飲み会が絶対に盛り上がる方法を見つけました。それは「300円のおやつを持ってきて集まる」というものです。
初対面の人がいる飲み会が苦手な僕でも、爆笑して楽しむことができた
なぜおやつを持ってくるだけで盛り上がるのかいうと「みんなが共有できる思い出」が詰まっているからです。
小さい頃に食べた駄菓子や、わずかな小銭を握ってお菓子売り場に行った思い出…などなど、「お菓子を選ぶときのワクワク感」や「駄菓子のおいしさ」は誰もが胸に残っているはず。だから駄菓子を持って集まるだけで「このお菓子懐かしい!」「初めて見た。これ自分の地域にはなかった」などと、盛り上がることができるのです!
ということで今回は「飲み会で300円以内のおやつを持って集まれば盛り上がるのではないか?」という検証を実際にやってみたときのことを書きます。各自「小学生の頃に遠足で買っていた300円分のおやつ」を買って集まり、飲み会をやったら盛り上がるのかどうかを実際に確かめました。この企画ものすごく盛り上がったので、ぜひやってみてほしい。
空気の硬さが伝わるでしょうか…
今回は新宿にあるレンタルスペースを借りて、僕と年齢が近い20代前半〜20代後半の男女6人に集まってもらいました。初対面の人も多くいるので、初めは緊張感があった…。
今回の企画は以下のように進めていきます。
ということで、まずは主催者である僕からおやつの紹介を行いました。なお合計が300円超えている人もいましたが、そこは遠足と同じでご愛敬。
(※以下に表示している値段は価格.com基準の平均値です。値段は見たサイトやお店によって若干変動いたします)
・ヤングドーナツ(43円)
・すっぱいレモンにご用心(30円)
・こざくら餅(24円)
・プチプチチョコ占い(20円)
・カリポリ(93円)
・ゴールドチョコレート(50円)
僕のお菓子選びの特徴としては、「みんなで分けられる」ということがポイントになっています。小さい頃から目立ちたくて承認欲求が強かった僕は、自分が好きなものよりも「みんなで食べられるもの」が中心。
ワイワイ感…!
この企画、どれだけ盛り上がるのか、正直わかりませんでしたが、お菓子を出した瞬間に全員から、
「チョコの占いのやつ懐かしー!」
「これ私も食べました」
「この金色のお菓子なんですか? 初めて見ました!」
などと意見が飛び交いすぐに盛り上がりをみせました。やっぱり「駄菓子・お菓子は共通の思い出があるから盛り上がる」という僕の考えは間違いではなかったみたいです!
3個のうち1個がハズレですっぱいガムになっている「すっぱいレモンにご用心」というお菓子は小さい頃みんなでよく食べて笑った思い出があります。その頃を思い出してみんなで食べてみたけど、やっぱりあの緊張感は大人になっても変わらない! 小学生に戻った気分…青春はすっぱい。
僕のお気に入り、ゴールドチョコレートという金の延べ棒の形をした駄菓子。これは箱の中に10〜100円の金券が入っていて、開ける瞬間のワクワク感はどのお菓子よりも一番!! 昔はカードのようなものが入っていたけど、仕組みが変わってました。
しかし今日来ていた人たちは知らなかったようで、「初めて見た!」という意見が多くて驚きました。僕は出身が神奈川でほかの人は新潟や富山でしたが、地域差があるのでしょうか?
この企画で一番楽しかったのは、選んだお菓子の傾向でその人がどんな子供だったのかわかるということです。
僕が「みんなで分けられるお菓子を選んだ」と説明したときも、
「そんなこと考えたことなかった」
「私は小さい頃はとにかく好きなもの選んでいたなー!」
「ちょっと純粋じゃない感じがして怖い」
などといろんな意見がでて、「自分が小さいときは○○な子供だった」「うちの小学校は〜」という話にまで発展しました。自己紹介はほとんどしていないのに、その人の過去のことまで掘り下げた話が自然とできていますね。
なにこれ楽しーーーー!
企画は始まったばかりでしたが、すでに楽しい。
300円のおやつのチョイスが自分の人格を反映しているし、お菓子の説明自体が自己紹介のようにもなっているから、肩肘張らないリラックスした自分をそのままみんなに知ってもらえる感じです。それから単純に駄菓子の会話するのが楽しい。企画とか関係なくこのまま駄菓子で朝まで飲み明かしたい。
では次の人にいってみましょう!
・ヤングドーナツ(43円)
・ビッグカツ(30円)
・ラムネ(70円)
・キャラメル(100円)
・うまい棒(10円) ×2
・チョコバット(30円)
次はじょんさんという男性に紹介してもらいました。
「僕はmegayaさんと違って、どちらかというと1人で食べられるお菓子が中心で、自分でいうのもあれですけど、ボッチ感がでている感じですよね」
ということで、選んだおやつを見てみると、確かに僕の分ける前提のお菓子と比べると1人で食べるものが多い気がします。
キャラメルやラムネといった値段が高いものが入っているのにみんな驚いていました。ほかの人からも「遠足のおやつでキャラメルを選ぶのは金持ちだけだ」「高級志向だ!」と謎のツッコミであおられています。
いわずと知れた有名お菓子のうまい棒ですが、「うまい棒を上からつぶすとキレイに4つに割れる」という話を今日聞きました。実際にやってもらったら本当にキレイに割れて驚き! そんな方法があったのか…。テレビでも紹介されているような有名な技らしいです。これ子供のときに知っていたらヒーローだろうな。
僕が子供の頃に知ってびっくりしたことなのですが「ビッグカツは肉ではなく魚肉」ということを話したら、みんな驚いて成分表示を確認していました。
ただ参加しているメンバーの中で「遠足でおかずがなくなったときに、ビッグカツをご飯にのせて食べていましたね」という強者もいて驚きました。
・五連ボーロ(100円)
・モロッコヨーグル(20円)×2
・いちごつみ(60円)
・ハイエイトチョコ(30円)
・ポテトフライ(30円)
・甘いか太郎(20円)
・うまい棒(10円)×3
良子さんという女性はポテトフライやモロッコヨーグルなど、駄菓子屋で見かけるお菓子が中心になっていました。その中でもとくに好きなのはタマゴボーロと甘いか太郎とのこと。
タマゴボーロは今でも食べるらしく、家にあれば一生食べ続けられるらしい…。タマゴボーロなんて最後に食べたのって幼稚園のときとかじゃないかな…。
「遠足に甘いか太郎持っていくの? 臭くない?」
「甘いか太郎って僕は食べたことないですね」
と口々に話していたら、待っていましたと言わんばかりにカバンから大量の甘いか太郎がでてきた。準備が周到すぎる。なにこのジュリアナ東京的な甘いか太郎の使い方。
大人がテーブルを囲んで全員で甘いか太郎を食べる姿は異様でシュールな光景だったので、思わず全員で笑ってしまいました。今知らない人が入ってきたら、その光景とニオイに驚くことでしょう。
あと、甘いか太郎が酒のツマミに最高というのは僕的には新発見でした。
良子さんが「本当はさくら大根もってきたかったんだよねー!」と話していたけど、さくら大根という駄菓子を知っている人と知らない人は半々くらいでした。しかし、スマホで調べて画像を見せると「あー! これね!」とみんな納得していました。
これ「駄菓子あるある」なのですが、小さい頃はお菓子の名前を知らずに買っていたので、大人になって改めて名前を知ると「え? このお菓子ってこんな名前だったの?」と驚くことが多々あります。ハイエイトチョコとかまさにそうで、僕はメガネチョコって呼んでいました。
・のし梅さん太郎(10円) ×5
・酢だこさん太郎(10円)×5
・カットよっちゃん(30円)
・餅太郎(10円)
・クッピーラムネ(20円)
・きびだんご(30円)
・ねるねるねるね(100円)
若月くんのおやつはかなり異質でした。「遠足のおやつ」といっているのに、「ねるねるねるね」が入っている!! これは本人的にはボケでもなんでもなく、小学生時代に水筒の水を利用して本当に作っていたらしいです。僕からしたら未知の生物に出会ったくらいの衝撃があった。UMAだ。
「同じものを買う発想が子供の頃になかった」「遠足ではいろんなお菓子を持っていくのが当たり前だと思っていた」という意見がありました。若月くんは「ボッチだったから好きなものを買っていた」と爽やかにいっていました。
・CHELSEA(120円)
・チョコボール(60円)
・マーブルフーセンガム(10円)×2
・どんぐり飴(10円)
ボードゲーム好きのKさんという女性も変わったお菓子の選び方でした。「口に残るお菓子が好きなんですよ!」ということらしいです。
それよりもおやつの量の少なさに驚きます。「遠足のおやつ」を選ぶというハッピーな企画でこんな写真映えしないラインアップを見るとは思いませんでした。企画つぶしだ!!
(シゲキックスというお菓子を買ったはずだったがなくしてしまったらしいです。それでも見た目的な寂しさは変わらないと思う)
本当にこの300円のおやつ選びはその人の個性がでるなと思いました。
・蒲焼さん太郎(10円)
・わさびのり太郎 (10円)
・おやつカルパス(10円)×2
・うまい棒(10円)×3
・タラタラしてんじゃねーよ(100円)
・poifull(100円)
最後はスラカさんという男性。「僕は人と交換してお菓子を食べるのが好きでした」と語るように、有名どころのお菓子をガッツリと集めている印象。子供の頃からなんて策士なのだろうか。諸葛亮の再来かもしれない。
ただ「純粋さをまったく感じない」という厳しい指摘も受けていておもしろかった。
ひととおり全員が紹介したあとも、盛り上がりは続きずっとお菓子トークと昔話で盛り上がっていました。駄菓子の力ってすごい!!
有名なお菓子や、食べたことのないお菓子を食べて驚いたり…
占いができるチョコで遊んでみたり…
駄菓子の説明文がシュールでおもしろいのを探してみたり…
一番センスのあるおやつを多数決で決めてみたり…(優勝者には駄菓子セットをプレゼントした)
とにかく駄菓子や昔話のネタは尽きませんでした。やっぱり共通の話題があると自然に話が膨らむし、駄菓子が意外におつまみになるのでお酒も進む。いいことずくめです。問題は異常に甘い駄菓子が多いので、次の日の胃もたれが気になることくらい。
どうです、この盛り上がりっぷり!
初対面同士でやってみましたが、本当に大盛り上がりして楽しかったです。駄菓子を食べていると、自然と子供の頃の話題になって、その人の核の部分に触れられるような気がしておもしろいですね。
おつまみにもぴったりで、大人から子供までみんなで楽しめる会です
また「おやつは300円」というルールでやると、みんな似たようなお菓子ばかりになるかな? と思いましたが、それぞれの個性がバッチリ反映されていて見事にバラバラでした。300円のおやつがそのまま名刺代わりになるというか、その人の本質を表しているようにも見えました。奥が深い!
今回は同年代ばかりでしたが、世代がバラバラのほうが「え? こんなお菓子初めて見ました!」という発見がありそうなので、いろんな世代を集めてやったほうが盛り上がるかもしれません。
誰でも手軽に盛り上がることができると思うので、初対面でなにか仲良くなるキッカケが欲しい人や、いつもの家飲みに飽きた人はぜひやってみてほしいです!
余談なのだけれど、駄菓子を食べてお酒を飲んでいるときに「懐かしい」という気持ちと「大人になったんだな」という気持ちが同時に押し寄せてきて、それがぶつかり合い、感情が高ぶってなぜか涙がでそうになった。情緒不安定なのかもれない。泣くのをごまかすために甘いか太郎のニオイをかいでなんとか現実に戻ることができた。
大学中退→ニート→ママチャリ日本一周→webプログラマという経歴で、趣味でブログをやっていたら「おもしろ記事大賞」で賞をいただき、記事をかくようになりました。デイリーポータルZ、それどこ(楽天)など。