他人の無線LANの暗号を解読して勝手に使う「ただ乗り」について、東京地裁が刑事裁判で無罪としたことを受け、総務省は12日、「暗号を割り出す過程で電波法に違反する可能性がある」との見解を示した。
裁判では無線LAN接続に必要な「暗号鍵」の解読の違法性が争点となり、東京地裁は「無線通信の秘密の無断使用」には当たらないとした。
ただ総務省は、暗号を割り出すために他人の無線LAN機器に繰り返し情報を送受信するなどの行為は、電波法違反に当たるとの考えを示した。
暗号を割り出しやすいのは古い世代の暗号化方式である「WEP」と呼ばれるもの。高市早苗総務相は12日の閣議後の記者会見で「利用者は最新のセキュリティー対策を講じていただきたい」と述べた。
また、高市総務相は「今後、判決内容について精査をしていく。現在法務省に情報提供を求めている」とした。