、なんか現れたらしいです。一日限定で。さすがカエサル、次はねえぞテメェ。

以下は六章でのお話。

  ◆

ピクト人「我々の召喚通常価格は1バトルにつき聖晶石100だが、
     キャメロット相手ならむしろこちらが石を10送ろう」
ニトリ「乗りました! ぜひ1ダースお願いします!」

 ファラオ軍、聖都軍との会戦。
 ニトクリス涙目で神殿に帰還、速攻召喚陣を作る。

ニトリ「すみません、あと3ダースお願いします!」
ピクト人「それは無理だ。協議の結果、これ以上の参戦は不可能となった。
     諦めよざざーん女王」
ニトリ「何故なのですか!?」
ピクト人「おまえたちに渡す石が尽きた。もう手持ちが7個しかない」
ニトリ「(アナタたちは)馬鹿なのですか!?」

  ◆


ここから制作の裏話。

突発的にイベントが決まった、とコメントされていますが、
突発というのは「シナリオ&絵を書いたから、今すぐやって」というものではなく、
スケジュール会議(半年先・一年先を決め込んだもの)で「こういうイベントにしたいのですが」と提案するものです。
どんな突発イベントであれスケジュール会議の段階で内容や使用素材は決定されており、
本格的な開発スタート実装予定の三〜二ヶ月前からとなります。つまり、


予定通り、というのは一年前から決まっているもの。
突発的な、というのは四ヶ月ぐらい前に協議したもの、なのです。


ただ三蔵ちゃんは確かに特殊なケースで、週間イベントとして作成を開始したところ、
シナリオが長くなったので制作過程で二週間イベントに設計しなおしたものでした。

また、予定通りなら一年前、というのはFGO企画時の原初のスケジュールのこと。
たとえばメインシナリオですが、どのサーヴァントが出るか全七章のタイトルが発表されたイベント(2014年 UBW)の時点で、既に決定されていました。

当時、ノウハウのなかった我々は制作するサーヴァント一覧を作り、
その後、設定構築、イラストレーターさんへの発注、、バトル案、と様々な設計に入りました。

メインシナリオは基本、「実装サーヴァント」と「その時代でやれること」を
もとにシナリオプロットを作ったものです。
「物語のために」参加サーヴァントが決められたのではなく、
「参加サーヴァント」から物語を構築したカタチですね。

なので一部までの登場サーヴァントはほぼ決まっていたので「予定通り」の作成。
逆にメインシナリオに登場していない、イベント初登場のサーヴァントは
「突発的な」サーヴァントと言えなくもありません。


このあたりの制作進行は企画開始時のシステムによったものなので、
一部以降はより自然なカタチでのシナリオとサーヴァントの組み合わせが展開できると思います。


以上、ちょっとだけ裏話でした。また、こういった制作の解説はしていいかきちんとデライトワークスの凄い人(プロデューサーの塩っち)からオープンにしていいと許可もらってるので安心してくれ。



2016/10/15 : 今日の会議(きのこ)
人間、誰だって間違いはおかす。
きのこはいつだって早とちりをする。
そういう生き物なのだ。


 ■■


昨日の定例会議にて。

議題もほぼ終わり、次の現場に向かうきのこを申し訳さなそうに呼び止める塩っち。

塩川さん「奈須さん、実は一つ、困っている事がありまして」
奈須きの「はい、なんでしょう。七章はリソース面でご迷惑をおかけしていますのでもうなんでも聞きますよ。なんならあと100kbぐらい足しますよ」
塩川さん「やめてください死んでしまいます。そうではなくて、個人的な話なのです。
     あのですね。こういう間違いを指摘するのはたいへん心苦しいのですが……
     私ですね。プロデューサーではなく、クリエイティブディレクターなのです」
奈須きの「え」
塩川さん「クリエイティブディレクター」
奈須きの「だってオレの無茶ぶりを聞いてくれるの塩川さんじゃん!?
     一番偉いんじゃなかったの!?」
塩川さん「いえ。クリエイティブディレクターだから一緒に悪だくみできるのです。
     ―――ゲームの面白さ優先で」
奈須きの「なるほど」






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