難民とは誰ですか。それは私たちなのです。
ルカの福音書4章18節、19節 「わたしの上に主の御霊がおられる。主が、貧しい人々に福音を伝えるようにと、 わたしに油を注がれたのだから。主はわたしを遣わされた。捕われ人には赦免を、 盲人には目の開かれることを告げるために。しいたげられている人々を自由にし、 主の恵みの年を告げ知らせるために。」 |
外国人収容者の救いのために。
長崎県の中央に位置する大村湾は、湖のように波静かで「琴の海」と呼ばれています。日本最初のキリシタン大名である大村純忠の時代には大村領内に6万人もの信徒であふれていましたが、豊臣秀吉から徳川家康の時代にかけて激しいキリスト教の弾圧があり、多くの民が信仰を捨てました。しかし死を恐れずに信仰を守り抜き、殉教していった人たちも多くいたのです。 私たちが示された使命は、殉教者が最後まで願っていた使命をはたすことです。「それゆえ、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。そして、父、子、聖霊の御名によってバプテスマを授け、また、わたしがあなたがたに命じておいたすべてのことを守るように、彼らを教えなさい。見よ。わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます。」(マタイの福音書28章19節、20節) 私たちは、キリスト信仰に基づき、プロテスタント、カトリックの教派を越えた同じ志を持った有志たちが集まり、心をあわせ、捕らわれている人々、痛みと悲しみを負った人々、行き場を失い迷っている人々を励まし、なぐさめ、そして救いのために働きます。 |
支援活動内容
私たちの教会の働きの一つに「難民・外国人収容者支援」があります。長崎県内には様々な理由で日本に在留できなくなった外国人を収容する施設(入国管理センター)があります。収容施設としては日本最大規模であり、最近では軍事政権から逃れてきたビルマ人(ミャンマー人)が確認されています。ボートなどに乗って逃れてきた難民は日本領海域に入ると不法入国者という扱いになり、上陸すると不法滞在者となります。不法滞在者にはすべて強制退去令状が発布されます。中には強制退去させられると現地の軍事警察などに拘束され、命の危険にさらされる人たちもいます。そのようなケースが予測される場合、弁護士に依頼し、強制退去取消し訴訟を起こすこともあります。 日本にたどり着いた難民は収容施設に送られますが、異国の地で孤独を感じ、将来への不安や離れ離れになった家族を思いながら、閉鎖的な環境で長期間にわたり収容されると二次的な問題が生じてきます。精神的に追い込まれ、意味不明な行動や自傷行為をする人たちも出てきます。そのような状態になる前に仮放免させる必要が出てきます。仮放免というのは刑務所の収容期間満了前に許可される仮釈放とは異なります。仮放免させるためには申請書、理由書の作成、居住地と保証人の確保、また保証金も準備しなくてはなりません。入管法によると保証金は上限が300万円と定められていますが、難民の場合、30万円から50万円の金額を指定されます。また仮放免の許可が出たとしても、就労ビザがあるわけでもないので働くことが許されません。働けば不法労働者という扱いになります。また国民健康保険を持たないので、病院に行っても全額の個人負担となります。この支援活動を個人的に行うことは大変難しく、多くの支援者、団体と協力し、連携を図りながら行っていく必要があります。 難民・外国人収容者を支援し、そして救いへ導くまでには宣教学や牧会学だけではなく、世界経済、法律、政治、各種外国語、他宗教、カウンセリングなど様々な知識や経験が必要です。今、キリスト者に求められているのは個人的な働きではなく、教派を越えて教会同士が手を取り合い、それぞれの教会に対して主から与えられた賜物を共有することです。そして日本から世界を見る目だけではなく、世界から日本を見つめる二つの目を持ち、眺める信仰から脱却し、善きサマリヤ人のように行動を伴う信仰が求められています。私たちは同じ志を持とうとする全国の勇士たちと連携を図りながら、支援の和を広げていきます。
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支援活動報告
・2005年4月 東京の中国人牧師からの依頼で初めて大村入国管理センターに収容されている中国人と面会する。 ・2005年5月 複数の中国人収容者と面会、月に一度の面会活動を開始。
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牢につながれている人々を、自分も牢にいる気持ちで思いやり、 また、自分も肉体を持っているのですから、 苦しめられている人々をおもいやりなさい。 へブル人への手紙13章3節
あなたがたは在留異国人を愛しなさい。 あなたがたもエジプトの国で在留異国人であったからでる。 申命記10章19節、レビ記19章34節 |