韓国で世界最大の自動運転車テスト都市「K-City」が10月にオープン。高速道路やバス専用車線なども完備
背景には官民を上げた自動運転車ビジネスへの取り組みあり
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韓国のBusinessKoreaは、世界最大級の自動運転車用の走行実験施設「K-City」が、今年10月から運用開始することを伝えています。K-Cityは約110億ウォン(約11億円)が投入され、京畿道華城市に建設。約36万平方メートルの敷地内にてさまざまな環境で自動運転車のテストができるとのことです。
2016年3月に韓国国土交通部が現代自動車のテストカーに対して「臨時運行」を許可して以来、韓国の自動運転車は公道テストの動きを加速しています。K-Cityも昨年8月に発表されたもので、いよいよ具体的な運用の道筋が明らかにされたかたちです。
韓国国土交通部によると、K-Cityは韓国交通安全公団のITS(Intelligent Transport Systems=人と道路と自動車の間で情報の送受信を行うシステム)に基づき、バス専用車線や高速道路、自動駐車場などが設置される予定。ここでSKテレコムやサムスン電子などの韓国IT企業および、現代自動車をはじめとした自動車メーカーが、実際の都市さながらの環境でテストできるようになります。
これら施設のうち、まず今年下半期に高速道路がオープンした後、2018年前半には残りの施設の開業を予定。今のところ、K-Cityを利用できるのは国家の許可を得た大企業に限られるとのことで、Business Timesは新興企業も使えるようにすべきとの専門家の意見も伝えています。
アメリカでも昨年、ミシガン大学が広さ約32万平方メートルの自動運転車用の走行実験施設「Mcity」をキャンパス内に正式オープン。日本もトヨタやホンダを含めたリーダー会員企業(施設を優先的に使える)に名前を連ねています。そこでは交差点や鉄道の踏切、信号や街頭や砂利道も設置しているほか、違うメーカー同士の車車間通信(車同士がお互いの位置や速度などの情報を送受信するしくみ)実験も行えるのが売りとなっています。
自動運転車プロジェクトは、個々の企業の枠を超えた「国策」になりつつある昨今。K-Cityも、その背景には韓国政府が「2020年までに高速道路での走行が可能なレベル3(准自動走行システム)程度の商用化を実現する」と宣言した、官民を上げた取り組みがあります。日本でも、この国特有の道路事情を再現する「街まるごと実験施設」が求められているかもしれません。