2017年5月12日 金曜日 第35回 第6週 響け若人のうた
お父ちゃんはどこかで元気そうだと綿引巡査から聞いた
みね子さんは、それならばどんな理由で消息を絶ったのか
言いようのない不安と心細さに心が重いまま一週間が過ぎた
1965年(昭和40年)4月19日 月曜日の向島電機の昼休み
見かねた乙女寮の舎監永井 愛子(和久井 映見)さんは
そんなみね子さんを母のように慰めるのだった。
そしてまた、コーラスの夜が訪れた。
乙女寮・寮長 秋葉 幸子さんの恋人高島雄大 (井之脇 海)さんの弾く
オルガンの音に乗せて「恋はやさし野辺の花よ」を合唱するのだった。
後日ついに、みね子さん初めてのお給料日がやってきた
いつになく沸き立つ職場
あまりの騒々しさにトランジスタラジオ工場の責任者 松下明(奥田 洋平)さんは
「いつまでもピーチクパーチクやってると、お給料明日にするぞ!」と
冗談を言う
するとラインが一斉に止まって、ストライキ状態に!
驚く松下さんに「言っていい冗談と悪い冗談がある」と言葉をあびせたのは
みね子さんと同室のオール5の兼平 豊子 (藤野 涼子)さんだった
「ちなみに、今のは悪い方です」と言う豊子さんの言葉に大きくうなずく
舎監の 永井 愛子 さんは、中間管理職の松下さんの立場も理解してあげるのだった。
みね子さんは、お給料を手渡されると手取り6000円から5000円を
実家に送金
そして残った1,000円から妹ちよ子と弟の進に文房具を買うのだった。
購入したのは、工場に出張販売に来た5月担当の業者
その売り場にみね子さんが気に入ったブラウスも置いてあり
あのオール5の 豊子さんですら似合うと言ってくれた。
しかし950円もするのであきらめるしかなく、
その一点しかないブラウスは別の人に買われてしまった。
そしてまた一週間後、仕事終わりにそのブラウスを楽しげに着て
喫茶店へ出かける人を見て心沈むみね子さんに
母から手紙が同封された荷物が届くのだった。
ピョッピョッ と 続く
ひよっこ資料
恋はやさし野辺の花よ Hab’ich nur deine Liebe
喜歌劇『ボッカチオ』第1幕より
作曲: F.v.スッペ ・ 作詞: F.Zell、R.Genee ・訳詞 小林 愛雄
日本抒情歌全集(1) ピアノ伴奏・解説付 [楽譜]
「恋はやさし野辺の花よ」 は25曲目
株式会社 向島電機 トランジスターラジオ工場の生産台数は
本社から要求されている目標に達していない
さらに本社は生産台数のアップも要求している。
売店のおいちゃん (平川 和宏)
オルガン指導 大竹くみ
乙女寮 みね子たちの部屋の窓の向かいは物干し場
「お給料明日にするぞ!」と言われてラインを止めたのは 切れ長の目の工藤 みすほ
伊藤 秋子 ライン10番目
この当時給料は手渡しだが3年後東芝・府中 3億円事件発生により振込にする流れができた。
事務所ではなく工場生産ラインでお給料袋を手渡すのは 松下明
その後ろに見えた 創業者理念 一つの部品が暮らしをつくる 湯瀬
1965年4月分 矢田部みね子 の給与
支給額内訳
本給 1,910
職務給 7,470
皆勤手当 300
時間外手当 2,488
交通費 0
支給総額 12,168
引去金内訳
扶養保険料 146
健康保険料 819
所得税 140
住民税 410 ※ 1
労働組合費 350
寮費 300
食費 3,000
積立貯金 1,000
引去合計 6,165
差引支給額 6,003 円
※ 1 みね子さんは未成年なのに住民税の優遇を受けていない この当時の優遇を受けられない所得を超えていたのか?
この年の大卒初任給は 21,600円
送金はおそらく郵便局から 現金書留 30円切手2枚を貼り
茨城県久那郡奥茨城村上賀宮岡145 矢田部 美代子へ
食堂を使って物販に入った5月の訪問販売 業者
すずり堂 (文房具)
オオタニ宝飾店
まつや洋服店
鳩ノ町靴店
妹ちよ子と弟の進に買った文房具はノートと消しゴム 合計60円
みね子が買えなかったブラウス 950円
母からのブラウス プライスレス
母からの手紙
みね子様 仕送り本当にありがとう
無理してませんか?
みね子が働いて送ってくれたお金は
大切に、大切に使わせて頂きます
本当にありがとう
このブラウスはおかあちゃんがつくりました
みね子はこんなのが好きじゃないかなと思ってつくりました
良かったらきてください
あと干瓢を入れておきました 洋食屋さんに行くときに
お土産で持ってゆきなさい
落花生は部屋のみんなと食べてね
体に十分気を付けてね
またお手紙書きます
矢田部 美代子