カラオケ動画のユーチューブ投稿は「ダメ」

機器メーカーの著作隣接権侵害判決

自分がカラオケで歌う様子を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した東京都内の男性(45)に対し、東京地裁が、カラオケ機器メーカーの著作隣接権を侵害するとして公開禁止を命じる判決を言い渡していたことが分かった。

ユーチューブには同様のカラオケ動画が多数投稿されているが、公開を禁じた判決は初めてとみられる。スマートフォンの普及で動画の撮影や投稿が容易になる中、投稿者側は注意を払う必要がありそうだ。

削除要請12万件

「自己満足のために公開しただけなのに、裁判になったのは驚いた」。敗訴した男性はそう困惑する。

男性は昨年9月頃、都内のカラオケ店で人気女性グループの曲を歌った姿を自らスマホで撮影。約2分間の動画にし、ユーチューブに投稿して公開した。

カラオケ機器メーカーは、アーティスト側に原曲の使用料を支払い、ボーカル部分のない音を独自に制作しており、著作権に準じた著作隣接権がある。男性のケースでは、通信カラオケ「DAM(ダム)」を展開する第一興商(東京都品川区)が制作者だった。

同社によると、ユーチューブで公開された動画だけでも年間で約12万件の削除を要請しているという。ほとんどの投稿者は削除に応じるが、この男性は拒否したため、同社は同年10月、著作隣接権を侵害されたとして、公開禁止や男性が所有する記録媒体からの消去を求めて初めて提訴した。

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