フルローンやオーバローンで自己資金0でも手軽に不動産投資をスタートできる時代になってきました。しかし、リスクを下げるという観点からもある程度自己資金を貯めた上で不動産投資を始めるという考え方もあります。いざという時の修繕や退去時のリフォームなどで出費がかさむ時もあります。そんな時に余裕資金がないと、せっかく不動産投資をスタートしたのに、諦めざるを得なくなることもあるのです。そのようなリスクも考えると、物件購入価格の1~3割程度の自己資金を貯めておくことは必要です。とはいえ、なかなか貯蓄ができないという人も多いはずです。そこで今回は、不動産投資を始めるための自己資金の作り方についてご紹介します。
【ポイント1】給料は天引きで貯める
サラリーマンが自己資金を作るためには、自分の給料から少しずつ貯蓄をしていき、貯めていく方法がメインになるでしょう。しかし、どうやって貯めればいいのかわからないという人も少なくないと思います。毎月月末になるとお金が足りなくなるという人も多いのではないでしょうか。そのような人は、給料が振り込まれた時点で天引きで貯蓄をするという選択肢も考えてみてください。
まず、使うお金はなるべく用途別に封筒に入れて、使う時にその封筒からお金を出すようにします。人間の心理としてお金を用途別に分けて管理すると消費に回りにくいというデータがあります。給料を1つの銀行口座で管理していると、すぐになくなってしまいがちですが、封筒分けにしているとお金が残りやすいという実験結果もあります。そして、封筒には用途を手書きで書いておくのも効果的です。
【ポイント2】毎月の固定費を減らす
不動産投資をスタートすると、毎月掛かってくる経費を減らし、利益を残すことが重要になってきます。そうしたトレーニングを自己資金の貯蓄の際に行うことができれば、一石二鳥になるのです。平均的に給料の約3分の1を占めていると言われる家賃ですが、すでにマイホームを購入してしまったという人もいるかもしれません。そういう人は、毎月掛かっている住宅ローンの金利の借り換えにチャレンジしてみるのも良いでしょう。不動産投資でもいかに金利が低い金融機関で融資を受けられるか、金利交渉が重要になります。また、借り換えになると手数料なども含めたトータルの金額で損をするか、または得をするのかを計算しなければなりません。賃貸住宅に住んでいる人は、家賃の安いところに引っ越しするなどして家賃を減らすことを考えてみるのも良いでしょう。さらに自動車の維持費や生命保険なども見直して、毎月一定額の無駄な支出がないか検証してみることも大切です。そのためには、家計簿を作ってみると良いでしょう。家計簿を作れば、どこにどれだけの費用が掛かっているのかが一目でわかるので、節約しやすくなります。
【ポイント3】賃貸併用住宅を経営する
賃貸併用住宅とは、その名の通り、自宅と賃貸を兼ねている物件のことです。1つ物件の中に自宅と賃貸ルームを持つことで、家賃収入を得ることができます。たとえば3階建ての賃貸併用アパートであれば、1階と2階部分はアパートで3階は自宅にするというイメージです。賃貸併用住宅のメリットは、何と言っても融資金利が安いということです。一般的な収益物件に投資をする場合、融資はアパートローンで借りることになります。金融機関や付き合いの年数などによって金利は様々ですが、いくらゼロ金利時代と言っても1%を切るアパートローンはなかなかありません。しかし、賃貸併用住宅の場合は、条件次第で建築する場合に住宅ローンが利用できるので、1%を切ることも可能なのです。利回りとローンの金利差が大きければ大きいほど、収益を上げることができるので、低いリスクで不動産投資をスタートすることができます。もう一つのメリットは、住宅ローンを家賃収入で支払えるということです。住宅ローンは家賃収入で返済して、自分の給料は自己資金として貯蓄するのも可能です。さらに、住宅ローンの支払いを終えれば、賃貸併用住宅は自分の資産になります。一方、デメリットとしては、新築の場合、土地探しからスタートしなければならないということ、自分の居住スペースが小さくなることなどが挙げられます。しかし、賃貸併用住宅はそれ以上にメリットは大きい投資方法だと言えます。
【ポイント4】築古の戸建物件を購入する
自己資金が多少はあるという人向けにはなりますが、まず三大都市圏の人口増が見込めるエリアに、200~400万円程度の築古の戸建物件を現金で購入します。建物+土地ではなく、土地のみを購入するつもりで物件を購入します。売買価格が土地の価格以下の掘り出し物の物件が結構あるので、うまく転売することができれば、資産を増やすことができます。仮に、売却できなくても土地を担保に不動産投資の融資を受けることが可能です。もちろん、建物も活用できるのであれば、賃貸物件として他人に貸すこともできます。最初の自己資金は用意しなければなりませんが、購入できれば、資産を確実に持てるというメリットとそれを元にさらに物件を増やしていける足がかりにもなります。
まとめ
不動産投資に限らず、投資にはある程度の自己資金があるに越したことはありません。貯金ゼロからスタートするには、まずは給料の一部を天引きで貯蓄する、毎月の固定費を節約することから始めましょう。ある程度貯まったら、賃貸併用住宅や築古物件という選択肢も考え、新たな投資を行って自己資金を増やしていきましょう。