JR北海道は11日、大規模地震の発生に備えて新札幌駅と千歳駅付近の道内2カ所で2017年度から5年間にわたり高架橋の耐震補強工事を実施すると発表した。国からの支援金の一部を活用し総額31億円を投じる。
補強工事は震度7程度の地震が発生しても大きく損壊しないようにするのが目的。対象区間は新札幌高架橋2.1キロと千歳高架橋2.4キロで、橋梁を支える柱に鋼板を巻いたり鉄筋を差し込んだりして強度を高める。
国は通達で1日の平均利用者数が1万人以上などの鉄道駅は耐震補強に努めるよう求めている。JR北海道は対象となる新札幌と千歳両駅のうち、同社単独で工事できる高架橋部分の補強を優先的に進める。
駅本体部は国の補助制度を活用する際に自治体の一部負担が必要となる。同社によると総工事費は新札幌駅で27億円、千歳駅で16億円をそれぞれ想定するが、自治体との合意に至っていないという。島田修社長は11日の記者会見で高架橋工事と並行して「関係自治体との協議を進めていきたい」と話した。