トランプ大統領 大統領選不正投票調査の大統領令に署名

トランプ大統領 大統領選不正投票調査の大統領令に署名
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アメリカのトランプ大統領は、過去の大統領選挙で不正がなかったか調査を行うための大統領令に署名しました。去年の大統領選挙で、民主党のクリントン氏に数百万人の不法移民が不正に投票したという、みずからの主張の正当性をアピールする狙いもあると見られます。
アメリカのトランプ大統領は11日、過去の大統領選挙で不適切な有権者登録などの不正がなかったか調査するための委員会を設置する大統領令に署名しました。委員会のトップはペンス副大統領が務め、調査を行ったうえで結果を大統領に報告するとしています。

トランプ大統領は、去年の大統領選挙で民主党のクリントン氏の得票総数が自身を上回ったのは数百万人の不法移民が不正に投票したためだと主張していて、今回の大統領令はこうしたみずからの主張の正当性をアピールする狙いもあると見られます。

ただ、トランプ大統領はこれまで不正な投票があったとする具体的な根拠を示しておらず、共和党内からも主張を疑問視する声が上がっていて、今回、大統領令に署名したことで反発が広がる可能性もあります。

また、トランプ大統領はこの日、アメリカの政府機関や重要なインフラのサイバーセキュリティーを強化するための大統領令にも署名し、ロシアや中国それにイランなどからのサイバー攻撃を念頭に、対策に力を入れる姿勢を強調しました。

選挙啓発団体が相次ぎ批判

今回の大統領令について、アメリカ国内で投票の啓発活動などを行っている団体は「トランプ陣営とロシアとの関係を捜査してきたFBI=連邦捜査局のコミー前長官を解任したことから国民の関心をそらすために行ったものだ」と批判する声明を出しました。

また同様の活動を行っている別の団体は「不正投票が行われたとするトランプ大統領の虚偽の主張を正当化したいだけだ。今回の大統領令は、将来、有権者の投票活動を妨げるものにつながりかねない」などとして懸念を示しています。