実のところ、われわれは親から教えられるというよりは、親の代弁をする他人からとやかく言われることがずいぶんあるのだ。
なぜ赤の他人が親に仮装して文句を垂れるのか、至って不可解と言うしかない。

この不可解さを紐解くなら、とりあえず実親から「他人様の言うことを聴け」と言われているからであろうし、他所様に迷惑を掛けるなとか、そういう物言いで他人への隷従を強いられている。
赤の他人はわれわれの親から委任状を受け取っており、親の代弁をするのは親が認めている。
他人様と明示的に社会契約しているはずがないし、書面に記しているはずはないのだが、なんとなくそうなっているのだろう。

おそらく人類は古今東西そうなっている。
赤の他人との結節点がせいぜい親くらいしかないからであろう。
そこらのオッサンを父親だと錯覚し、そこらのおばさんを母親だと錯覚し、人類は生きてきたのである。

ここには当然ながらヒエラルキーが組み込まれている。
運動部の先輩が後輩をリンチ出来るのも、やはり先輩は面倒を見る立場であり「親同然」だからである。
扶養してくれるわけでもない先輩が「親同然」とかわけがわからないが、世の中はそういう錯視に満ちている。

親がなんとなく「他人様の言うことを聴け」と委任している変な状態には終止符が打たれなければならない。
われわれはそこら辺のオッサンを赤の他人と看破することを覚え始めており、彼らに父親面などさせないようになってるが、おそらくこれは人類の成長である。
すべての係累は絶たれなければならない。
赤の他人は赤の他人であり、親の仮面を被って現れるのを認めてはならない。







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