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 ニコンは11日発表した2017年3月期決算で、純損益が71億円の赤字に転落した。赤字転落は7年ぶり。前年は182億円の黒字だった。デジタルカメラの販売不振などでリストラを実施し、533億円を特別損失に計上したことが響いた。

 経営の悪化を受け、国内で募集した希望退職に応じた1143人に割り増し退職金など約166億円を支払った。高価格帯のコンパクトデジカメの一部を発売中止したことでも74億円の損失を計上するなどした。

 売上高は8・6%減の7488億円。約半分を占める映像事業が大幅な減収になった。スマートフォンの普及でデジカメの市場全体が縮小していることに加え、16年4月の熊本地震でセンサー部品が一時、調達できなかった。

 今後は、高級一眼レフなど付加価値の高いカメラに注力する方針。18年3月期は純損益で340億円の黒字を見込んでいる。