べっぴんさんの スピンオフ・ラジオドラマ「たまご焼き同盟」の物語をできるだけ詳しく書き起こします。
聴き逃した方は是非 読んでください♪
(とても長い記事ですので、ご注意下さい)
~プロローグ~
すみれが幼い頃からいつも遊びに来ていた「いつもの丘」から物語は始まります。
この日、すみれは孫の藍と一緒に丘に遊びに来ていました。
藍は、すみれの刺繍を見て「昔からそんなに上手やったん?」とすみれおばあちゃんに訪ねます。
すみれは、お友達と一緒に手芸倶楽部を作ってからいろんなものを作れる様になったのだと答えます。
藍「手芸倶楽部?何それ?」
すみれ「聞きたい?」
それは、すみれが女学校4年生(高校1年生)の頃のお話です。
―すみれの女学校―
多田良子はこの頃、高西悦子こと「悦子様」の取り巻きの一人でした。
内向的な良子は「取り巻き」の中でも大人しい存在です。
この日は「日の丸弁当」の日。
戦争で頑張っている兵隊さんを思い、豪華なおかずは控えたご飯と梅干の日の丸弁当を食べようという日です。
しかし、悦子は良子に「私のお弁当にはたまご焼きが入っている」と自慢げにこっそり伝え、良子を驚かせます。
悦子が去った後、良子に話しかけてくるクラスメイトがいました。
すみれ「あの…多田さん…」
すみれです。
大人しいすみれは、この頃ほとんど友達はおらず、おどおどした感じで良子に学級日誌を渡します。
良子「…坂東さん!もしかして…さっきの話…聞いてた…?」
良子は、もしかしたら悦子のたまご焼きの話が聞かれていたのではないかと懸念します。
すみれ「話って…?」
良子「…それならいいんやけど…」
良子はホっとします。
良子が去った後、今度は田坂君枝がすみれの落し物を届けにやってきました。
君枝「坂東さん、落ちてたよ、糸」
すみれ「あ…ありがとう、田坂さん」
この頃、まだすみれたちはほとんど会話もしたことがないクラスメイト同士で、名字で呼び合っていました。
同じくクラスメイトの五十嵐さんが、すみれに話しかけてきました。
五十嵐さんは東京から転校してきた女の子で、あまり友達がいなかったすみれにもいつも挨拶をしてくれました。
―実習後、中庭―
この頃の女学校は、ナギナタや農業の実習の授業があり、この日は午前中に農業実習があり、近くの農家に行っていました。
実習が終わった後、悦子たちのグループは庭でお弁当を食べることにしました。
悦子「外は気持ちいいわねえ…あら…!?ない…!ないわ…!」
悦子のお弁当の中からたまご焼きだけがポッカリ無くなっていたのです!
悦子は、たまご焼きのことは良子にしか話していないのだと言い、良子を疑います。
良子は、自分は食べていないと否定しますが、「では、どなた!?」ときつく責められてしまいます。
良子は、悦子とたまご焼きの話をした後にすみれと話したことを思い出し、悦子にそれを伝えます。
―校舎の誰もこない場所―
悦子たちは、すみれを呼び出しました。
すみれは勿論 たまご焼きを食べたりなどしていません。
しかし、悦子の取り巻きたちはすみれを責め、悦子自身も「すみれが食べた」と思い込んでいます。
良子は「あの後、坂東さんと話した」という事実を言っただけなのに、すみれが完全に犯人扱いされていることに戸惑いながらも、悦子たちに何も言うことができません。
そこに、君枝がやってきました。
君枝はすぐ傍で静かに絵を描いていたところ悦子たちの話の内容が聞こえ、「一方的に決めつけて責めているのはひどい」と思い、黙っていられなくなってやってきたのです。
君枝は「坂東さんは誰かの物を盗るような人には見えない」と言います。
悦子「あなたたち、お友達?」
君枝「違いますけど…」
悦子「そしたら分からないじゃない。坂東さんがどんな人か」
君枝「…そやけど、坂東さんの言うことも聞いてあげないと…」
すみれ「あの…その……足は…生えてないですよね…?たまご焼きに足はないですよね…?その…つまり…逃げたってことはないかな…と…」
悦子「……あなた、真剣におっしゃってるの…?」
すみれ「昔、絵本でそういう話を読んだことがあって…」
良子「あ、それ私も読んだわ…♪」
悦子「多田さん!」
良子「はい……」
すみれ「今度、お貸ししましょうか?」
悦子「いい加減にしてちょうだい!あなた、熱でもあるんじゃないの!?」
すみれ「顔、赤いですか?」
悦子「そういうことじゃなくて…!…あなたと話してると頭が変になりそうやわ!」
君枝は気を取り直して、そもそも今日は「日の丸弁当の日」だと言い、悦子がたまご焼きを持ってきていたことは間違っていると言います。
君枝「我慢しないなんて…は…はした…はしたな……」
君枝は悦子に必死に伝えようとしますが、緊張で倒れてしまいました。
―救護室―
すみれは君枝を救護室に連れていき、君枝が目覚めるまで付いていることにしました。
君枝が倒れたと聞いた五十嵐さんも、心配して救護室に来てくれました。
わざわざ来てくれた五十嵐さんですが、君枝とお友達という程仲良しではないようです。
君枝が目覚めます。
君枝「ついててくれたの…?ありがとう…ごめんね、驚いたわよね、よくあることなの…。昔から体が弱くて…」
すみれ「そう…」
君枝「五十嵐さんも一緒に?」
五十嵐さん「私は…その………ごめんなさい!」
君枝・すみれ「??」
君枝「何??急に…???」
五十嵐さん「私なの…!悦子様の卵やき…私が食べたの…」
君枝とすみれは驚きます。
五十嵐さんの話を要約すると、こういう事情でした。
・実習の後、皆より早く教室に帰ってきて、おなかがすいていたので早く食べたかった。
・実はこの数日前に席替えがあり、それをすっかり忘れて勘違いした五十嵐さんは「自分の前の席」に座ってしまった。その席こそ、今は悦子様の席で、しかもお弁当を包んでいるハンカチが五十嵐さんの物とたまたま同じだった。
・五十嵐さんの母親が、今朝「お弁当にいいものを入れておいたから楽しみにね♪」と言っていたので、それがたまご焼きなのだと思い込んで食べてしまった。
五十嵐さんは、決して悦子様のたまご焼きをわざと食べたのではなく、たまたま重なった偶然で間違えて食べてしまったのです。
五十嵐さん「言おうとしたんだけど…悦子様のところに行こう行こうって…。そしたら、悦子様、坂東さんを連れていってしまって…それで……」
君枝「坂東さんは、泥棒扱いされたのよ?」
五十嵐さん「本当にごめんなさい!」
君枝「…坂東さん、聞いてる…?」
すみれ「あ…五十嵐さんのお母さんが入れてくれた『いいもの』って…?」
五十嵐さん「ごま塩…」
すみれ「ああ…!ごま塩かぁ~!」
五十嵐さん「私が言うのもなんだけど…坂東さん…面白い人ね…ふふ!」
君枝「…ふふ!ほんまやわ!ふふふ!」
3人は思わず笑い合います。
―翌日、すみれの学校―
君枝は、五十嵐さんに許可をとって、事実を悦子様に打ち明けたいと考えます。
そこで、まずは取り巻きの良子に相談することにしました。
君枝「多田さん。悦子さんに訂正してもらいたいと思うんやけど…」
良子「訂正…?」
君枝「悦子さんのたまご焼きを食べたのは、坂東さんやなかったの」
五十嵐さん「私なの…!ごめんなさい!」
良子「五十嵐さん!?」
すみれ「でも、わざとと違うのよ。間違えてしまっただけなの」
君枝「だから、多田さんから悦子さんに違うって言ってもらいたいの」
良子「そんなことしたら…私が嘘ついたみたいになるやない!」
君枝「坂東さんは盗ってもないのに撮ったと言われてるのよ?」
すみれ「……あの…その…もうええよ…?ゆうべ、夢をみたのよ。たまご焼きに足があって、それで皆で行進してたの。たまご焼きはもうどこかへ行ってしまったから…この事はもう忘れてもええんやないかなと思って…」
君枝「坂東さん……なんて言うか…それではアカンこともあると思う…」
良子「…悪いけど…やっぱり私は言われへんわ…」
君枝「分かった…。でも、それならそれで先生だけには言うておかないと…」
良子「え!?」
―しばらく後―
悦子「ちょっと!多田さん!どういうことなの!?あなた、片桐先生に何をおっしゃったの!?」
君枝は担任の片桐先生に今回のことを話し、悦子は片桐先生から「日の丸弁当の日に、たまご焼きを持ってきたこと」を注意されてしまいました。
良子はあの後、すみれや君枝と一緒に職員室に入っていったところを、悦子の取り巻きに目撃されていたのです。
良子「いや…私は…」
悦子「もう結構!あなたとは今後、お話することはないわ!」
良子「ちょっと待って…!」
このことをきっかけに、良子は悦子のグループから仲間はずれにされ一人ぼっちで過ごすようになってしまいました。
五十嵐さんも、引け目を感じたのか学校へ来なくなってしまいました。
―後日、学校―
すみれは、ひとりぼっちの良子に話しかけます。
すみれ「あの…多田さん…大丈夫…?」
良子「大丈夫に見える…?」
すみれ「…見えない…」
良子「…こういう時に、坂東さんたちの仲間に入って過ごせばいいんやろうけど、坂東さんも一人やもんね…」
すみれ「そうやねえ…」
良子は思わず笑います。
良子「ふふ…そういうの、普通は否定しない?」
すみれ「そやけど…ほんまに一人やし…ふふ」
良子「…私も気になってるのよ、五十嵐さんのこと…」
すみれ「…あ…ちょっと思ったんやけど、来てくれる?」
すみれは、ハンカチに刺繍をして他の人の物と間違えないお弁当包みを作って五十嵐さんにプレゼントしようと良子に提案します。
良子は、問題解決としては何かが違うような…と感じながらも、すみれの純真な心にどこか惹かれて一緒にハンカチを作ることを決めました。
すみれは、布の裁断を良子に頼みます。
すると、良子はまっすぐにきれいに布を裁断しました。
すみれ「わあ!すごいわ、多田さん!まっすぐやわぁ!」
良子「そんなに驚くこと…?」
すみれ「布をまっすぐに切れる人って、なかなかいないのよ?多田さん、器用やわぁ!」
そして、すみれは刺繍のやり方も教えながら、良子と一緒にハンカチを作ります。
―五十嵐さんの家―
放課後、すみれと良子は五十嵐さんの家を訪ね、ハンカチを渡しました。
五十嵐さんに似合いそうな可愛らしいスズランの花の刺繍が入っているハンカチです。
五十嵐さんは「素敵!」と言って、本当に喜んでくれました。
―五十嵐さんの家からの帰り道―
すみれとの別れ際、良子は、すみれが泥棒扱いされてしまったことを改めて謝ります。
そして、今回お裁縫がとても楽しかったことも伝えます。
すみれ「本当?……なんか…なんかな…こういうのどうかな?クラスのみんなにあげるの!」
すみれはクラスの皆にも刺繍をしてハンカチを贈ることを提案し、良子も「いいねえ!それ!」とワクワクして答えました。
―翌日(放課後かな?)教室―
すみれと良子は、早速作業をしようと布などを準備します。
その時、教室に落ちていたスケッチブックを見つけます。
誰のものか分かりません。
中を見て見ると、素敵な絵がたくさん描いてありました。
そこに、君枝がやってきました。
君枝「ちょっと…探し物をね…」
すみれ「何?一緒に探すよ?」
君枝「大丈夫。…あ…!そのスケッチブック…!」
すみれ「もしかして…これ?探し物って…」
君枝「そう…返してもらっていいかな…」
良子「返すも何も…落ちてたのを拾っただけやし…」
すみれ「その絵、全部田坂さんが?」
君枝「そうやけど…」
すみれ「田坂さん、絵が上手なのね」
君枝「ありがとう…」
すみれ「…お花もかける?」
良子「(小声で)ちょっと待って!まさか…田坂さん誘うつもり?私…あの人 苦手やわ…」
君枝「なんなの?」
良子「いえ、なんでも…」
君枝「…それ、何してるの?」
すみれ「刺繍。クラスの皆のね、お弁当包むハンカチを作ろうと思って。その人に似合うお花の刺繍をして…」
君枝「お弁当を包むハンカチ…刺繍…いいねぇ!それやったら、もうあんな事件怒らないやろうしね」
良子「一言 余計やわ…」
すみれ「どうかなぁ、この模様…」
君枝「…私にはよく分からないわ…」
すみれ「…でも」
良子「分からん言うてるんやから、ええんやない?」
君枝は教室を出て行ってしまいました。
良子「はあ…田坂さんが入ったらどないしようかと思ったわ。…入って欲しかったの…?」
すみれ「素敵な絵やったし…」
良子「…そしたら、私抜けるから、田坂さんにもう一度お願いしてみたらいいわ」
すみれ「え??」
君枝が入るのが嫌な良子は、そう言って教室を出てしまいました。
―しばらく後―
すみれが一人で元気なくいると、片桐先生が声をかけてくれました。
すみれは悩みを打ち明けます。
すみれ「お友達をするって…難しいですね…。今とても悲しいというか…苦しいというか…うまく言えないんですけど…こんな気持ちになるなら、一人の方が良かったなあって…」
片桐先生は、友達はお弁当のようなものだと言います。
片桐先生「確かに一人で食べるお弁当もおいしい。気兼ねなく自由に食べられる。でも、坂東さんは皆で食べるおいしさと楽しさを知ってしまった。皆と食べれば、おかずを分け合える、知らない味に出会える。それはきっと豊かなことです。
すみれ「でも…そしたら…どうしたらいいのか…」
片桐先生は「このお弁当を一緒に食べよう」と伝えることだとアドバイスします。
すみれ「なんとなくわかった気がします。先生、ありがとうございます!」
すみれは走り出します。
片桐先生「ああ!廊下は走らないように!」
―しばらく後、学校―
すみれは、廊下で君枝と良子を呼び止めます。
「多田さん!田坂さんも待って!」
あまりに大きな声で、良子・君枝、そして周囲にいた人々もびっくりしました。
良子「何?大きな声で…」
すみれ「私ね、なんか…なんかな…、私、べっぴんを作りたいの!特別なもの!」
君枝「どういうこと?」
すみれ「五十嵐さんが喜んでくれたみたいに、皆にも喜んでほしいの!もろた人が嬉しい言うてくれるような、想いを伝えられるような、そういうべっぴんを作りたい!そやから、2人に協力してもらいたいの!」
すみれ「多田さんは、布をきれいに裁つことができるし、田坂さんは絵が上手やし素敵な模様を描くことができる…!多田さんと田坂さんがいてくれたら、とても素敵な物ができると思うの!」
良子「そんなこと言われても…」
すみれ「私と一緒にべっぴんを作って下さい!」
すみれは頭を下げます。
君枝「…びっくりするわ…、坂東さんって、しゃべる時はしゃべるんやね…」
良子「ほんま…なんかずるいわ。そんな風に言われたら、嫌なんて言えないわ…」
君枝「そうやね」
すみれ「そしたら…」
良子「みんなで、べっぴんを作ろう…♪」
―放課後―
すみれたちは早速3人でお弁当包み作りを始めます。
良子がきれいに布を裁断し、君枝がデザインを考えます。
すみれが2人に刺繍を教えます。
君枝「ひとつ聞いていい?なんで悦子さんとずっと一緒にいてたの?」
良子「そうやねえ…華やかそうに見えたから…かな。私、そういうのいいなって思ってしまうのよ。そう思うんやけど…やっぱり自分には合わなかったみたい…」
君枝「そう…。けど、多田さんは多田さんの華やかさがあると私は思うよ」
良子「え?」
君枝「私はそれがうらやましいとも思う…。私は生まれた時から体が弱かったから…ちゃんと生きていかないとってずっと思ってきた。だから、つまらないなって思われるの…」
良子「つまらなくなんてないわ!自分を強く持ってるのよ」
君枝「そうかな…。…坂東さんは?」
良子「何かないの?」
すみれ「何か…?」
君枝「坂東さんはどうして刺繍を始めたの?」
すみれ「母が刺繍がとても上手で…」
良子「そしたら今もお母さんに教わってるの?」
すみれ「ううん。母は亡くなったの」
君枝「そう…」
すみれ「最初は、お母様を喜ばしたくて刺繍を始めたんやけど、今は、誰かに喜んでもらえるものが作れたらいいなって」
良子「…なんか、いいね」
君枝「そやから坂東さんの刺繍はあったかい気がするんやね…♪」
(後日??)
そして、ハンカチが全て完成しました。
3人は大喜びです。
良子「あのね……あの…」
君枝「何?」
良子「…もっと…親しい呼び方したいなって思って…」
良子の言葉をきっかけに、3人は「君ちゃん」「良子ちゃん」「すみれちゃん」と呼び合うことになりました。
良子「すみれちゃん…♪」
すみれ「はい」
良子「君ちゃん♪」
君枝「はい」
良子「…………私も呼んでよ~!(笑)」
君枝・すみれ「ふふ…良子ちゃん!」
良子「はい!…なんか照れるね…!ふふ!」
―翌朝、学校―
この日、久々に五十嵐さんが登校してきました。
五十嵐さんは、良子とすみれが家に遊びに来た翌日から学校に行こうと思ったのですが、親の都合で今日まで学校に来ることができませんでした。
実は、東京に再び引っ越すことが決まったのです。
今日は、すみれたちにお別れを言いにやってきたのでした。
それを聞いたすみれたち3人。
良子は意を決して、五十嵐さんを連れて悦子のところに向かいます。
良子「たまご焼きのことやけど…私が事を大きくしてしまったことは謝ります。けど…」
悦子「…けど、何!?」
五十嵐「…私が食べてしまったんです!ごめんなさい!」
五十嵐さんも、最後の本当のことを打ち明けてくれました。
良子「五十嵐さんは間違えただけなんです!」
悦子「だからって、今頃…」
君枝「…悦子さんも、謝ってくれませんか?すみれちゃんを泥棒扱いしたこと謝ってください」
悦子「…どうして私が…!」
君枝「大体…日の丸弁当の日にたまご焼きを持ってきた悦子さんが…悦子さんが…」
良子「大丈夫…!?君ちゃん…!」
君枝「(深呼吸して)…今は、お国のために兵隊さんが頑張ってくれています。それやのに自分のことだけ考えてたまご焼きを持ってくるなんて…は…はしたないです!」
悦子「はしたない!?なんて方たち…!?」
すみれ「悦子さん…これ…」
すみれはお弁当包みを渡します。
すみれ「それぞれ、その人に似合うお花の刺繍をしているんやけど…、悦子さんももらってくれないかな…?赤いバラにしたの。赤いバラは、皆 好きでしょう?」
すみれは、皆に一目置かれ憧れられている華やかな存在の悦子には赤いバラが似合うと気持ちを伝えました。
悦子「…わかったわよ…!(小声で)悪かったわ…」
すみれ「…え?」
悦子「…悪かったわ!もうこれっきりやからね!…でも…このハンカチは、嬉しいわ…」
悦子は去って行きました。
五十嵐さんは、ずっと黙っていたことをちゃんと伝えられて良かったとすみれたちに感謝を述べ、「このハンカチ、ずっと大切にする」と言って、学校を去って行きました。
―しばらく後、学校―
すみれたちは、悦子以外のクラスメイトにもお弁当包みのハンカチを渡し終えました。
良子「みんな 喜んでくれて良かったわ♪」
君枝「嬉しいね♪」
すみれ「楽しかったね♪…あのね…その…楽しかったから…」
すみれは、また3人で手芸をしたいと言おうとしますが、緊張してしまいます。
良子「そや!今度は巾着作りたい!」
すみれ「! …また3人で作れるの…?」
良子「当たり前でしょ!手芸倶楽部、結成やわ♪」
すみれ「!! 嬉しいわぁ!」
3人は、今度は何を作るかワイワイ話します。
すみれ「……なんか…なんかな……」
君枝「なになに?」
すみれ「考えたんやけど…たまご焼き同盟はどう…!?私たちの名前!」
良子「…うーん…手芸倶楽部でええんやない…?」
君枝「…私も手芸倶楽部でいいと思う…(^^;)」
すみれ「…あ…そ、そうよね、そうね!…うん、手芸倶楽部やね!♪♪」
こうして、3人の手芸倶楽部が結成しました。
~エピローグ~
(いつもの丘にすみれと孫の藍がいる)
すみれ「それから3人で色んな物をたくさん作ったの」
藍「へえ!ええなぁ、私にもできるやろか、そんなお友達」
すみれ「大丈夫。いつか出会えるわよ、絶対」
藍「ほんま?あ!君枝おばあちゃん!」
そこに、君枝・良子・悦子がお弁当を持ってやってきました。
藍「たまご焼きや!」
お弁当にはたまご焼きが入っています。
悦子「落とさないようにね。たまご焼きには足があるから♪」
君枝「足?」
悦子「…何やったかしら?昔、聞いたことがあるのよ」
良子「私もそれ…どこかで…」
君枝「私も…」
4人「…あ…!!あの時の!!!」
4人は若かったあの日のことを思い出して笑い合います。
すみれ「さ、いただきましょう♪」
END
感想
たまご焼き同盟、おもしろかったです。
ラジオドラマなんて、どんな風になるんだろう?と思っていましたが、すごく良かった!
女学生時代、なんで悦子さんが妙にすみれたちに突っかかっていたのかもチョット理解できた気がしました。悦子さん、いわゆるツンデレなんですね(笑)本当は、悦子様もすみれたちと仲良くしたかったのかも。自分は「悦子様、悦子様」とチヤホヤされてるけど、もしかしたらどこか「周りが思っている自分のイメージ」に自分自身も取り付かれたようになっていて、本当の自分を好いてくれる友達がいないような寂しさを感じていた学生時代だったのかなって感じました。
クラスの中でも大人しい3人が心からの友達になっていったのを見て、余計に寂しくて、なんとなく面白くなかったのかもしれません。
本当の悦子様は、決して高飛車ではなく優しい人なんですよね。だから、戦後すみれたちと再会した後、接客の仕事もピカイチな存在になれたんだと思います。(接客なんて、優しさや思いやりに敏感な人じゃないと務まりませんよね)
そんな悦子様の本質が、最後のシーンに出ていて嬉しかったです。
そして、特に良子ちゃんは「ああ~!良子ちゃんらしいな~!」ってセリフがたくさんあってチョット笑ってしまいました。「私、あの人苦手やわ…」とか、「田坂さんが入るなら私が抜けるわ」とか、良子ちゃんらしいですよね(笑)
君ちゃんは、正義感が強くて、おかしいことはおかしいとちゃんと言うところが素敵だなって思いました。こういう「正義感」のシーンは、卒業後はあまり本編では出てこなかったと気がしますが、こういうしっかりした信念があったからこそ、いつも「君ちゃんがそこにいる安心感」みたいなものがあったのかなと感じました。
すみれは、とっても内気でしたね(笑)
でも、こうと思ったら我慢できないというまっすぐなところや、みんなが「え!?」と思うようなおかしなことを言っちゃうところなんかはすごくすみれらしくて良かったです。
べっぴんさんが終わって1か月程度だけど、すごく懐かしい感じがしました。
朝ドラって、昔の友達のような存在だなって思いました。
毎日見ているので、その作品ごとに思い出や思い入れがあって、再放送やスピンオフで再びその作品に触れると、昔の友達に再会したようなあったかい懐かしさを感じます。
今回もそうで、「ああ…すみれのこの感じ!懐かしいなあ」とジーンとしたり、「ああ!良子ちゃんらしい!」と笑ってしまったり、とても楽しい時間でした♪
すみれが最後に「それから3人でいろんな物をつくったの」と藍に話していましたが、本当にたくさんの物を作りましたね。
一生涯の友達であり、仕事のパートナーであり…。それが、ここから始まったんですね。
悦子様とも、この後とても良い関係が築けたことも、なんだか自分のことのように嬉しく思います。
スピンオフって、主人公はちょっとしか出演しないタイプがほとんどで、それはそれで楽しみがあるんですけど、こうして主人公たちがしっかり出演できるラジオドラマは、私はものすごく好みでした!聴けて嬉しかったです。
(現実的な話、ラジオドラマだとセットや衣装などの手配もいらなし、役者さんの拘束時間も少ないので、きっと主人公クラスの役者さんを使って作りやすいんだと思います。)
以上、べっぴんさんスピンオフ ラジオドラマ「たまご焼き同盟」のレビューでした♪
ちなみに、他のスピンオフ作品は、私はBSに加入していないので視聴できていません(^^;)
お友達が録画を送ってくれると言ってくれているので、もしかしたら視聴できるかもしれませんが、お友達もいろいろお忙しいと思うのでご迷惑はかけられません。「観れたら嬉しいな♪」くらいに考えております。もし観れたら、またこうして書き起こししたいなとは考えていますが、今のところ予定は未定でございます。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございました!♪♪
コメント
はじめてコメントします。
実は、まれの時からブログ愛読しておりました!
(ちなみに、ダイスケ派ですw)
今回「たまご焼き同盟」聞きたかったのですが、
仕事もあり、聞けず。
まさかアップしていただいてるとは!
という感謝の気持ちを伝えたく
コメントさせていただきました!
きちんとそれぞれの声で脳内再生させてもらいました!
ぺっぴんさんの優しい雰囲気そのままでいいお話❤
悦子様が、そこをまず指摘しちゃう最後のシーン、
最高ですね!
毎日、自分が見た後に答え合わせのように
ブログを読んで、やっぱりそうだよね!
と共感させていただいてます!
ひよっこも盛り上がってきましたね!
これからも影ながら応援しています(^^)
いつも、すてきなブログありがとうございます❤
ぺーさん
ひゃ~!まれの時からですか!嬉しいです!ありがとうございます!!!!
(ダイスケ派wなつかしいですねwあの時は本当に「絶対大輔さんにしとけって!」と盛り上がりました。私がww)
たまご焼き同盟、喜んでいただけて嬉しいです!
こういうコメントをいただけると、記事を書いて良かった~!と思えて本当に嬉しいし、励みになります!ありがとうございます!
BSは見れないもので、全てを記事化するのが難しいですが、録画で済ませられないラジオドラマはきっと聞けない方がいるはず!と思って、必死に録音して書いたんです。
なんせ…古いアナログのラジオを使ってるので、ラジオを持って家の中を歩き回って電波のいいところを探したりしてとにかく必死だったんです(笑)
コメントをいただけて本当に嬉しいです!(ノ´∀`*)
おっしゃる通り、べっぴんさん本編のやさしい雰囲気そのままのラジオドラマでした!
ラジオドラマでここまで魅せられるもんなんだな~すごいな~って思いながら聞きました。
ラストシーンに「足」が出てくるの素敵ですよね、もう何十年の前の記憶なのに「足」はよほど印象的だったんでしょうね♪
ひよっこも面白いですよね~♪
私も更新を楽しんで頑張りますので、気が向いた時や愛が爆発した時などは(笑)いつでもコメント下さいね♪♪